【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年8月5週目

2022年8月5週目日米相場振り返り市場振り返り
この記事は約36分で読めます。

2022年8月29日~9月2日までの株式市場振り返りです。

先週に引き続き大きく下落しましたね・・・

●NYダウ:-2.99%

●NASDAQ総合指数:-4.21%
●S&P500:-3.29%
●日経平均:-3.46%
●TOPIX:-2.50%
●マザーズ:-3.45%
と日米主要全指数大きく下落しました。
特にハイテク株が多いNASDAQが大きく下げています。

・次回のFOMCで引き続き大幅な利上げがあるのでは?
・2023年は利下げしない可能性が高い
・FOMCメンバーのタカ派発言が多い
という状態であり、長期金利が上昇中です。また景気指標が下落傾向であることも合わさり、株価は大きく下落しました。

今週のアメリカ主要経済指標は、
・8/31:シカゴ購買部協会景気指数
・9/1:ISM製造業景気指数
・9/2:雇用統計
が発表されました。

シカゴ購買部協会景気指数は、
・予想:52.6
・結果:52.2
と予想を下回る結果でした。
また、右肩下がりに下落していることも確認されています。
ただし、緩やかな形であり、景気が底堅いことを示唆しています。
利上げに耐え得ると判断されかねない内容

シカゴ購買部協会景気指数

 

ISM製造業景気指数は、
・予想:52.0

・結果:52.8
と予想を上回る結果でした。
また、シカゴ購買部協会景気指数と同様に、右肩下がりに下落しているものの、緩やかな形であり、景気が底堅いことを示唆しています。
利上げに耐え得ると判断されかねない内容

ISM製造業景気指数

FRBの使命として、
・物価の安定(インフレ率が2%目途)
・雇用安定
がありますが、今週は雇用状況がどうなっているのかに注目されていました。

非農業部門雇用者数については、
・予想:30.0万人
・結果:31.5万人
と予想を少し上回る内容でしたが、ほぼ予想通り。
先月から悪化し、2022年で最低の結果となりました。

非農業部門雇用者数

失業率は、
・予想:3.5%
・結果:3.7%
予想より悪い結果であり、先月よりも悪化しました。

アメリカ失業率

 

雇用相場は曲がり角を迎えている印象です。
景気指数は右肩下がりですが、緩やかな内容。
9月のFOMCでどのような結果になるのか?予想が割れています。

2022年9月FOMC利上げ予想

利上げ幅は、0.75%と予想する市場関係者が9/1時点で75%と増加していることが分かります。雇用統計の結果から9/2は0.75%と予想している人が減少したことが分かります。

つまり、市場自体0.75%を完全に織り込んでおらず、株式相場はまだ落ちる可能性があることを示唆しています。

こうした背景から、アメリカ長期金利が上昇しています。
また近い将来のリセッションの兆候である長短金利差(10年と2年差)は逆イールド状態が続いています

アメリカ10年債利回り日足チャート

アメリカ10年債利回りと2年債利回りの差

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

長期金利が上昇する≒強いドルとなるため、ドル円は大きく円安に振れてきています。直近高値の139.388円を超え、24年ぶりの140円台を突破しました。

為替ドル円日足チャート

原油価格は、ロシア問題は継続していますが、世界的に景気減速が示唆されており、今週は値を下げています。
200日移動平均線(赤)と50日移動平均線(紫)が上値抵抗線であり、次週はサポートラインの86USDを維持できるかがポイントとなります。

原油価格WTI日足チャート

 

こうした背景から、アメリカ株は多くく下落した週となりました。
それに引きづられるように日本株も大きく値を下げた週となってしまいました。

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①日米主要株価指数について
 ②日本市場振り返り:セクター成績
 ③アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

主要指数成績

20222年8月5週日米主要株価指数結果

日米主要株価指数2022年結果

全指数マイナスとなりました。アメリカの指数は3週連続マイナス、日本の指数は2週連続マイナスとなっています。

昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。

日本市場振り

日経平均日足チャート

日経平均日足チャート

今週はアメリカ株と同様に下落しています。
50日移動平均線(紫)が下値抵抗線であり、これをブレイクすると100日移動平均線(黄)の27,217円まで下落する可能性があります。

主要指数結果

2022年8月5週目日本株式市場結果

日経平均とTOPIXの下部に見える赤線が200日移動平均線、紫線が50日移動平均線です。
ここがサポートラインとなっているような感じですが、予断は許さない状態だと考えています。少なくとも先物は下落しているため、9/5は下落してスタートするものと思われます。

