【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年9月5週目

市場振り返り
この記事は約42分で読めます。

2022年9月26日~9月30日までの株式市場振り返りです。

 

先週に続いて酷い1週間でしたね・・・

・世界的な不況へ突入可能性が高まった
・長期金利が高騰
・イングランド銀行の期間限定国債購入発表
・ロシアのウクライナ領土4州併合宣言
・アメリカGDPが2期連続マイナスが確定
・インフレ高止まり
などスタグフレーションリスクや戦争激化懸念で株価は暴落中・・

日米主要株式指数としては、先週末比で

●NYダウ:-2.92%

●NASDAQ総合指数:-2.69%
●S&P500:-2.91%
●日経平均:-4.48%
●TOPIX:-4.18%
●マザーズ:-2.41%
と日米主要全指数は大きく下落しました。

 

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①アメリカ経済指標について
 ②株式以外の重要指数について(金利、為替、原油)
 ③日米主要株価指数について
 ④日本市場振り返り:セクター成績
 ⑤アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ⑥アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

 
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アメリカ経済指標

今週のアメリカ経済指標は、
・9/27:消費者信頼感指数(コンファレンスボード)
・9/27:8月新築住宅販売件数
・9/29:4-6月期GDP確定値
・9/30:8月個人消費支出
・9/30:シカゴ購買部協会景気指数 
の発表がありました。

インフレ高止まり、テクニカルリセッション、企業側景況感が下落、個人消費は比較的堅調など株価にとっては悪いニュースが多い状態です。

消費者信頼感指数(コンファレンスボード)

前月:103.2
予想:104.3
結果:108.0
と2か月連続で予想/前月を大きく上回る結果
一時の勢いは無いものの、それでも底堅い印象

アメリカ コンファレンスボード消費者信頼感指数

新築住宅販売件数 

前月:51.1
予想:50.1
結果:68.5
一時の勢いは無いものの、それでも底堅い印象

アメリカ新築住宅販売件数 

GDP(4-6月)確定

2022年1Q:-1.6%
2022年2Q:-0.6%
と2期連続マイナスでテクニカルリセッションが確定となりました。
他の経済指標や雇用状態からアメリカ政府はリセッションを認めてはいませんが、2期連続マイナスは事実です。

アメリカGDP

個人消費支出(PCE)

前月:6.4%
予想:6.0%
結果:6.2%
と下落傾向とはなっていますが、高いレンジで推移しており、
インフレ圧力は強いままです。

アメリカ個人消費支出(PCE)

個人消費支出(PCE) コア ※エネルギーと食品除く

前月:4.7%
予想:4.8%
結果:4.9%
と前月よりも上昇。CPIと同様の結果になっており、エネルギー問題が解決してもインフレ圧力は高いままとなっています。
大幅な利上げ継続懸念

個人消費支出(PCE) コア ※エネルギーと食品除く

シカゴ購買協会景気指数

前月:52.2
予想:51.6
結果:45.7
と前月よりも大きく後退した結果であり、企業側では既に景気が悪くなってきていることが示唆されました。

シカゴ購買協会景気指数

次週は
・10/3:ISM製造業景況指数
・10/5:ISM非製造業景況指数
・10/7:9月非農業部門雇用者数変化、失業率
に注目です。

株式以外の重要指標

11月FOMCでの利上げ予想

11月は0.50%と予想する人が増え、0.50%利上げと0.75%予想が半分半分となっています
それでいて株価は下落しているため、0.75%利上げ予想が増えると株価は更に下がる可能性があります。

2022年11月利上げ予想

12月FOMCでの利上げ予想

現時点では12月は0.50%利上げ予想が支配的です。

12月アメリカ利上げ予想 

アメリカ長期金利推移

9/21のFOMCを受け、長期金利上昇傾向が加速しています。
10年金利は、ついに4%を一時超えました。
その後、イングランド銀行の期間限定国債購入発表などで下落しましたが、そこから再度上昇に転じています。

