【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年9月3週目

2022年9月3週日米市場振り返り市場振り返り
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2022年9月12日~9月16日までの株式市場振り返りです。

先週は大きく回復したのに、今週はまた暴落・・・

消費者物価指数(CPI)で市場は一気に悲観ムードになってしまいました。

●NYダウ:-4.13%

●NASDAQ総合指数:-5.48%
●S&P500:-4.77%
●日経平均:-2.29%
●TOPIX:-1.37%
●マザーズ:-0.61%
と日米主要全指数大きく下落しました。
特にアメリカ株は暴落となっています。

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①アメリカ経済指標について
 ②株式以外の重要指数について(金利、為替、原油)
 ③日米主要株価指数について
 ④日本市場振り返り:セクター成績
 ⑤アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ⑥アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

 
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アメリカ経済指標

今週のアメリカ経済指標は、
・9/13:消費者物価指数(CPI)
・9/14:生産者物価指数(PPI)
・9/15:小売業売上高
・9/16:ミシガン大学消費者信頼感指数
とビックイベントが多くありました。

消費者物価指数(CPI)

9/13のCPI結果が市場に激震を与えました。
・予想:8.1%
・結果:8.3%(改定前前月:8.5%)
と前月を下回るものの予想を上回る内容でした。
これで、9月以降も大幅な利上げが続き、更には当面の間利下げが無いことが決定的となりました。

アメリカ消費者物価指数

食料品とエネルギーを除いたコア指数は更にインパクトを与えています。
・予想:6.1%
・結果:6.3%(改定前前月:5.9%)
と前月及び予想を上回る内容でした。
高騰が続いていたエネルギーが落ち着きつつありますが、それを除いたコアで指数が多く伸びたことからインフレが根深い問題になっていることが分かります。

アメリカコアCPI

消費者物価指数(PPI)

9/14は生産者物価指数(PPI)が発表されました。
これについてはCPIほどのインパクトは薄い内容でした。
・予想:8.8%
・結果:8.7%(改定前前月:9.8%)
と前月及び予想を下回る好結果。
CPIに比べてPPIは先行指標となることが多い為、将来的にはインフレは下がっていくことが予想できます。
ただそれでも高い数字であることには変わりなく、大幅な利上げは確実とされています。

アメリカ生産者物価指数

エネルギーと食料品を除いたコア生産者物価指数については、
・予想:7.1%
・結果:7.3%(改定前前月:7.6%)
と前月は下回りましたが、予想は上回る内容でした。
エネルギー価格が落ち着いてきても、CPI同様にインフレは根深い問題になっていることが分かります。

アメリカ生産者物価指数コア

小売業売上高

9/15は小売業売上が発表されました。
・予想:-0.1%
・結果:+0.3%(改定前前月:±0.0%)
自動車部門を除いたコアについては、
・予想:±0%
・結果:-0.3%(改定前前月:+0.4%)
と前月自動車が悪かった反動で、自動車がけん引したことが分かります。つまり景気は下火になってきていることもあり、金額の高い自動車が徐々に売れなくなってくるものと思われ、来月以降が厳しくなる可能性が示唆されています。

アメリカ小売業売上高(対前月比)

アメリカ小売業売上コア(前月比)

ミシガン大学消費者信頼感指数

9/16はミシガン大学消費者信頼感指数が発表されました。
・予想:59.9
・結果は59.5(前月55.1)
と予想を下回る結果でした。
8,9月は持ち直しているようにも見えますが、他の景気指数は悪化している状況であり、予断は許さない状況であると考えます。また8月はバカンスの時期でもあり、マインドが上がっているとも取れるため、引き続き注意は必要であると思います。

アメリカミシガン大学消費者信頼感指数

次週は、
・9/21:FOMCでの政策金利発表
・9/23:PMI(購買担当者景気指数)
に注目です。

株式以外の重要指標

アメリカ利上げ予想 FedWatch

先週までのFOMCメンバーによるタカ派発言、今週のCPIやPPI結果などにより利上げについて悲観的なムードになってきています。

9/21での利上げ幅は、先週までは0.5%と考える人が一定数いましたが、今週になり皆無となりました。そして1%と考える人が20%前後と一気に悲観的になってきています。

