
2023年の株式相場について考えてみました。

2022年は酷かったですし、2023年は上がるとイイですね!

そうなると良いですね!
2023年は米国大統領選前年にあたり、株価が上がりやすいと言われています。ただ景気後退(リセッション)も近いと想定されているので、どこまで上昇してくれるかは?

当投稿では、長期金利と為替の観点から2022年の振り返りと2023年の展望を解説しています。また、現時点の私自身の2023年投資方向性についてもまとめました。
2022年は政策金利上昇で株安
そのため、アメリカは金融政策を一気に金融緩和へと舵を切りました。
・2020年2月まで:1.50~1.75%
・2020年3月~2022年2月:0~0.25%
と異次元の低金利状態が続いていました。
ところが、コロナウイルスによる物流混乱、ロシアによるウクライナ侵攻などにより物価高(インフレ)が全世界を直撃しました。そのため、景気抑制する必要が急務になり、世界中の中央銀行が2022年上旬から2023年前半にかけて急速な利上げを推し進めています。
2023年1月現在のアメリカ政策金利は、4.25~4.50%であり、この1年未満で4.25%利上げと歴史的にも異常な速度で利上げをしています。2023年前半にかけて利上げが実施され、最終的な政策金利(ターミナルレート)が4.75~5.00%若しくは5.00~5.25%が予想されています。
上記のような状態であるため、2022年は株式相場にとって逆風となり、株安となりました。
ローン金利が高くなり、借金があれば返済額が増える
企業はお金を借りることが出来ず、特に成長株は業績が厳しくなる
➡業績悲観から株安へ
つまり、リスクを取ってまで、株式市場にお金を投資するのではなく、銀行に預けた方が投資家にとってはメリットとなります。
そのため、株安へと繋がります。
ローン金利が低くなり、借金があっても返済額は少ない
企業はお金を借りやすくなり、成長へ投資できる
➡業績期待から株高へつまり、投資家にとっては、お金を銀行に預けても金利が見込めないため、リスク資産である株式市場へお金を投資しやすい状態となります。
そのため、株高へと繋がります。

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。
2023年は政策金利低下?
2023年FOMC時 政策金利見通し