・2年金利:4.283%
・5年金利:4.095%
・10年金利:3.833%
・30年金利:3.782%

長短金利明らかにで逆イールドで差が拡大しています。
→リセッションの兆候は変わっていません。

アメリカ10年債券利回り日足チャート

アメリカ債券利回り10年と2年の差日足チャート

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

為替(ドル円)

9/22に一気に145円を突破し146円間際で為替介入がありました。
一時140.345まで約5.5円 円高になりましたが、結局は144円台まで円安に戻っています。
やはり長期的には更に円安になっていくと思います。

ドル円日足チャート

原油価格WTI

下落トレンドの中を推移しています。
景気減速で下落ムードが強まってきており、ロシア侵攻前の1月水準の80ドルを下回っています。
ただ不景気に強い現物資産でもあるため、高止まりする??

原油価格WTI日足チャート

主要指数成績

2022年9月5週日米主要株式指数結果

2022年日米主要株式指数結果

長期金利上昇に伴い全指数マイナスとなり、3週連続大きく下げています。

・NYダウ:ついに29,000ドル割れとなりました。2020年10月レベルまで下落
・NASDAQ:直近安値6/16を割り込むのは時間の問題
・S&P500:ついに3,600を割り込む。2020年11月レベルまで下落

アメリカ主要指数はすべて高値から20%以上の下落となり、弱気相場入りしました。
日本株もアメリカ株の影響を強く受け、暴落しています。
急激な為替変動も大きな一因となっています。

昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。

日本市場振り

主要指数結果

2022年9月5週日本主要株式指数結果

・日経平均:青い線が3月、6月底で意識されていた25,700円ラインです。
      そこをブレイクするとなると、25,000円を切る可能性があります。
・TOPIX:6月底の1,808ポイントを試す動きが出てくると思います。
・マザーズ:100日移動平均線(黄)を守り切れるか?

円安が止まらず、輸入に頼っている業界は特に厳しく、消費者に対して値段を大幅に上げられないメーカーは特に厳しい情勢になる恐れがあります。
日銀の金融緩和は続くと思われますが、世界の流れは止められず景気は鈍化する可能性が高いと考えます。

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年9月5週東証セクターヒートマップ

2022年東証セクター成績

2022年9月5週東証セクターTOP10

プラスは3業種、マイナスは30業種とマイナスが支配的となりました。
幅広い業種で暴落となっています。

ディフェンシブセクターである医薬品が上昇しています。

一方で景気悪化可能性が顕著であり、高配当を維持できない可能性も高くなってきている海運株は、5週連続大きく下落であり、今週は特に権利落ちを迎えたため暴落しました。
長期金利上昇およびアップルショックで電気機器や機械などのハイテク関連株が先週同様に大きく下落しました。また、原油価格下落により石油関連株が大きく下げています。

アメリカ市場振り返り

主要指数結果

2022年9月5週アメリカ主要株価指数結果

9/28に一回上昇しましたが、焼け石に水状態。
FOMCメンバーの相次ぐタカ派発言や種々の経済指標で長期金利が急騰中。
またスタグフレーションが現実的になってきており、株式市場から資金が撤退している状態です。

移動平均線から大きく離れていますが、上昇のきっかけが中々ない状態のため、大きな反発は当面期待できないかなと思います。

円安に大きく振れてきており、アメリカ銘柄を持っておく必要が更に上がってきています。
円安のため、中々ドルを持つことが厳しいですが、暴落相場はアメリカ株が買いやすい状態ではあるため、引き続き少量ですがアメリカ株へ投資を続けていきたいと考えています。
引き続き高配当株とS&P500、NASDAQ100への投資信託を積み立てていきます。

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

アメリカヒートマップ

今週はエネルギーと素材株が比較的良かったことが分かります。
アップルが-8.13%と暴落。増産断念という報道があり、関連企業の株も大きく下がりました。
また、今まで好調であった最後の砦的セクターであった公共事業セクターが暴落してしまいました。