2022年9月21FOMCでの利上げ予想

11/2での利上げ幅も0.75%と考える人が支配的となってきています。
現時点は9月0.75%、11月も0.75%と考えている人が多いようです。

2022年11月アメリカ利上げ予想

アメリカ長期金利推移

大幅な利上げと政策金利の高止まりが決定的になってきたため、長期金利も大きく上昇しています。6/14につけた直近高値である3.497%、6/16の3.495%に次ぐ3.490%を9/16に付けています。
現時点では3.5%に一つの壁があるようです。次週はここをブレイクしていくのかが注目です。

・2年金利:3.873%
・5年金利:3.636%
・10年金利:3.451%
・30年金利:3.518%
2年債利回りが大幅に上昇しているため10年との差で逆イールドは拡大しており、リセッションの兆候は変わっていません。

アメリカ10年債利回り日足チャート

アメリカ10年債と2年債利回り差日足チャート

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

 

為替(ドル円)

一気に145円間際まで上昇したあと日銀黒田日銀総裁発言や鈴木俊一財務相の為替介入可能性示唆で少し下落しており143円前後で推移しています。
MACDもクロスしかかっており、9/21のFOMCでの結果次第でやや円高に振れる可能性があると考えています。ただ、長期的には円安方向になるとは思います。

ドル円日足チャート

原油価格WTI

下落トレンドの中を推移しています。景気減速で下落ムードの中、ロシア問題もあり踏み止まっているような状態です。冬に向けて注視は必要だと思います。

原油価格WTI日足チャート

主要指数成績

2022年9月3週日米主要株価指数結果

2022年日米主要株価指数結果

長期金利上昇に伴い全指数マイナスとなり、特にアメリカ指数は暴落しています。
日経平均とTOPIXは2021年末比で、あと一歩のところでまた跳ね返されたという感じです。

昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。

日本市場振り

主要指数結果

2022年9月3週目日本市場結果

大きく窓があいた状態で乱高下しています。アメリカの指数に一喜一憂状態となっていることが分かります。

・日経平均とTOPIX
 50日移動平均線(紫)と200日移動平均線(赤)がサポートラインとして機能している状態

・マザーズ
 50日移動平均線(紫)と200日移動平均線(赤)で挟み込む形で推移

次週も引き続きアメリカ市場と連動する形で動くものと考えます。

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年9月3週東証セクターヒートマップ

2022年東証セクター成績一覧

2022年9月3週東証セクターTOP10

プラスは7業種、マイナスは26業種とほぼマイナスとなりました。

コロナ水際対策緩和及び旅行支援策などへの期待で、空運や陸運などの旅行株が上昇しました。また、アメリカ長期金利上昇に伴い、銀行株と保険株が上昇しています。

一方で景気悪化可能性が顕著となり海運株が先週に引き続き大きく下落しています。
長期金利上昇に伴い、電気機器や精密機器、機械などのハイテク関連株が急落しました。

アメリカ市場振り返り

主要指数結果

2022年9月6週アメリカ市場結果

9/13のCPI結果を受け、大きく下落しました。
9/14に一時反発するものの長続きせず9/15、9/16と下落しています。
9/15にアメリカ物流大手のフェデックスが世界の貨物量が減少しているとし、更に通期利益見通しについて撤回したことから、景気が冷え込んできていることが示唆されています。
つまり、インフレの高止まりと景気失速というスタグフレーションになる可能性が高まってきていることも¥により、株式相場が冷えてきています。

