【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年5月3週目

2022年5月3週目 日米株式市場結果市場振り返り
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2022年5月16日~5月20日までの株式市場振り返りです。

週の途中まで上昇したのに、アメリカは5/18(水)、日本5/19(木)に急落しましたね。特にアメリカ株は暴落・・・

5/17(火)米紙ウォールストリート・ジャーナル主催のイベントにおいて、FRBパウエル議長が
・インフレが後退していることを示す
 「明確で納得できる」証拠が得られるまで
 当局は利上げを続ける
・中立金利水準を超えることを必要とするなら、一躇せずに実行する
と発言があり、よりタカ派発言をしました。

5/17にアメリカ小売り最大手のウォルマートの決算が芳しくない決算を発表しました。そして5/18に小売り大手ターゲットが大幅減益となり、通期利益予想を引き下げました。インフレとリセッションが同時に進行するスタグフレーションが現実味を帯びてきています。
今週は小売りや生活必需品が大きくマイナスとなったため、私の保有株も大きく打撃を受けてしまいました…

パウエル議長発言とアメリカ小売り決算などが絡み合い、5/18のアメリカ相場は大荒れとなりました。
先週の5/13、今週5/17と続いた上昇ムードは一転し、上昇分を上回る下落となってしまいました。

そのことから、5/19の日本相場も急落しましたが、アメリカとは異なり、
・金融緩和を継続している
・円安基調
・割安株が多い
・TOPIXは日銀が買い付けができる
などの理由により日本株は相対的に堅調です。(円基準では)

ロシアのウクライナ侵攻により、小麦価格が上昇する中、
輸出大国のインド熱波により小麦輸出を禁止する措置が発表されました。また、世界4位の小麦輸出国・フランスでも記録的干ばつが起きています。食糧危機も現実的になってきました。

景気減速により金属価格は一時よりも下がってはいますが、不景気に強いとされるエネルギー株や農作物は再度上昇基調です。
やはりコモディティが根強い傾向は長期的に変わらないと思います。

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①日米主要株価指数について
 ②日本市場振り返り:セクター成績
 ③アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

主要指数成績

 

2022年5月3週目 日米主要株価指数結果

今週のアメリカ株は、
・NYダウ:8週連続マイナス→90年ぶりの下落記録
・NASDAQ、S&P500:7週連続のマイナス
と引き続き暴落相場となっています。
日本株は上昇しています。
今年に入ってから日経平均とTOPIXはアメリカ株ほど下げてはいません。
しかしながら、ドル建て換算の日経平均は、昨年末比-16.76%となっており、
S&P500より若干「マシ」なレベルとなります。
全体を通してみると、
ハイテク株が多いNASDAQとマザーズは昨年末比で大きく下落しています。
・NASDAQ総合指数:-27.42%
・マザーズ指数:-33.47%
これは、アメリカ利上げとバランスシート圧縮が加速するため、割高ハイテク株が下落しやすい状況であるためです。

一方で大型株でオールドエコノミー株も多いNYダウは「マシ」な結果となっています。
これは割安感があり更には配当も入手できるため安心感から買われやすくなっています。

●前週との比較/4週間成績

2022年5月3週目 日米主要株価指数履歴

ここ4週間で、アメリカ株はすべてマイナス。
日経平均とTOPIXは2週分プラスとなっています。

先週のチャートで底を付けたように見え、一旦は上昇したものの何かの拍子で一気に暴落する局面であるため、売り買いのタイミングは難しいですね…

日本市場振り

日足チャート

2022年5月3週目 日本主要株価指数結果比較

5/19以外は上昇傾向であることが見えると思います。
チャートの紫ラインは50日移動平均線です。
これを超えることができるかどうかが次週のポイントだと思います。

 

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年5月3週 日本市場セクターヒートマップ

2022年5月3週目東証セクター成績

2022年5月3週東証セクター成績TOP10

今週は19業種がプラス、14業種がマイナスとなりました。

●倉庫運輸関連業がTOP業種
 5/16に大きく上昇しています。
  ・上組:+22.8%ストップ高
  ・近鉄エクスプレス:+17.4% 近鉄HDがTOBで吸収方針

●鉱業も堅調
 上海ロックダウンが6月にも解除になる可能性があり、原油価格が上昇しています。

アメリカ市場振り返り

日足チャート

2022年5月3週目 アメリカ主要株価指数履歴

先週末の5/13、5/17に大きく上昇しましたが、5/18に暴落がありました。
週末の5/20は途中大きく下落したものの、下に長髭を付けて最終的には前日比と大きく変化しませんでした。やはり短期的には上昇になる可能性はあると思います。

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

2022年5月3週目 アメリカ市場ヒートマップ

・素材株、エネルギー株が強い結果
・生活必需品、一般消費財株が暴落
していることが分かります。

セクター別成績

2022年5月3週目 アメリカセクター成績

全体通してみると、エネルギー株と素材株が強いです。
今週は、今まで堅調な結果を出していたConsumer Defensive(生活必需品)セクターが暴落したことが分かります。

TOP:Basic Materials(素材:コモディティ)