セクター別成績

2022年アメリカセクター成績

8月最終週:全セクターマイナス
9月2週:全セクタープラス
9月3、4週:全セクターマイナス
9月5週:2業種のみプラス

と振れ幅が非常に激しく、難しい相場であることが分かります。

先週暴落のエネルギーがTOPとなりました。
貴金属の上昇に伴い素材株もプラスとなっています。

 

TOP:エネルギー:+1.86%

今週は原油価格下落が少し緩んだことにより、エネルギー株は少し上昇しています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
シェルSHEL3.43%-6.08%-4.12%-9.41%11.64%14.65%
エクソンモービルXOM1.82%-8.66%-0.27%5.71%48.44%42.69%
シェブロンCVX-0.76%-9.10%-1.94%-11.77%41.62%22.43%

 

 

 

 

No.2:素材:+0.92%

貴金属が久しぶりに上昇しています。
ただし、景気後退が現実的であるため、工業関連素材は下落しています。

名前1週間1か月3か月6か月1年年初来
9.44%5.75%-10.68%-37.66%-30.85%-32.22%
原料炭9.33%-12.71%-1.14%-14.78%54.69%36.83%
その他の貴金属と鉱業8.86%4.94%-11.52%-37.11%-37.36%-35.28%
7.05%2.62%-15.44%-37.11%-16.11%-23.72%
その他の工業用金属および鉱業3.25%-4.27%-5.43%-29.97%-4.46%-10.08%
2.50%-5.59%-6.96%-41.52%-14.70%-28.40%
木材と木材生産0.71%-14.24%-3.87%-13.81%-1.66%-20.44%
建材0.28%-9.23%-0.31%-19.24%-23.78%-34.47%
農業投入物0.09%-8.92%2.94%-17.89%25.51%7.78%
紙・紙製品0.06%-7.97%-8.79%-20.95%-13.95%-17.99%
化学品-1.25%-11.52%-9.43%-22.58%-15.45%-23.61%
特殊化学品-1.60%-10.14%-8.46%-17.40%-19.27%-28.90%
-1.72%-15.64%-5.98%-33.78%-17.95%-21.20%
アルミニウム-4.92%-29.17%-24.53%-60.50%-37.98%-44.99%
会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
リオ ティントRIO5.56%-2.19%-7.97%-31.52%-16.94%-17.09%
BHPグループリミテッドBHP2.39%-8.84%-7.56%-27.36%4.84%-7.02%
ベールSAVALE2.15%7.25%-3.83%-31.93%-2.46%-2.94%
ニュートリエンNTR0.53%-9.14%5.25%-19.82%28.61%10.88%
リンデLIN0.16%-4.69%-5.55%-15.60%-8.11%-22.18%

 

 

 

 

 

 

No.3:ヘルスケア:-0.67%

ディフェンシブセクターのため、他のセクターに比べてマシであることが分かります。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
イーライリリーLLY3.82%7.34%-0.42%12.91%39.95%17.06%
アストラゼネカAZN0.48%-12.09%-16.85%-17.33%-8.69%-5.85%
ノバルティスNVS0.00%-5.60%-9.90%-13.38%-7.06%-13.10%
ファイザーPFE-0.73%-3.25%-16.34%-15.47%1.74%-25.89%
メルクMRK-0.76%0.89%-6.82%4.96%14.66%12.37%
ユナイテッドヘルスUNH-1.67%-2.75%-2.39%-0.97%29.25%0.58%
ジョンソンエンドジョンソンJNJ-2.02%1.25%-9.00%-7.83%1.15%-4.51%
サーモフィッシャーTMO-2.61%-6.99%-7.49%-14.13%-11.23%-23.99%
ダナハーDHR-2.63%-4.31%0.09%-11.95%-15.16%-21.49%
アッヴィABBV-6.19%-0.19%-12.74%-17.21%24.42%-0.88%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト1:公共事業:-7.99%

