【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年7月3週目

2022年7月3週日米主要株価指数結果振り返り市場振り返り
この記事は約39分で読めます。

2022年7月11日~7月15日までの株式市場振り返りです。

今週はアメリカで重要指数発表でしたね。

先週の雇用統計に続き、
・7/13:消費者物価指数(CPI)
・7/14:生産者物価医師数(PPI)
・7/15:小売売上高
の発表がありました。

雇用統計は強い結果でした。失業率も低く、堅調は労働市場データでした。

2022年7月アメリカ雇用統計

2022年7月アメリカ失業率

消費者物価指数から、予想を上回りインフレが加速しています。
しかし、エネルギーと食品を除くコアは予想を下回り下落傾向です。
原油価格さえ下落していけば、インフレは落ち着くことを示唆しています。

2022年7月アメリカ消費者物価指数

2022年7月アメリカ消費者物価指数コア

2022/7/15終了時点原油価格

原油価格は下落傾向が続いており、インフレが近いうちにピークアウトする可能性があります。
ただロシアによるウクライナ侵攻次第の部分が大きい為、読めないのも実情だと考えます。

生産者物価指数も消費者物価指数と同様の動きを見せ、
予想を上回りインフレが加速しています。
しかし、エネルギーと食品を除くコアは予想を下回り下落傾向です。

2022年7月生産者物価指数

2022年7月アメリカ生産者物価指数コア

先月悪かった小売り売上高は、6月分でやや回復しました。
2月から予想を下回る傾向が続いていましたが、6月分は予想と合致しています。自動車を除くコアについては、予想を上回る結果となり、6月分については景気が悪くなっているような形にはなっていません。

2022年7月アメリカ小売り売上高

2022年7月アメリカ小売り売上高コア

・労働市場は堅調
・小売り市場も堅調
・インフレは加速(エネルギー次第でピークアウトも視野)
の結果から、次回FOMCでの利上げは1%となる予想も出てきています。CPI結果が出るまでは下落していた株価は、この結果でアメリカ株価は下落すると思いましたが、逆に上昇しています。

ただアメリカの債券利回りが逆イールド状態が続いており、リセッションの兆候が出ています。

2022年7月15終了時点アメリカ債券利回り

 

アメリカ消費者物価指数結果を受け、ドル指数が上昇し、円安が更に加速しました。一時139円を超えています。

2022/7/15終了時ドル円

 

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①日米主要株価指数について
 ②日本市場振り返り:セクター成績
 ③アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

主要指数成績

2022年7月3週目日米市場主要株式指数結果

日米主要株価指数結果4週履歴

先週から一転し、ハイテク関連が多いNASDAQ、マザーズが下落しました。
日本株は先週末の選挙結果及び円安加速により上昇しています。

昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。

 

日本市場振り

日経平均日足チャート

2022/7/15終了時点日経平均日足チャート

中長期の下落トレンドの中から抜け出せていません。
今週は上値ラインで跳ね返されたチャートとなっています。
来週はこのトレンドラインを上抜けることができるのか注目です。

2022年7月3週日本株式指数結果

日経平均チャートでは、トレンドライン(黒)を中々超えることができていないことが分かります。
ただし先週に引き続き4日/5日上昇と堅調な結果であることが分かります。

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年7月3週東証セクターヒートマップ

2022年東証セクター成績

2022年7月3週目東証セクター成績TOP10

プラスは15業種、マイナスは18業種とマイナス業種が多い週となりました。
円安により自動車関連や精密機器が上昇、ディフェンシブとして医薬品が上昇するなどリセッションを想定した動きが混在している状態です。

アメリカ市場振り返り

日足チャート

2022年7月3週アメリカ主要指数結果

CPIの結果が出るまでマイナスで推移していましたが、NASDAQは7/14にプラス、7/15は3指数とも大きくプラスとなりました。

 

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

2022年7月3週アメリカセクターヒートマップ

半導体関連が上昇、エネルギーと素材が下落といった2022年トレンドと逆になっています。そろそろインフレピーク、ハイテク株底が見えてきた?

