
今回は日本株価指数である、TOPIX(東証株価指数)についての説明です。日経平均については、こちらの記事を参照ください。

代表的な指数として日経平均とTOPIXがあるのは知っているけど、
何が違うの?

簡単に言うと、
・TOPIXは、東証一部上場企業全部(2193社)
・日経平均は、日本経済新聞社が選んだ225社
という違いがあるよ。

あと算出の仕方も違っていて、
・TOPIXは、時価総額を基に計算
・日経平均は、株価を基に計算
なので、TOPIXは時価総額に依存し、日経平均は株価が高い銘柄が席巻することになります。

当記事は
①TOPIXについて
②株価
③インデックス投資
の順に日経平均と比べた説明をします。
よく耳にするTOPIXの基礎知識
TOPIXは、Tokyo Stock Price Indexの略で、トピックスと呼ばれます。
単位は「ポイント」で、1968年1月4日を基準日として、当時の時価総額を100として指数を算出されます。
【日本証券取引所MAP】

その中で、最も会社規模が大きく厳選されたものが「東証一部」です。
この時価総額から算出した指数が「TOPIX」です。
【その他の東京証券取引所についての豆知識】
市場第一部・市場第二部は、国内外を代表する大企業・中堅企業が上場する日本の中心的な株式市場です。特に、市場第一部は海外投資家が着目する国際的な市場として、市場の規模や流動性においても世界のトップクラスの市場です。なお、市場第一部及び市場第二部を総称して「本則市場」といいます。
マザーズは、近い将来の市場第一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。そのため、申請会社には「高い成長可能性」を求めています。申請会社が高い成長可能性を有しているか否かについては、主幹事証券会社がビジネスモデルや事業環境などを基に評価・判断します。多くの成長企業に資金調達の場を提供するという観点から、その上場対象とする企業について、規模や業種などによる制限を設けていません。マザーズ上場後、多くの企業が市場第一部にステップアップしています。
JASDAQは、1.信頼性、2.革新性、3.地域・国際性という3つのコンセプトを掲げる市場です。また、一定の事業規模と実績を有する成長企業を対象とした「スタンダード」、特色ある技術やビジネスモデルを有し、より将来の成長可能性に富んだ企業群を対象とした「グロース」という2つの異なる内訳区分を設けています。
TOKYO PRO Marketは、2008年の金融商品取引法改正により導入された「プロ向け市場制度」に基づき設立された市場です。市場において直接売買が行えるのは、特定投資家(いわゆる「プロ投資家」)及び非居住者に限られます。TOKYO PRO Marketでは、取引所から認定を受けたJ-Adviserが、取引所に代わって企業の上場審査や上場後のサポートを実施します。
東証一部上場企業 時価総額ランキングTOP20
順位 | コード | 名称 | 株価(円) | 発行済み株式数 | 時価総額 |
1 | 7203 | トヨタ自動車 | 9,949 | 3,262,997,492 | 32,463,562 |
2 | 9984 | ソフトバンクグループ | 8,102 | 1,722,953,730 | 13,959,371 |
3 | 6758 | ソニーグループ | 10,920 | 1,261,058,781 | 13,770,762 |
4 | 6861 | キーエンス | 54,300 | 243,207,684 | 13,206,177 |
5 | 9432 | 日本電信電話 | 2,912 | 3,900,788,940 | 11,359,097 |
6 | 6098 | リクルートホールディングス | 5,610 | 1,695,960,030 | 9,514,336 |
7 | 9983 | ファーストリテイリング | 85,100 | 106,073,656 | 9,026,868 |
8 | 7974 | 任天堂 | 67,760 | 131,669,000 | 8,921,891 |
9 | 8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 636.4 | 13,581,995,120 | 8,643,582 |
10 | 9433 | KDDI | 3,686 | 2,304,179,550 | 8,493,206 |
11 | 4063 | 信越化学工業 | 19,455 | 416,662,793 | 8,106,175 |
12 | 8035 | 東京エレクトロン | 48,450 | 157,210,911 | 7,616,869 |
13 | 6594 | 日本電産 | 12,630 | 596,284,468 | 7,531,073 |
14 | 4519 | 中外製薬 | 4,179 | 1,679,057,667 | 7,016,782 |
15 | 9434 | ソフトバンク | 1,426.50 | 4,787,145,170 | 6,828,863 |
16 | 7267 | ホンダ | 3,627 | 1,811,428,430 | 6,570,051 |
17 | 6902 | デンソー | 7,918 | 787,944,951 | 6,238,948 |
18 | 6367 | ダイキン工業 | 21,250 | 293,113,973 | 6,228,672 |
19 | 4661 | オリエンタルランド | 17,030 | 363,690,160 | 6,193,643 |
20 | 6501 | 日立製作所 | 6,063 | 967,885,277 | 5,868,288 |
浮動株とは、企業が発行している上場株式のうち安定した株主が保有していないもので、株式市場に流通し日々トレーダーによって売買される可能性が高い株式のことです。
我々投資家が売買するのは、浮動株であり、流通している株を基に時価総額を算出します。
TOPIX寄与度ランキング
浮動株換算した時価総額から、東証一部上場企業の時価総額を全部足し、各銘柄が占める割合を算出したデータが下図です。
順位 | 銘柄 | 比率 |
1 | トヨタ自動車(株) | 3.16% |
2 | ソフトバンクグループ(株) | 2.95% |
3 | ソニーグループ(株) | 2.62% |
4 | (株)キーエンス | 1.98% |
5 | (株)三菱UFJフィナンシャル・グループ | 1.50% |
6 | 任天堂(株) | 1.38% |
7 | (株)リクルートホールディングス | 1.30% |
8 | 信越化学工業(株) | 1.28% |
9 | 日本電信電話(株) | 1.21% |
10 | 日本電産(株) | 1.17% |
11 | 武田薬品 | 1.16% |
12 | 東京エレクトロン(株) | 1.09% |
13 | ダイキン工業(株) | 1.07% |
14 | KDDI(株) | 1.00% |
15 | 三井住友 | 1.00% |
16 | (株)日立製作所 | 0.99% |
17 | 村田製作所 | 0.98% |
18 | ホンダ | 0.98% |
19 | HOYA | 0.94% |
20 | 第一三共 | 0.92% |
合計 | 28.65% |
また、日経平均はTOP20社で54.59%を占めているのに対し(こちらの記事を参照ください)
つまり、日経平均よりTOPIXの方が銘柄数が多いという意味合いだけでなく、一銘柄に対するウエイトが低いことで、分散投資できているということが分かります。
構成セクター
この10個のセクターで72.9%占めています。

