【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年8月4週目

2022年8月4週市場振り返り市場振り返り
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2022年8月22日~8月26日までの株式市場振り返りです。

アメリカ株が暴落でしたね・・・

●NYダウ:-4.22%

●NASDAQ総合指数:-4.44%
●S&P500:-4.04%
●日経平均:-1.00%
●TOPIX:-0.75%
●マザーズ:-0.62%
と特にアメリカ株が大きく下がりました。

次回のFOMCで引き続き大幅な利上げがあるのでは?という憶測が強くなってきたため、長期金利が上昇中です。また景気指標が下落傾向であることも合わさり、株価は大きく下落しました。

重要な経済指標としては、8/23に購買担当者景気指数(PMI)が発表されました。製造業、サービス業ともに予想を下回る結果であり、特にサービス業が大きいく下落しています。その結果、総合でも大きく下げてきています。

アメリカ製造業PMI

 

アメリカサービス業PMI

アメリカ総合PMI

PMIは単月で判断はできませんが、右肩下がりの傾向であることから、景気自体は冷えてきていることが分かります。

<製造業>
●予想:52.0
●結果:51.3

<サービス業>
●予想:49.2
●結果:44.1

<総合>
●予想:49.0
●結果:45.0

今週はジャクソンホールでパウエル議長がどういう発言をするかが注目でした。最終8/26に至るまで、タカ派発言があるのでは?という疑念がありCME fedwatchによると0.75%の予想をしている人が増加しています。

 

FedWatch利上げ予想

その影響で長期金利が大きく上昇してきています。
また近い将来のリセッションの兆候である長短金利差(10年と2年差)は逆イールド状態が続いています。

アメリカ10年債利回り日足チャート

アメリカ金利10年と2年の差日足チャート

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

長期金利が上昇する≒強いドルとなるため、ドル円は円安に振れてきています。

ドル円日足チャート

原油価格は、やや上昇傾向ですが、200日移動平均線が上値を抑えています。近い将来の景気減速が織り込まれつつありますが、だたロシアエネルギー代替にめどが立っているわけではない状況であり、上昇下降が拮抗しているような形です。

原油価格WTI日足チャート

8/26にアメリカジャクソンホールでFRBパウエル議長の講演がありました。タカ派発言であり、株価は大きく暴落しています。
前日比で、
●NYダウ:-3.03%
●NASDAQ総合:-3.94%
●S&P500:-3.37%

パウエル議長の発言をまとめると、
●9月の利上げは各経済指標の結果を見ながら決定する
●ただし、インフレを退治するためには、

 今回も異例な大幅な利上げが必要である可能性有り。
●景気抑制策は一定期間継続する必要があり、早期の利下げに

 消極的
とタカ派発言でした。

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①日米主要株価指数について
 ②日本市場振り返り:セクター成績
 ③アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

主要指数成績

2022年8月4週目日米主要株価指数結果

2022年日米主要株価指数結果

全指数マイナスとなりました。日本株は「マシ」ですが、アメリカ株は最終日の8/26に暴落しているのが大きな要因です。

アメリカ株指数はすべて4%を超えるマイナスでした。

昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。

日本市場振り

日経平均日足チャート

日経平均日足チャート

今週はアメリカ株と同様に下落しています。
29,000円の足固めが出来ていない状態であり、8/26のアメリカ株暴落により次週前半は大きく下げると考えられます。シカゴ先物で-1.97%となっています。

主要指数結果

2022年8月4週目日本株式市場動き

日経平均とTOPIXの下部に見える赤線が200日移動平均線です。今週一番下がった8/24で
・日経平均:2.7%
・TOPIX:1.8%
とだいぶ近づいてきていることや、RSIが最大70程あったものが
・日経平均:53.6
・TOPIX:54.1
まで下がってきたこともあり、自律反発のような形で8/25、8/26は小幅上昇しました。
ただし、8/26のアメリカ株暴落により次週前半は大きく下げると考えられます。

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年8月4週東証セクターヒートマップ

2022年東証セクター成績

2022年8月4週東証セクター成績TOP10

プラスは17業種、マイナスは16業種と拮抗しました。
アメリカ長期金利上昇により、グロース株が多い電気機器が特に下げています。
コロナ水際対策緩和報道で空運株が上昇しました。また、エネルギー株が堅調です。
次週はグロース株は厳しいスタートになると考えています。

 

アメリカ市場振り返り

日足チャート

2022年8月4週アメリカ主要指数結果

最終日の8/26の暴落で
●NYダウ、S&P500:100日移動平均線を一気にブレイク
●NASDAQ総合:100日移動平均線の手前でストップ
となっています。
恐怖指数と呼ばれるVIX指数は8/26に17.36%上昇と暴騰しましたが、まだ25.56であるため、株価は未だ下がる余地があります・・・