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年8月5週目東証セクターヒートマップ

2022年東証セクター成績

2022年東証セクターTOP10

プラスは1業種、マイナスは32業種と大きく下げたことが分かります。
アメリカ長期金利上昇により、グロース株が多い電気機器、精密機器が特に下げています。
また、景気後退懸念により海運株も大きく下げ、ワーストの成績でした。
コロナ水際対策緩和報道で空運株と陸運株が底堅い内容でした。

アメリカ市場振り返り

日足チャート

2022年8月5週目アメリカ市場結果

9/1はやや持ち直した結果ですが、今週はずっと下落した結果でした。
特にNASDAQは6日連続下落となりました。
また、すべての指数で50日移動平均線(紫)をブレイクして下落してしまいました。
恐怖指数と呼ばれるVIX指数は9/2最終で25.47と急騰していますが、まだ30まで行っていない状態であり、株価は下げ代がある状態です。

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

2022年8月5週目アメリカ市場ヒートマップ

全セクターマイナスで真っ赤っかとなりました。
生活必需品とヘルスケアのディフェンシブセクターがマシなことが分かります。

セクター別成績

2022年アメリカセクター成績

 

全セクターマイナスとなりました。
公共事業がTOPセクター、次いで生活必需品、ヘルスケアとディフェンシブセクターがマシであったことが分かります。

反対にグロース株が多いテクノロジが大きく下落しています。
また長期金利上昇でローン金利上昇となっており、不動産が大きく下落。
ドル高になり素材株が大きく下げました。

TOP:公共事業:-2.00%

年間通じて底堅いセクターです。

分類1週間1か月3か月6か月1年年初来
発電-1.19%-1.43%-7.99%8.34%5.46%-0.03%
電気-1.75%-0.94%0.33%5.80%4.99%2.52%
水道-1.92%-4.73%-0.98%-3.18%-11.72%-13.68%
ガス-2.33%0.58%-2.91%6.21%16.02%12.93%
リサイクル-2.34%3.51%7.45%13.08%1.78%4.59%
多様-2.44%-0.81%-3.22%-0.61%7.31%3.61%

No.2:生活必需品:-2.33%

バリュー株が多く、底堅い結果を出しています。
配当も高い銘柄が多い為、私の主戦場です。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ウォルマートWMT1.06%5.92%6.13%-6.88%-10.47%-8.08%
フィリップモリスPM-2.09%-3.54%-10.42%-5.28%-10.52%-0.49%
コストコCOST-2.39%-4.45%9.00%-1.22%12.61%-8.56%
ペプシコPEP-2.50%-2.96%3.52%2.96%8.74%-1.76%
ユニリーバUL-3.09%-7.89%-4.13%-2.36%-18.70%-17.08%
コカ・コーラKO-3.11%-3.96%-2.89%-2.27%7.72%3.28%
プロテクター&ギャンブルPG-3.61%-5.18%-5.98%-11.59%-4.72%-16.15%

 

 

 

 

 

 

 

 

No.3:ヘルスケア:-2.44%

薬価金額抑制法案にバイデン大統領が署名した後から下落が大きくなってきています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
アッヴィABBV-0.05%-1.90%-7.40%-9.48%21.66%0.65%
ジョンソンエンドジョンソンJNJ-0.93%-5.27%-7.75%-3.98%-6.97%-4.87%
ファイザーPFE-2.39%-8.34%-14.10%-6.06%-2.43%-22.61%
ユナイテッドヘルスUNH-2.44%-3.26%6.33%3.55%21.86%2.83%
メルクMRK-3.39%-0.68%-4.09%10.79%11.81%12.51%
サーモフィッシャーTMO-3.58%-7.87%-2.61%-0.69%-3.88%-18.54%
ノバルティスNVS-3.60%-6.49%-10.57%-5.95%-13.51%-8.88%
ダナハーDHR-3.89%-6.76%1.27%-1.14%-18.71%-18.11%
イーライリリーLLY-4.51%-1.46%-0.11%14.63%16.09%9.09%
アストラゼネカAZN-8.49%-8.45%-7.63%5.60%1.85%4.19%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト1:素材:-6.72%