今週はボロボロの結果でした。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ネクストエラ・エナジーNEE-4.98%-7.82%-2.67%-7.44%-0.14%-16.01%
センプラSRE-7.32%-9.11%-2.36%-10.81%18.53%13.35%
ザ・サザン・カンパニーSO-9.32%-11.77%-7.03%-6.22%9.73%-0.85%
デューク・エナジーDUK-10.31%-12.99%-15.14%-16.69%-4.68%-11.33%
ドミニオンエナジーD-11.11%-15.51%-14.93%-18.67%-5.35%-12.03%

 

 

 

 

 

 

ワースト2:不動産:-4.79%

年初来でもかなりひどい結果であることが分かります。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
パブリック ストレージPSA-0.77%-11.49%-3.99%-21.93%2.56%-18.65%
エクイニクスEQIX-4.10%-13.47%-15.48%-23.30%-28.01%-32.75%
クラウンキャッスルCCI-5.93%-15.38%-16.13%-21.70%-16.60%-30.75%
アメリカン・タワー・コーポレーションAMT-6.17%-15.49%-16.91%-14.54%-19.11%-26.60%
プロロジスPLD-6.45%-18.40%-15.35%-37.08%-19.00%-39.65%

 

 

 

 

 

 

ワースト3:テクノロジー:-3.72%

増産断念のアップルが暴落・・・

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
アクセンチュアACN-1.03%-10.80%-8.32%-23.70%-19.57%-37.93%
シスコシステムズCSCO-1.62%-10.55%-6.10%-28.26%-26.51%-36.88%
マイクロソフトMSFT-2.11%-10.93%-10.28%-24.46%-17.39%-30.75%
セールスフォースCRM-2.16%-7.87%-14.48%-32.25%-46.97%-43.40%
エヌビディアNVDA-3.01%-19.58%-16.42%-55.51%-41.40%-58.73%
ASMLASML-4.77%-15.22%-7.67%-37.82%-44.26%-47.83%
ブロードコムAVGO-5.26%-11.04%-7.08%-29.49%-8.44%-33.27%
オラクルORCL-5.39%-17.64%-13.83%-26.18%-29.91%-29.97%
台湾セミコンダクターTSM-7.19%-17.74%-10.96%-34.24%-38.59%-43.01%
アップルAAPL-8.13%-12.10%-0.53%-20.85%-2.33%-22.17%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照

ナイキ (NKE)

1Qの業績は増収減益

売上高前年同期比3.6%増の 126.9億ドル。アナリスト予想より3.3%
EPS前年同期の水準から-0.23ドル。アナリスト予想より+0.01ドル

減益ながら予想を上回る結果でしたが、運送賃、為替などの影響で利益率が大きく低下。
約13%株価は暴落しています。

 

 

マイクロンテクノロジー (MU)

4Qの業績は減収減益

売上高前年同期比 -19.7%の66.4億ドル。アナリスト予想より-2.5%
EPS前年同期の水準から0.97ドル減。アナリスト予想より+0.04ドル

前年同月比で大幅減収減益、EPSは予想をやや上回る結果でした。
来四半期売上高ガイダンスは市場予想を下回る結果です。
時間外で株価は下落しましたが、上記は織り込み済み?なのか
決算発表の翌日はやや上昇しています。

 

 

カーニバル (CCL)

3Qの業績は増収増益

売上高前年同期比 689%増の43.1億ドル。アナリスト予想より-12%
EPS前年同期の水準から1.17ドル上昇し、赤字幅縮小。アナリスト予想より-0.47ドル

大幅増収ながら売上高、EPSともに予想を大きく下回る結果でした。
約23%株価は下落し、1992年レベルの株価まで暴落中。
2018年1月が最高値で72.70ドル。現在7.03ドルのため、10分の1まで株価が下落しています。

 

 

 

10月中旬から決算発表ラッシュですが、来週は大手決算発表はありません。
なじみがある銘柄としては、ジーンズのリーバイスくらいです。

 

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