その他の貴金属および鉱業6.72%
その他の工業用金属および鉱業6.38%
5.31%
アルミニウム5.30%
4.43%
ゴールド3.15%
化学薬品2.50%
1.75%
製材・木材生産1.29%
紙および紙製品0.73%
特殊化学品-0.14%
建材-1.08%
農業投入物-1.21%
原料炭-2.87%

今週は金属関連が再び上昇していることが分かります。

会社ティッカー業界1週間1か月3か月6か月1年年初来
BHPグループリミテッドBHPその他の工業用金属および鉱業5.95%-5.79%-2.91%28.72%-8.23%11.55%
LindeplcLIN特殊化学品2.08%-2.83%4.07%-4.78%5.56%-9.02%
リオティントグループRIOその他の工業用金属および鉱業5.67%-7.04%-9.70%17.03%-16.36%4.72%
ヴァーレSAVALEその他の工業用金属および鉱業8.43%-5.27%0.48%48.36%-18.24%19.26%
シャーウィン・ウィリアムズ・カンパニーSHW特殊化学品-5.63%2.52%-3.78%-22.01%-8.89%-26.75%

鉱業株のボラティリティは高いものの、大手銘柄は年初来ですべてプラスとなっています。

 

 

 

 

 

 

No.2:Energy(エネルギー)

ウラン6.09%
石油・ガス統合2.42%
石油・ガス設備・サービス1.64%
一般炭1.62%
石油・ガスE&P1.61%
石油・ガス中流0.98%
石油・ガス掘削0.71%
石油・ガス精製・マーケティング0.05%

全分類でプラスとなりました。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
エクソンモービルXOM3.38%5.55%18.74%44.41%55.91%50.12%
シェルSHEL2.89%2.87%9.58%29.44%46.40%34.42%
シェブロンCVX-0.03%1.97%25.78%46.63%61.18%43.01%

大手株のこの1年間を見ると、とてつもない成績を出しています。

 

 

 

 

No.3:Healthcare(ヘルスケア)

診断と研究4.35%
バイオテクノロジー2.56%
製薬会社-一般2.17%
医療機器および消耗品1.02%
製薬会社-スペシャリティ&ジェネリック0.83%
医療機器0.53%
ヘルスケアプラン0.11%
健康情報サービス-0.28%
医療流通-0.78%
医療施設-2.03%
製薬小売業者-5.81%

全体的には上昇していますが、小売りが大きくマイナスになっています。
これは生活必需品セクター暴落の影響が出ています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ファイザーPFE5.11%6.84%8.12%2.06%31.34%-11.14%
ノバルティスNVS4.19%-0.59%3.51%9.09%1.49%2.23%
メルクMRK3.47%8.49%22.50%12.64%23.91%22.06%
サーモフィッシャーTMO2.54%-4.36%3.35%-12.94%20.07%-16.80%
イーライリリーLLY2.48%3.19%24.36%14.36%49.51%8.19%
ジョンソンエンドジョンソンJNJ0.07%-3.48%8.34%8.98%3.52%3.45%
ユナイテッドヘルスUNH0.07%-9.62%3.83%8.07%18.00%-3.27%
アッヴィABBV-1.62%-4.74%4.85%28.99%30.05%11.53%

この1年間全体で見ると、メルク、イーライリリーが強い結果となっています。
全体通しても良好な成績を収めている銘柄が多い結果です。
やはり暴落相場において強いとされる、ディフェンシブセクターで配当利回りが高い銘柄が多いヘルスケアセクターは投資妙味があります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト1:Consumer Defensive(生活必需品)

教育およびトレーニングサービス3.58%
タバコ-2.00%
飲料-醸造所-2.63%
農産物-2.75%
飲料-ワイナリーと蒸留所-4.80%
飲料-ノンアルコール-6.00%
家庭用および個人用製品-6.39%
食料品店-6.87%
お菓子屋-7.95%
包装食品-8.37%
食糧配給-9.43%
ディスカウントストア-19.71%

ディスカウントストアが大暴落。それに付随して飲食物関連、家庭用品なども暴落しています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ペプシコPEP-6.63%-7.22%-3.28%-0.74%10.27%-6.62%
コカ・コーラKO-7.21%-7.90%-2.49%10.05%11.64%2.99%
P&GPG-7.70%-12.80%-11.33%-3.62%2.75%-13.32%
コストコCOST-16.26%-29.63%-18.77%-21.33%9.38%-26.65%
ウォルマートWMT-19.49%-25.44%-13.62%-16.74%-15.91%-17.62%

大手株がすべて大きなマイナスです。
中でもウォルマート、コストコは大暴落しています。

今まで好調な成績を収めていた銘柄が多くありましたが、一気にマイナスとなってしまいました。

 

 

 

 

 

 

ワースト2:Consumer Cyclical(一般消費財、消費者循環)