ドル高で素材株が大きく下落しました。
特に工業資源が酷い結果でした。

分類1週間1か月3か月6か月1年年初来
その他の貴金属と鉱業-1.15%-10.89%-29.70%-44.17%-44.95%-38.33%
建材-3.27%-5.49%-5.42%-10.20%-24.93%-28.26%
特殊化学品-4.30%-4.93%-13.34%-3.76%-18.05%-22.45%
-4.55%-8.01%-27.08%-36.95%-26.34%-25.33%
紙・紙製品-5.41%-2.32%-17.30%-14.11%-17.47%-12.61%
化学品-6.16%-3.25%-16.21%-9.64%-11.84%-15.83%
-6.41%-20.54%-29.15%-41.15%-42.38%-36.20%
-6.50%-3.36%-16.59%-17.96%-17.03%-9.10%
農業投入物-7.60%7.44%-3.92%-1.42%38.67%17.87%
アルミニウム-8.14%2.32%-20.84%-48.38%-34.57%-28.10%
木材と木材生産-8.26%-6.80%-11.22%-13.03%11.78%-10.92%
原料炭-9.30%11.71%-14.45%-5.55%77.21%50.30%
-10.41%0.20%-28.17%-39.37%-20.47%-26.10%
その他の工業用金属および鉱業-11.36%-4.60%-26.31%-28.57%-19.66%-11.09%

ワースト2:テクノロジー:-5.36%

金利上昇に伴い、グロース株が多いてテクノロジー株が大きく下落しました。
特に半導体株が酷い結果でした。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
オラクルORCL0.04%-3.51%4.03%-2.37%-16.84%-14.37%
シスコシステムズCSCO-2.83%-1.74%-1.46%-21.09%-25.10%-29.64%
アドビADBE-3.38%-14.50%-14.34%-18.58%-44.61%-35.08%
ブロードコムAVGO-3.96%-9.51%-11.20%-16.07%1.69%-24.83%
マイクロソフトMSFT-4.49%-9.73%-5.17%-11.66%-14.97%-23.86%
台湾セミコンダクターTSM-4.53%-8.50%-13.73%-23.00%-33.02%-32.76%
アクセンチュアACN-4.72%-8.54%-6.85%-9.58%-16.70%-31.48%
アップルAAPL-4.77%-6.03%7.17%-4.51%1.41%-12.25%
ASMLASML-8.38%-20.61%-17.11%-21.39%-45.76%-41.32%
エヌビディアNVDA-16.07%-28.98%-27.10%-40.50%-39.07%-53.60%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト3:不動産 :-4.03%

2週連続で下位3位でした。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
クラウン キャッスル インターナショナルCCI-3.26%-5.94%-8.35%-6.33%-15.23%-19.63%
パブリック ストレージPSA-3.35%0.73%4.77%-8.18%4.67%-7.49%
アメリカン・タワーAMT-3.96%-7.53%-5.95%5.28%-16.63%-14.24%
プロロジスPLD-5.03%-6.78%-4.46%-19.19%-11.97%-27.60%
エクイニクスEQIX-5.90%-9.45%-6.97%-12.45%-27.82%-25.38%

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照

今週は大手小売り業の決算でした。明暗が分かれる結果となっています。

HP (HPQ)

3Qの業績は減収増益

売上高前年同期比 4.1%減の 146.6億ドル。アナリスト予想より-6.6%
EPS前年同期の水準から0.04ドル増加。アナリスト予想と同等

前年同月比で減収であり、予想も大きく下回る結果
来四半期、通期ガイダンスEPSはアナリスト予想を
大きく下回る内容であり、株価は大きく下落しました。

 

 

ブロードコム (AVGO)

3Qの業績は増収増益

売上高前年同期比 24.8%増の 84.6 億ドル。アナリスト予想より+0.6%
EPS前年同期の水準から2.77ドル増加。アナリスト予想より+0.17ドル

増収増益で予想も上回る好決算内容
来四半期ガイダンス売上高は増収を見込み、予想も上回る内容
株価は大きく上昇しました。

 

 

ホーメルフーズ (HRL)

3Qの業績は増収増益

売上高前年同期比 5.9%増の 30.3 億ドル。アナリスト予想より+1.3%
EPS前年同期の水準から0.01ドル増加。アナリスト予想より-0.1ドル

増収増益ながらEPSは予想を若干下回る内容
通期ガイダンス売上高は予想の範疇、EPSは予想を下回る内容で
株価は大きく下落しました。

 

 

次週の決算はニオ、ゲームストップ、ドキュサインに注目です。

 

 

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