・2023年2月:+0.25%
・2023年5月:+0.25% →ターミナルレート4.75~5.00を迎える
・2023年6月:+0.25% or 利上げ無し →ターミナルレート5.00~5.25を迎える
・2023年12月以降:順次利下げ
※FOMCメンバーは2023年中の利下げは無いと言っていますが・・・
少なくとも、どこかで利上げが実施されることは無い為、市場にとっては予測しやすい状態となります。
米政策金利と長期金利(10年)の関係
下図の通り、政策金利はアメリカ債券利回りと正の相関が強いことが分かります。
債券利回りと国債価格は逆相関の関係であるため、政策金利が低下する見込みの2023年は国債に投資妙味があることになります。
長期金利が下がると株価は上昇
長期金利が下がると株価は上昇することを上記に示しました。
特に借入金の多いグロース株は上昇が見込めます。
しかしながら、アメリカはリセッションが現実味を帯びてきており、リセッションに突入すると株価は下がり、特にグロース株は歴史的に厳しい相場になります。
そのため、一時的にグロース株は反発することが見込めますが、イマイチになるのかなと思っています。個別銘柄は、引き続き高配当バリュー株への投資を考えています。
2022年はドルが強すぎ
2022年は米金利が上昇したため、アメリカに世界中のマネーが流入しやすい状態でした。
※11月頃から下落が進んできています。
2023年はドル安?
長期金利が低下する見込みであるため、ドル指数は低下すると思われます。
そうなると、世界中のマネーがドルから一気に別のものへ移ることになります。
ドル指数と関係がある投資先は?
金(ゴールド)
下図の通り、金(ゴールド)はドル指数とは負の相関があります。
そのため、ドル指数が低下する見込みの2023年は金(ゴールド)に投資妙味があると考えています。
金(ゴールド)への投資方法については下記投稿にて詳しく説明しています。
日経平均
傾向がほぼなく、関係性が薄い
S&P500
傾向がほぼなく、関係性が薄い
ヨーロッパ株式指数/ユーロストック50
2004年以降、負の相関が強くはなっているように見えます。ただし、そこまで強い相関は無いと思います。
新興国株式ETF:EEM
非常に強い負の相関性があることが分かります。
つまり、ドル指数が下がるであろう2023年は投資妙味があると考えられます。
新興国について
上記にて、ドル指数と新興国は「負の相関」関係であることが分かりました。
では実際にどの国との親和性が強いのか?を調査しました。
新興国ETF EEMの構成国
【上位10か国】
構成国 | 比率(%) |
中国 | 33.65 |
インド | 13.93 |
台湾 | 13.57 |
韓国 | 11.22 |
ブラジル | 4.89 |
サウジアラビア | 3.98 |
南アフリカ | 3.64 |
メキシコ | 2.34 |
タイ | 2.20 |
インドネシア | 1.80 |
上記10か国とドル指数の関係性について調査しました。
中国/上海総合指数
・2005年以降:負の相関
と分かれています。2023年は果たしてどうなるか?
2022年はゼロコロナを徹底して実施していましたが、2023年一気に撤廃。その分のダメージは大きそうですが、経済活動は再開されるため、株価としては上昇しやすいと思われます。ただし、アメリカとの覇権争い、台湾への武力行使をちらつかせていることから、政治がらみで株価は大きく左右される可能性はあります。
インド/SENSEX指数
・2000年以降:負の相関
と分かれています。2023年は果たしてどうなるか?
2023年中に人口が中国を抜き世界一になる見込みであり、経済規模がドンドン大きくなっていくと思われます。また、中国が西側諸国から危険視されつつあることから、脱中国ムードが広がっており、インドへ目が向きつつあります。そのため中長期的にも投資妙味があると考えています。
台湾加権指数
つまり、ドル指数が低下すれば、台湾の株価は上昇するため、投資妙味があると考えています。しかしながら、中国による侵攻の可能性も否定できず、懸念は大きいものがあります。
韓国総合株価指数
つまり、ドル指数が低下すれば、台湾の株価は上昇するため、投資妙味があると考えています。しかしながら、2021年に人口が減少に転じており、更に出生率も1を下回るほど低水準であることから、近い将来経済規模を維持することが困難になる恐れがあります。
ブラジル/ボベスパ指数との関係
つまり、ドル指数が低下すれば、ブラジルの株価は上昇するため、投資妙味があると考えています。資源も豊富な国でもあるため、長期で見ても面白いかも?
サウジアラビア/タダウル指数との関係
傾向がほぼなく、関係性が薄い
南アフリカETF (EZA)との関係
つまり、ドル指数が低下すれば、南アフリカの株価は上昇するため、投資妙味があると考えています。資源も豊富な国でもあるため、長期で見ても面白いかも?
ロシアが戦争により、西側諸国から経済的に相手にされなくなっており、ロシア資源の代替先としても一躍を担うと思われます。
https://www.nhk.or.jp/school/syakai/10min_tiri/kyouzai/001592.pdf
メキシコ/ボルサ指数との関係
・2003年以降:負の相関
と分かれています。2023年は果たしてどうなるか?
資源も豊富な国でもあるため、面白い投資先にもなり得るかもしれません。
https://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2021/05/mining_trends2021_mx.pdf
タイSET指数との関係
・1996年以降:負の相関
と分かれています。25年以上負の相関が強い状態が続いていますが、2023年は果たしてどうなるか?
インドネシア/ジャカルタ総合指数との関係
・2001年以降:負の相関
と分かれています。2022年後半が正の相関となっているため、少し注意が必要?
資源も豊富な国でもあるため、面白い投資先にもなり得るかもしれません。
新興国とドル指数まとめ
国名 | 相関性 | 投資対象(独断と偏見) |
中国 | 2005年以降:負の相関が強い | ○ |
インド | 2000年以降:負の相関が強い | ◎ |
台湾 | 負の相関が強い | ○ |
韓国 | 2005年以降負の相関が強い | △ |
ブラジル | 2001年頃以降は負の相関 | ◎ |
サウジアラビア | 関係性が薄い | △ |
南アフリカ | 負の相関が強い | ◎ |
メキシコ | 2003年以降:負の相関 | ◎ |
タイ | 1996年以降:負の相関 | ○ |
インドネシア | 2001年以降:負の相関 | ○ |
・インド
・ブラジル
・南アフリカ
・メキシコ
が投資妙味があると考えています。
投資方法
金(ゴールド)
金については、別投稿がありますので、そちらを参考いただければ幸いです。
直接「金」を購入することもできますし、「金」ETFもあります。
更には、「金鉱株」も投資対象として非常に面白いと考えています。
上図の通り、金価格が2倍、3倍、5倍となっても、金の生産コストは変動がしない(しにくい)ため、利益は6倍、11倍、21倍と金価格の上昇以上に利益が向上します。
つまり、金の上昇局面では、このレバレッジがかかった状態になるため、金を掘れば掘るほど利益が出るため株価も上がりやすいということです。
アメリカ国債
各ネット証券会社で直接購入することができます。
また、ETFでも購入することができます。
こちらについては、別投稿でまとめます。
新興国ETFと投資信託
新興国全体への投資なら下記投稿でまとめていますので、ご確認ください。
ピックアップ国ETF
前項で取り上げた国々への投資はETFがおススメです。
国名 | ティッカー | ETF名称 |
インド | INDA | iシェアーズ MSCIインドETF |
ブラジル | EWZ | iシェアーズ MSCI ブラジルETF |
南アフリカ | EZA | iシェアーズ MSCI 南アフリカ ETF |
メキシコ | EWW | iシェアーズ MSCI メキシコETF |
まとめ
米長期金利が一気に上昇したためドル指数も大きく上昇し、2022年11月頃までドルが非常に強い状態が続きました。※日本は金融緩和継続のため、一気に円安ドル高にシフトしました。
2023年は、政策金利がどこかのタイミングで高止まり+利下げに転じると想定されており、長期金利が一服+ドル指数低下が予測されています。つまり、今までアメリカドルにマネーが流入していたことに対し、別の投資先にマネーが移ることを意味しています。
➡一部の米国株、金(ゴールド)、新興国(特に資源国)に注目されています。
①米国指数:S&P500、ナスダック100
②米国成長+高配当株
③日本高配当
④金鉱株ETF
⑤新興国ETF、投資信託(特にインド、ブラジル)
⑥米国債ETF
に投資をしていこうと考えています。
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