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

2022年8月4週アメリカヒートマップ

エネルギーセクターが堅調、一部のコモディティが上昇という結果でした。
暴落相場では、コモディティに投資妙味があります。
また、中国がアメリカとは逆に利下げ発表したため、中国株は上昇しています。
あとは一帯赤とマイナスであることが分かります。

セクター別成績

2022年アメリカセクター成績

2業種プラス、9業種マイナスとなりました。
エネルギーと素材セクターがプラス、TOP3はマイナスながら公共事業が入り、ディフェンシブセクターがマシであったことが分かります。
反対にグロース株が多いテクノロジー、コミュニケーションサービスが大きく下落しています。

TOP:エネルギー:+4.36%

一時ほどの勢いは減っていますが、2022年はエネルギーが引き続き強いです。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
エクソンモービルXOM4.03%5.65%1.27%25.73%78.89%59.94%
シェルSHEL3.82%6.58%-8.72%1.24%39.22%26.45%
シェブロンCVX3.63%8.66%-7.46%16.41%68.08%39.25%

 

 

 

 

No.2:素材:+0.80%

分類1週間1か月3か月6か月1年年初来
アルミニウム8.72%6.37%-13.75%-38.13%-21.41%-21.86%
農業投入物8.35%15.91%2.44%17.01%53.89%27.52%
6.72%8.24%-15.20%-26.12%-8.03%-17.44%
原料炭3.60%14.57%-7.34%28.27%116.16%64.90%
その他の工業用金属および鉱業3.39%6.00%-11.81%-13.17%-9.27%0.27%
1.58%4.87%-11.76%-7.20%-10.87%-2.95%
化学品0.43%2.70%-9.78%-4.65%-4.51%-9.75%
-0.05%-12.19%-21.23%-30.69%-35.49%-31.85%
その他の貴金属と鉱業-0.12%-7.30%-28.45%-37.70%-43.28%-38.00%
-0.98%-2.81%-23.68%-28.25%-20.80%-21.84%
木材と木材生産-1.69%-0.86%-0.14%-2.69%23.16%-2.81%
特殊化学品-3.06%-0.62%-7.83%-5.07%-13.19%-18.89%
建材-3.80%1.75%-1.61%-13.29%-22.93%-25.90%
紙・紙製品-4.29%2.05%-12.44%-6.80%-13.15%-7.82%

アルミ、銅、鋼などの工業系コモディティが大きく上昇しています。
また農作物関連も上昇しました。
ドルが強いときは、ゴールドが弱い傾向があるため、ゴールドは下がりました。

No.3:公共事業:-3.21%

分類1週間1か月3か月6か月1年年初来
リサイクル-0.91%9.89%12.25%22.10%6.43%7.21%
発電-1.80%2.95%-7.86%10.26%9.06%1.21%
ガス-2.01%1.04%-0.26%15.76%21.94%15.76%
電気-2.38%2.74%2.54%12.10%9.24%4.34%
多様化-2.49%2.15%-2.35%5.49%12.00%6.16%
水道-2.90%-1.24%3.63%3.51%-6.87%-11.94%

マイナスになったものの、堅いセクターであることが分かります。

ワースト1:テクノロジー:-5.00%

大きなマイナスであることが分かります。先週に引き続き半導体銘柄が大きく下げています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
台湾セミコンダクターTSM-2.82%-4.37%-6.88%-23.82%-28.25%-29.57%
アップルAAPL-4.61%3.98%13.80%-0.75%10.90%-7.86%
ブロードコムAVGO-5.03%-2.39%-5.41%-11.42%7.23%-21.72%
オラクルORCL-5.10%-3.10%4.17%-2.23%-15.86%-14.40%
アクセンチュアACN-5.44%-1.83%2.26%-7.56%-10.53%-28.08%
シスコシステムズCSCO-5.77%0.59%2.00%-18.11%-22.48%-27.58%
マイクロソフトMSFT-6.31%-3.01%0.82%-9.83%-10.36%-20.29%
ASMLASML-6.48%-9.05%-8.95%-23.56%-37.12%-35.95%
エヌビディアNVDA-8.90%-9.59%-8.91%-32.69%-26.32%-44.71%
アドビADBE-10.36%-5.57%-6.75%-18.16%-41.60%-32.81%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト2:コミュニケーションサービス:-4.61%