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

2022年9月3週アメリカヒートマップ

先週と真逆で、真っ赤っかで全面安であることが分かります。

セクター別成績

2022年アメリカセクター成績履歴

2週前は全セクターマイナス、先週は全セクタープラス、今週は全セクターマイナスとなりました。
経済指標に極端に反応し、市場が一喜一憂していることが分かります。

素材株についてはそれが顕著で、2週前は最下位、先週はTOP、今週は最下位とボラティリティが非常に高いセクターとなっています。

今週は特にハイテク株の多いコミュニケーションサービスとテクノロジーセクターが大きく下げたことが分かります。

TOP:エネルギー:-2.81%

原油価格が落ちてきていますが、不況が近づいてきている状態であるため、現物資産の強みが出ています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
シェルSHEL-2.07%-0.70%0.27%1.29%28.59%21.06%
シェブロンCVX-2.20%-0.79%0.62%-2.49%60.76%33.32%
エクソンモービルXOM-3.41%1.10%1.99%18.02%66.98%52.33%

 

 

 

 

No.2:ヘルスケア:-2.97%

一部の製薬会社でプラスとなっています。
ボラティリティが高い相場でヘルスケアは堅調と強みとなっています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
アッヴィABBV1.87%1.85%3.53%-9.16%33.29%6.40%
ジョンソンエンドジョンソンJNJ1.14%0.01%-1.46%-5.20%1.44%-2.03%
メルクMRK0.44%-3.65%3.33%11.12%21.88%14.46%
ユナイテッドヘルスUNH-0.63%-4.40%14.24%2.76%24.99%3.76%
ノバルティスNVS-2.36%-5.36%-1.47%-6.70%-4.42%-7.80%
イーライリリーLLY-2.77%-2.50%7.23%8.19%33.70%11.83%
ファイザーPFE-3.78%-6.58%-3.05%-15.14%3.51%-22.05%
アボットラボラトリーズABT-4.13%-5.92%1.89%-14.19%-18.39%-26.10%
ダナハーDHR-4.60%-6.80%15.03%-1.54%-14.49%-15.79%
サーモフィッシャーTMO-4.94%-9.19%7.21%-5.41%-3.42%-18.88%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

No.3:金融:-3.39%

クレジットカード会社であるビザ、マスターカードの下落が目立ちます。
消費が冷え込むという予測が強まっていることが要因です。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
JPモルガンJPM-1.75%-4.49%3.22%-16.46%-25.94%-26.06%
モルガンスタンレーMS-2.27%-4.29%18.23%-6.85%-14.68%-10.93%
バンクオブアメリカBAC-2.35%-6.29%7.13%-20.71%-15.65%-23.31%
ウェルズファーゴWFC-3.07%-4.77%16.71%-14.65%-5.06%-8.42%
バークシャーハサウェイBRK-B-3.84%-9.68%2.33%-20.34%-0.97%-8.09%
ビザ-5.80%-9.89%2.25%-9.44%-13.83%-10.80%
マスターカードMA-6.17%-11.31%2.06%-9.04%-9.00%-12.30%

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト1:素材:-6.50%

先週TOPでしたが、今週は最下位。
アルミや鋼、銅などの工業系金属が大きく下落しました。

分類1週間1か月3か月6か月1年年初来
-3.43%-5.06%-17.86%-41.29%-36.42%-32.97%
-4.33%-6.62%-22.11%-36.75%-20.60%-24.65%
その他の工業用金属および鉱業-4.72%-7.30%-14.53%-22.11%-11.86%-9.18%
紙・紙製品-4.83%-14.13%-8.52%-23.41%-11.67%-16.00%
木材と木材生産-5.19%-13.50%5.16%-17.04%10.39%-13.91%
その他の貴金属と鉱業-5.67%-3.20%-21.84%-39.84%-40.54%-35.31%
特殊化学品-6.35%-10.43%0.86%-9.39%-17.05%-23.51%
建材-6.43%-11.32%6.61%-18.37%-23.82%-30.50%
農業投入物-6.63%-5.68%3.00%-9.13%33.67%12.95%
-6.88%-1.43%-14.71%-36.02%-14.00%-24.13%
化学品-7.06%-10.73%-4.08%-13.36%-11.47%-17.22%
原料炭-9.79%-13.39%-16.11%-13.31%47.84%32.56%
-11.96%-12.81%-4.89%-23.95%-18.40%-13.70%
アルミニウム-17.39%-17.90%-15.10%-46.78%-25.13%-32.12%