先週まで3週連続ワースト1位。今週はワースト2位と低迷しています。

パーソナルサービス0.94%
ギャンブル0.18%
テキスタイル製造-0.64%
住宅建設-0.92%
自動車部品-1.53​​%
包装および容器-2.18%
高級品-3.19%
レストラン-3.39%
リノベーション小売-3.55%
インターネット小売-3.64%
旅行サービス-3.69%
家具、備品、電化製品-3.96%
リゾート&カジノ-4.03%
履物&アクセサリー-4.11%
自動車およびトラックのディーラー-4.69%
宿泊-4.94%
アパレル製造-5.09%
レジャー-6.39%
アパレル小売-7.94%
自動車メーカー-7.96%
専門小売-10.57%
RV車-11.67%
デパート-16.98%

ほぼすべての分類でマイナスとなっています。
中でも自動車のような高額品やレジャー株、デパートよが大きくマイナスとなっています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
アリババBABA-1.36%0.93%-27.06%-39.56%-58.88%-26.94%
トヨタ自動車TM-1.65%-8.64%-16.04%-14.08%-1.55%-14.38%
ホームデポHD-2.99%-7.47%-17.21%-29.24%-9.05%-30.80%
アマゾンAMZN-4.83%-27.45%-29.50%-41.78%-32.82%-35.46%
テスラTSLA-13.73%-34.19%-22.53%-39.45%14.29%-37.18%

テスラ、アマゾンの下落が止まりません。
1年間全体を見るとトヨタ自動車が何とか踏み止まっている感じです。
トヨタ以外はヤバいです。

 

 

 

 

 

 

ワースト3:Technology(テクノロジー)

2週連続ワースト3位はテクノロジーセクターでした。

太陽9.04%
科学技術機器-1.30%
情報技術サービス-1.97%
半導体-2.74%
ソフトウェア-インフラストラクチャ-2.80%
半導体機器および材料-2.92%
ソフトウェアアプリケーション-2.98%
電子部品-3.25%
エレクトロニクスとコンピューターの配布-4.32%
コンピューターハードウェア-4.57%
家電-6.03%
通信機器-7.93%

太陽光関連以外はすべてマイナスとなりました。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
台湾セミコンダクターTSM-0.20%-7.04%-23.91%-26.43%-18.84%-24.54%
ASMLASML-2.82%-14.06%-17.75%-39.39%-16.64%-33.07%
マイクロソフトMSFT-3.28%-10.06%-12.28%-25.99%3.01%-24.90%
エヌビディアNVDA-5.72%-17.29%-29.39%-47.30%11.35%-43.24%
アップルAAPL-6.47%-17.32%-17.76%-12.85%9.69%-22.52%
ブロードコムAVGO-7.66%-8.36%-6.34%-5.50%20.38%-18.37%

大手株はすべてマイナスとなりました。
引き続きハイテク関連株は暴落中となっていることが分かります。

ただここまで下げているので、グロース株にとっては利上げ局面は厳しい状況になりますが、財務状況が安定している銘柄は、反転できる可能性があると考えています。大型グロース株はそろそろ狙い目かもしれません。長期的な目線では安値で買える機会だとは思っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

マネックス証券の決算フラッシュを参照しています。
データが無い場合は、https://jp.investing.com/を参照しています。

ウォルマート  (WMT)

1Qの業績は増収減益。

売上高前年同期比 2.4%増の 1416 億ドル。アナリスト予想より+1.8%
純利益対前年同期57%減の20.5億ドル。アナリスト予想より-49.6%
EPS前年同期の水準から0.23ドル増加。アナリスト予想より-0.74ドル

5/17の決算発表後、大暴落しています。

 

チャートは、大きな窓が開いているため、この先どこかのタイミングで埋めていくとは思いますが、これだけの大型オールド株でこのような暴落があるということは、アメリカ経済も近い将来ヤバいかもしれません。

ホームデポ  (HD)

1Qの業績は増収増益。

売上高前年同期比 3.8%増の 389億ドル。アナリスト予想より+5.6%
純利益対前年同期2.1%増の42.3億ドル。アナリスト予想より+11.3%
EPS前年同期の水準から0.23ドル増加。アナリスト予想より+0.36ドル

好決算でしたが、他に引っ張られる形で落ちています。

ターゲット  (TGT)

1Qの業績は増収減益。

売上高前年同期比 4%増の248億ドル。アナリスト予想より+2%
純利益対前年同期46%減の10.2億ドル。アナリスト予想より-30%
EPS前年同期の水準から1.50ドル減少。アナリスト予想より-0.88ドル

アメリカ株暴落の起点となった決算発表でした。前日のウォルマートがダメ決算。
小売り2位のターゲットも大幅減収という決算であり、アメリカ景気が悪くなっていく兆候の可能性があります。

5/18に-24.9%と大暴落しています。

 

 

ロウズ (LOW)

1Qの業績は減収増益。

売上高前年度同期比 3.1%減の 236.59 億ドル。アナリスト予想より-0.6%
純利益対前年同期1%増の23.3億ドル。アナリスト予想より+8.6%
EPS前年同期の水準から0.3ドル増。アナリスト予想より+0.29ドル

決算は比較的良好でしたが、他の小売り銘柄の影響を受け相殺された形となり、
大きな変動はない1週間となりました。

 

 

 

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