ディフェンシブ銘柄であるテレコム関連は比較的マシな結果ですが、グロース株が大きく下げたことでセクターとしても大きく下げていることが分かります。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
TモバイルTMUS-2.29%0.93%7.74%14.00%3.95%23.31%
ベライゾンVZ-2.63%-5.05%-15.18%-20.08%-20.79%-16.76%
AT&TT-2.93%-3.71%-16.09%-1.17%-12.55%-3.95%
メタプラットフォームズMETA-3.68%0.66%-15.58%-23.14%-55.60%-51.90%
コムキャストCMCSA-4.86%-6.62%-16.61%-21.82%-37.63%-26.88%
ウォルトディズニーDIS-5.05%8.74%8.01%-23.71%-35.39%-26.35%
アルファベットGOOGL-5.86%-3.40%2.36%-17.94%-21.99%-23.83%
ネットフリックスNFLX-7.41%-1.21%16.66%-42.87%-59.41%-62.94%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト3:不動産 :-3.60%

ローン金利が上昇しており、住宅販売が弱くなっています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
パブリック ストレージPSA-1.91%6.35%10.00%-1.16%13.35%-4.29%
クラウン キャッスルCCI-3.74%-4.30%-7.53%3.48%-8.60%-16.93%
エクイニクスEQIX-3.74%-5.70%0.11%-6.29%-18.70%-20.70%
プロロジスPLD-4.27%-3.06%4.90%-13.54%-1.74%-23.76%
アメリカン・タワーAMT-4.82%-2.87%2.55%11.78%-7.77%-10.70%

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照

今週は大手小売り業の決算でした。明暗が分かれる結果となっています。

ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ (ZM)

2Qの業績は増収減益

売上高前年同期比 7.6%増の 11.0 億ドル。アナリスト予想より-1.8%
EPS前年同期の水準から0.21ドル減少。アナリスト予想より+0.11ドル

売上高は増収ながら予想を下回る結果。EPSは減益ながら予想を上回る結果でした。
来四半期、通期ガイダンスは売上高、EPSともに予想を下回る結果
株価は大きく下落しました。

 

 

イントュイット (INTU)

4Qの業績は減収減益

売上高前年同期比 5.7%減の 24.1 億ドル。アナリスト予想より+3%
EPS前年同期の水準から0.87ドル減少。アナリスト予想より+0.02ドル

減収減益ながら予想を上回る結果でした。
来四半期、通期ガイダンスEPSは予想を下回る結果
自社株買いと増配を発表したこともあり、株価は上昇

 

エヌビディア (NVDA)

2Qの業績は増収減益

売上高前年同期比 2.9%増の 67 億ドル。アナリスト予想より-1.9%
EPS前年同期の水準から0.53ドル減少。アナリスト予想より-0.02ドル

売上高、EPSともに予想を下回る結果
来四半期ガイダンス売上高は予想を大きく下回っています。
パソコン部品の需要低下が深刻
時間外で大きく株価は下げましたが、翌日は材料出尽くし?で
大きく上昇しました。

 

セールスフォース (CRM)

2Qの業績は増収減益

売上高前年同期比 22%増の 77.2 億ドル。アナリスト予想より+0.3%
EPS前年同期の水準から0.29ドル減少。アナリスト予想より+0.16ドル

売上高、EPSともに予想を上回る結果
来四半期、通期ガイダンスは売上高、EPSともに予想を下回る結果
株価は大きく下落しています。

 

 

スノーフレーク (SNOW)

2Qの業績は増収増益

売上高前年同期比 83%増の 4.97 億ドル。アナリスト予想より+6.4%
EPS前年同期の水準から0.13ドル増加で黒字。アナリスト予想より+0.02ドル

売上高、EPSともに予想を上回る結果
通期ガイダンスは営業利益率予想を引き上げています。
好調な決算と強気ガイダンスにより株価は大きく上昇しました。

 

 

ワークデイ (WDAY)

2Qの業績は増収減益

売上高前年同期比 22%増の 15.4 億ドル。アナリスト予想より+1.3%
EPS前年同期の水準から0.4ドル減少。アナリスト予想より+0.04ドル

売上高、EPSともに予想を上回る結果
メイン部門のサブスクリプション通期ガイダンスは
市場予想を上回る結果
株価は大きく上昇しました。

 

 

デル (DELL)

2Qの業績は増収減益

売上高前年同期比 1.1%増の 264.3 億ドル。アナリスト予想より-0.7%
EPS前年同期の水準から0.56ドル減少。アナリスト予想より+0.04ドル

売上高は増収ですが、予想を下回る結果
EPSは減益ですが、予想を上回る結果でした。
株価は時間外で大きく落ち、翌日は暴落

 

 

来週の大手株決算はHP、ブロードコムと中国銘柄が注目です。

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