ワースト2:コミュニケーションサービス:-6.39%

ネットフリックスを除くグロース株が暴落しています。
※ネットフリックスはすでに下がりすぎている状態です。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ネットフリックスNFLX2.81%-0.42%38.52%-35.34%-59.06%-60.14%
AT&TT-1.70%-9.12%-11.71%-4.66%-19.89%-10.12%
ベライゾンVZ-2.34%-9.02%-15.54%-21.22%-24.21%-20.61%
コムキャストCMCSA-2.57%-12.07%-8.94%-25.73%-39.73%-31.41%
TモバイルTMUS-3.95%-3.85%12.61%8.53%8.56%20.67%
ウォルトディズニーDIS-6.02%-11.86%14.82%-22.38%-40.96%-30.11%
アルファベットGOOGL-7.09%-14.01%-3.05%-23.19%-28.42%-29.03%
メタプラットフォームズMETA-13.51%-16.33%-9.06%-29.61%-60.79%-56.51%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト3:テクノロジー:-6.06%

全体的に大きく下落しています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ブロードコムAVGO-3.81%-6.70%1.07%-16.62%-0.96%-24.48%
アップルAAPL-4.24%-13.66%15.87%-6.18%1.28%-15.13%
台湾セミコンダクターTSM-4.46%-12.68%-7.84%-26.86%-35.52%-35.26%
シスコシステムズCSCO-5.40%-7.20%-0.05%-22.91%-24.47%-31.67%
アクセンチュアACN-6.15%-14.37%0.66%-14.65%-20.32%-34.22%
ASMLASML-6.74%-16.16%-0.19%-28.57%-47.34%-41.31%
セールスフォースCRM-6.81%-19.39%-5.22%-27.99%-41.81%-40.38%
マイクロソフトMSFT-7.46%-15.99%-0.09%-17.10%-19.82%-27.23%
エヌビディアNVDA-8.26%-28.02%-15.40%-46.71%-40.66%-55.13%
オラクルORCL-9.33%-13.15%0.17%-14.60%-21.11%-21.08%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照

今週はソフトウェア大手の決算でした。

オラクル (ORCL)

1Qの業績は増収

売上高前年同期比 17.7%増の 114.5 億ドル。アナリスト予想より+1.1%
EPS前年同期と同水準。アナリスト予想より-0.04ドル

予想も上回り前年同月よりも売上高UP
ただEPSは前年同月比で同等であり、予想を若干下回る内容
時間外取引で株価は上昇するものの、CPI結果が足を引っ張り
大きく下落しています。

 

 

アドビ (ADBE)

3Qの業績は増収増益

売上高前年同期比 12.4%増の44.3億ドル。アナリスト予想より-0.2%
EPS前年同期の水準から0.29ドル増。アナリスト予想より+0.05ドル

売上高は予想を下回る内容でしたが、増収増益と力強い結果でした。
来四半期ガイダンスを発表し、売上高は予想下回りましたが
EPSは予想を上回る内容でした。
ガイダンス売上高をミス、過去最大規模の株式非公開ソフトウェア買収を
発表し株価は大きく下落しています。
買収するFigmaはオンラインデザインツールを展開する企業。
現金と株式50%ずつの比率で買収金額は200億ドル。

 

 

次週は物流大手フェデックス、ITサービス大手アクセンチュア、レストラン大手ダーデン・レストランツの決算が発表されます。

フェデックスは暫定決算を発表し、予想を大きく下回る内容でした。
また、通期利益見通しを撤回しています。
モノが動かなくなっていることから景気が悪くなっていくことが示唆されました。

 

 

 

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