やはり、日本企業はモノづくりが中心となっていることが示唆されています。
算出方法
2021年6月8日現在は、1962.65ポイントの為、1968年から比べると19.6倍の時価総額になっているということです。
TOPIX=A÷B×100
A:東証一部上場企業の浮動株換算時価総額の総和
B :1968年1月4日の東証一部上場企業の浮動株換算時価総額の総和
詳細は、日本取引所グループのホームページに記載されています。
株価推移
史上最高値は、1989年12月18日の2884.80ポイントです。バブル崩壊後、最高値は更新されておらず30年以上の歳月が流れました。最近ようやくバブル崩壊後最高値を記録した状態です。
【1989年からの推移】
【2018年からの推移】

【日経平均との比較 1989年からの推移】

【日経平均との比較 2018年からの推移】

この間は日経平均(値がさ株の影響)が優っていたということになります。
コード | 銘柄名 | 現在値(円) | 分配金 | 信託報酬 | 純資産総額(百万円) |
1475 | [東証] iシェアーズ・コア TOPIX ETF | 2,012 | 1.44% | 0.07% | 641,885 |
2625 | [東証] iFreeETF TOPIX(年4回決算型) | 1,961 | 0.00% | 0.07% | 16,742 |
2557 | [東証] SMDAM トピックス上場投信 | 1,966 | 1.55% | 0.08% | 26,054 |
2524 | [東証] NZAM 上場投信 TOPIX | 2,006 | 1.28% | 0.08% | 128,661 |
1348 | [東証] MAXIS トピックス上場投信 | 2,040 | 1.60% | 0.09% | 2,224,226 |
1473 | [東証] One ETF トピックス | 1,997 | 1.55% | 0.09% | 402,039 |
1306 | [東証] NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 2,052 | 1.60% | 0.10% | 16,257,806 |
1308 | [東証] 上場インデックスファンドTOPIX | 2,031 | 1.59% | 0.10% | 7,597,255 |
1305 | [東証] ダイワ上場投信-トピックス | 2,077 | 1.61% | 0.12% | 7,462,162 |
規模が一番大きいものは、NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信となります。
- TOPIX Core30(コア30)
- TOPIX Large70(ラージ70)
- TOPIX Mid400(ミッド400)
- TOPIX Small(スモール)
- TOPIX 100
- TOPIX 500
- TOPIX 1000
この中でもコア30が最も有名です。それは、時価総額や流動性がとくに高い30社で構成されている銘柄から成り立っており、日本を代表する企業が入っているインデックスの為です。
●投資信託
ファンド名 | 分配回数 | 申込手数料 | 信託報酬率 | 純資産総額(百万円) | 基準価額(円) | 積み立てNISA |
ニッセイTOPIXインデックスファンド | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.154%以内 | 40,687 | 13,682 | ○ |
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.154%以内 | 33,590 | 13,925 | ○ |
iFree TOPIXインデックス | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.154% | 4,704 | 16,123 | ○ |
Smart-i TOPIXインデックス | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.154% | 2,066 | 13,301 | ○ |
三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.176% | 53,086 | 31,616 | ○ |
たわらノーロード TOPIX | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.187%以内 | 3,141 | 13,780 | ○ |
i-SMT TOPIXインデックス(ノーロード) | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.187% | 109 | 11,271 | ○ |
つみたて日本株式(TOPIX) | 年1回 | 0% | 純資産総額に対して 0.198% | 9,500 | 13,204 | ○ |
信託報酬と純資産総額から、
・ニッセイTOPIXインデックスファンド
・eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
の2択だと考えます。
まとめ
日経平均は、225社となるので、日本全体を表す場合TOPIXの方が有用です。
そのため、日本全体に投資したい方は、日経平均よりもTOPIXを基に購入された方が良いと考えます。
最近3年間は、日経平均の方が成長性が高い結果であり、魅力は減っています。
しかしながら、日銀のETF購入の指針が変更になり、日経平均を基に購入していたものをTOPIXを基に購入するそうなので、下支えはあると思っています。
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