セクター別成績

2022年7月アメリカセクター成績

生活必需品セクター以外マイナスとなっています。
成績上位下位3セクターをピックアップしました。

TOP:Consumer Defensive(生活必需品)

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
コストコCOST4.27%14.98%-11.53%-0.54%26.99%-7.88%
ウォルマートWMT2.93%8.04%-17.90%-10.02%-8.89%-10.80%
ユニリーバUL0.17%6.08%2.67%-13.79%-22.52%-14.09%
P&GPG0.03%8.39%-9.02%-8.77%4.25%-11.32%
ペプシコPEP-0.44%9.61%-1.09%-1.60%10.22%-1.49%
コカ・コーラKO-1.01%5.52%-3.45%3.24%10.74%5.56%
フィリップモリスPM-3.95%-8.88%-10.89%-11.10%-9.19%-5.07%

今週は小売りが良好な結果でした。
コカ・コーラとペプシコが堅調な結果が見えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

No.2:Utilities(公共事業)

名前1週間1か月3か月6か月1年年初来
ガス0.32%2.87%-5.61%8.42%8.57%6.96%
電気0.16%6.15%-7.31%-0.11%4.44%-3.09%
多様化0.14%2.71%-12.42%-0.40%6.76%-1.24%
水道-0.04%10.45%-9.95%-7.58%-5.41%-15.98%
発電-1.05%-4.12%-4.42%-5.21%5.39%-7.11%
リサイクル-3.14%2.50%-11.62%-0.95%-7.07%-10.16%

堅調なセクターです。

No.3:Healthcare(ヘルスケア)

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ノボノルディスクA/SNVO4.77%7.63%-3.91%13.38%30.38%1.99%
メルクMRK2.35%12.38%10.25%16.95%21.90%23.90%
ユナイテッドヘルスUNH2.14%14.73%-1.35%11.83%26.12%5.50%
アストラゼネカAZN0.57%13.67%-2.33%15.34%18.26%15.64%
アッヴィABBV0.50%11.63%-3.35%11.89%31.10%13.46%
ノバルティスAGNVS0.36%5.12%-8.93%-5.74%-7.24%-3.24%
イーライリリーLLY0.34%14.03%9.56%29.57%43.26%20.05%
ジョンソン&ジョンソンJNJ-0.03%5.97%-1.35%4.97%5.86%4.19%
ファイザーPFE-2.67%7.99%-2.54%-8.65%29.08%-12.36%
サーモフィッシャーTMO-2.68%6.19%-6.58%-13.81%4.74%-19.24%

この市況で強い結果が出ています。
ほぼすべての銘柄で6か月、1年成績が大きくプラスとなっています。
やはり好不況に影響を受けにくいセクターであることが良く分かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト1:Communication Services(コミュニケーションサービス)

先週はNO.1でしたが、今週はワースト1でした。。。

会社ティッカー業界1週間1か月3か月6か月1年年初来
コムキャストCMCSAエンターテイメント2.35%2.66%-14.63%-19.73%-29.42%-18.74%
TモバイルTMUSテレコムサービス1.22%9.98%1.87%23.92%-7.40%18.44%
ベライゾンコミュニケーションズ株式会社VZテレコムサービス1.05%3.78%-5.76%-4.55%-9.78%-1.81%
ウォルトディズニーDISエンターテイメント-0.69%1.04%-28.07%-39.67%-48.30%-38.54%
AT&TTテレコムサービス-1.11%5.76%5.92%2.72%-4.44%10.44%
メタプラットフォームズMETAインターネットコンテンツと情報-3.62%0.59%-23.39%-50.58%-52.19%-51.03%
GoogleGOOGLインターネットコンテンツと情報-6.35%4.74%-13.95%-20.97%-11.99%-22.83%

テレコム関連が堅調です。やはりバリュー株の側面が強く安定しています。
逆にGoogleやメタプラットフォームズなどグロース株は厳しい結果が続いています。

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト2:Basic Materials(素材)

先週に引き続きワースト2位でした。
株式相場は先行指数になることが多い為、インフレが止まることを予兆しています。

名前1週間1か月3か月6か月1年年初来
原料炭5.63%-12.23%-22.33%24.52%128.50%39.13%
製材・木材生産1.88%-2.45%-8.67%-17.71%13.41%-15.60%
建材0.34%-0.32%-14.28%-31.13%-24.96%-32.61%
特殊化学品-0.27%-3.57%-11.44%-21.66%-14.54%-23.58%
-1.12%-10.42%-32.70%-22.44%-20.17%-16.95%
農業投入物-2.34%-11.83%-28.27%-0.59%17.97%-0.14%
化学薬品-2.54%-10.63%-16.88%-20.57%-16.37%-18.98%
-3.02%-12.40%-42.74%-29.75%-43.79%-31.08%
その他の貴金属および鉱業-3.23%-17.29%-38.49%-34.72%-45.19%-32.44%
アルミニウム-4.36%-13.18%-44.74%-37.53%-23.28%-32.40%
-6.27%-13.12%-36.01%-17.59%-24.88%-18.18%
紙および紙製品-6.75%-13.92%-21.59%-22.13%-20.36%-18.70%
その他の工業用金属および鉱業-7.47%-18.85%-32.97%-22.25%-32.23%-13.19%
-7.67%-23.92%-42.23%-36.15%-23.74%-29.92%

金属関連が特に落ちてきています。
その中で、工業金属が落ちているため、モノづくりが落ちることが予想されており、景気減速の可能性を示唆しています。

ワースト3:Energy(エネルギー)

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
エクソンモービルXOMアメリカ-1.79%-12.03%-2.61%18.84%43.41%38.16%
ペトロチャイナPTR中国-2.08%-17.58%-14.51%-9.76%2.01%1.24%
シェルSHELイギリス-3.22%-13.60%-16.78%-3.71%21.59%9.38%
スタトイルASAEQNRノルウェー-3.40%-7.09%-15.42%15.36%63.59%23.64%
シェブロンCVXアメリカ-3.59%-17.85%-19.82%8.10%35.88%17.30%
コノコフィリップスCOPアメリカ-4.13%-25.08%-16.66%-0.73%47.19%16.07%
TotalEnergies SETTEフランス-4.39%-14.03%-6.09%-14.46%11.05%-3.09%

この3か月でマイナスとなっており、原油高が一服し株価も下がってきています。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照

ペプシコ (PEP)

2Qの業績は増収減益

売上高対前年同期5.2%増の202億ドル。アナリスト予想より+3.6%
純利益対前年同期39.4%減の14.3億ドル
EPS年同期の水準から0.14ドル減少。アナリスト予想より+0.12ドル

通期ガイダンス
売上:+10% EPS:$6.63と予想を-0.01$と若干下回る
株価は一時下落するものの持ち直しています。

 

 

デルタ航空 (DAL)

2Qの業績は増収増益

売上高対前年同期10.3%増の138億ドル。アナリスト予想より+3%
純利益対前年同期236%増の9.2億ドル
EPS前年同期の赤字から黒字化。アナリスト予想より-0.2ドル

ガイダンスを発表し、来四半期売上はアナリスト予想より+2.8%
EPSは2Qとほぼ同等を予想
株価は大きく下落しました。

 

 

JPモルガン (JPM)

2Qの業績は増収減益

売上高前年同期比 0.7%増の 316億ドル。アナリスト予想より-1.1%
純利益前年同期比 29%減の 81.95 億ドル
EPS前年同期の水準から1.02ドル減少。アナリスト予想より-0.12ドル

自社株買いを一時停止することを発表
決算ミス、自社株買い中止により株価は大きく下落

 

ユナイテッドヘルス (UNH)

2Qの業績は増収増益

売上高対前年同期12.6%増の803億ドル。アナリスト予想より+0.8%
純利益対前年同期18.9%増の52億ドル
EPS前年同期の水準から0.88ドル増加。アナリスト予想より+0.36ドル

決算は予想を上回る好成績
通期ガイダンスを発表し、EPSは前回予想より上昇
しかし、アナリスト予想より-0.11ドルとなった。
EPS予想は下回ったものの、決算内容、ガイダンスも前回予想よりも上回る結果であったため
株価は大きく上昇

 

 

シティ (C)

2Qの業績は増収減益

売上高対前年同期10%増の196億ドル。アナリスト予想より+6.7%
純利益対前年同期27.5%減の45億ドル
EPS前年同期の水準から0.66ドル減少。アナリスト予想より+0.51ドル

好決算内容で株価は大きく上昇

 

 

ブラックロック (BLK)

1Qの業績は減収減益

売上高対前年同期6.1%減の45.3億ドル。アナリスト予想より-0.6%
純利益対前年同期21.8%減の10.8億ドル
EPS前年同期の水準から3.09ドル減少。アナリスト予想より-0.54ドル

決算ミスにより決算発表後は大きく下げましたが、持ち直す

 

 

ウェルズ・ファーゴ (WFC)

2Qの業績は減収減益

売上高対前年同期16%減の170億ドル。アナリスト予想より-2.6%
純利益対前年同期48.4%減の31.2億ドル
EPS前年同期の水準から0.64ドル減少。アナリスト予想より-0.06ドル

決算ミスだが、株価は急上昇

 

 

 台湾セミコンダクター (TSM)

2Qの業績は増収増益

売上高対前年同期34%増の179億ドル。アナリスト予想より+1.1%
EPS前年同期の水準から0.6ドル増加。アナリスト予想より+0.09ドル

来四半期売上高ガイダンスを発表し、予想を+8.3%
好決算、好ガイダンスにより株価は上昇

 

 

 

次週より決算発表が本格化していきます。
月末のFOMC、GDP発表を視野に入れながらの様子見相場になっていくかと思います。

 

 

 

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