
2022年8月15日~8月19日までの株式市場振り返りです。

日本株は上がりましたが、アメリカ株は下げましたね。

日経平均とTOPIXは、2021年末比を超えました!
2021年末比で
●NYダウ:-7.24%
●NASDAQ総合指数:-18.79%
●S&P500:-11.28%
●日経平均:+0.48%
●TOPIX:+0.11%
●マザーズ:-24.25%

アメリカの長期金利が上昇傾向でハイテク株が下落してしまいました。
今週は8/17にアメリカの小売業売上が発表され、予想よりも堅調であったことや決算が良好であったことから、小売り株は上昇しました。

前月比の小売り業売上は自動車を除いたコアが
予想:-0.1%
結果:+0.4%
と予想を上回る結果でした。

アメリカの利上げペースがいずれ落ちることが先月のFOMC議事録で示唆されました。それが9月になるのか、それ以降なのかは?
CME fedwatchによると0.75%の予想をしている人が減少傾向となっています。

それに対し、長期金利が下がると思っていましたが、逆に上昇してきています。10年金利が上昇したため、将来的なリセッションの兆候を示すと言われている長短金利差は縮小しましたが、まだマイナスです。

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

長期金利が上昇する≒強いドルとなるため、ドル円は円安に振れてきています。

ヨコヨコの展開で200日移動平均線を下回ったままです。
近い将来の景気減速が織り込まれつつありますが、ロシアエネルギー代替にめどが立っているわけではない状況であり、上昇下降が拮抗しているような形です。

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
①日米主要株価指数について
②日本市場振り返り:セクター成績
③アメリカ市場振り返り:セクター成績
好不調3セクターをピックアップして分析しています。
④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。
主要指数成績
昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。
日本市場振り
日経平均日足チャート
2022年の最高値29,388円も見えてくる位置まで来ています。
ただアメリカ株が週末に下落したことや移動平均線からだいぶ離れていることから調整が入るのかなと思います。
主要指数結果
・日経平均:4.7%
・TOPIX:3.0%
と離れており、50日移動平均線と100日移動平均線は更に下にあるため少し離れすぎてきているかな?という形です。
セクター成績
nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。
円安に振れてきており、機械など輸出関連株が上昇しています。
ただ長期金利が上昇してきていることから、次週はグロース株が下げてスタートするかなと思います。
アメリカ市場振り返り
日足チャート
●NASDAQ、S&P500:200日移動平均線の手前で下落
最終日の8/19の下落が気になります。
8/26にFRBパウエル議長ジャクソンホールにて講演する予定であり、これの結果次第で相場は動くと思います。
ヒートマップ
finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。
また、小売りの中でも店舗は上昇、インターネット小売りは下げていることが分かります。
セクター別成績
一方でコミュニケーションサービスやテクノロジーセクターが大きく下落しました。
上位下位3セクターの代表銘柄及び分類について成績調査しました。
TOP:生活必需品:+1.29%
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
ウォルマート | WMT | 3.63% | 3.37% | 15.08% | -1.34% | -8.72% | -5.30% |
コストコ | COST | 3.22% | 4.74% | 31.12% | 7.67% | 22.07% | -2.32% |
コカ・コーラ | KO | 2.31% | 6.21% | 8.62% | 4.91% | 14.61% | 10.07% |
プロテクター&ギャンブル | PG | 2.09% | 6.36% | 5.67% | -6.31% | 3.27% | -8.47% |
ペプシコ | PEP | 1.60% | 6.92% | 11.77% | 8.05% | 13.38% | 3.72% |
フィリップモリス | PM | 0.90% | 6.99% | -0.37% | -10.52% | -1.27% | 5.40% |
ユニリーバ | UL | -0.77% | 1.61% | 10.13% | -8.28% | -15.26% | -11.86% |
大崩れしないのはさすがです。
配当も比較的高く堅調に推移しています。
No.2:公共事業:+0.84%
分類 | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
多様 | 1.58% | 11.63% | 2.25% | 9.67% | 14.25% | 8.86% |
電気 | 0.83% | 12.23% | 8.83% | 16.67% | 10.98% | 6.95% |
ガス | 0.56% | 10.21% | 5.92% | 21.56% | 21.98% | 17.65% |
発電 | 0.13% | 9.26% | -6.03% | 12.14% | 16.35% | 2.98% |
水道 | 0.12% | 8.61% | 8.96% | 9.64% | -3.34% | -9.23% |
リサイクル | -0.98% | 21.08% | 19.43% | 25.38% | 11.61% | 9.20% |
悪い相場でも6か月、1年とほぼプラスで推移しています。
No.3:エネルギー:+0.10%
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
エクソンモービル | XOM | 0.09% | 7.21% | 3.23% | 20.26% | 78.42% | 53.75% |
シェブロン | CVX | -1.35% | 8.45% | -5.50% | 18.02% | 67.24% | 34.38% |
シェル | SHEL | -2.63% | 7.92% | -9.72% | -1.44% | 37.87% | 21.80% |
原油価格が落ちてきているためリターンは弱くなってきていますが、それでも堅調に推移しています。
ワースト1:コミュニケーションサービス:-3.80%
久しぶりに大きく下落しました。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
AT&T | T | 0.88% | -2.59% | -8.81% | 2.45% | -11.58% | -1.05% |
T-Mobile US | TMUS | -0.06% | 9.90% | 16.28% | 17.52% | 3.89% | 26.20% |
ウォルト・ディズニー | DIS | -1.18% | 15.32% | 16.48% | -21.45% | -30.66% | -22.44% |
ベライゾン | VZ | -1.62% | -6.80% | -9.53% | -17.10% | -19.78% | -14.51% |
ネットフリックス | NFLX | -3.27% | 7.72% | 31.44% | -37.63% | -55.65% | -59.97% |
コムキャスト | CMCSA | -3.30% | -8.49% | -7.95% | -17.30% | -34.40% | -23.15% |
アルファベット | GOOGL | -3.67% | 2.51% | 6.18% | -11.57% | -13.61% | -19.08% |
メタ・プラットフォームズ | META | -6.95% | -8.30% | -12.20% | -19.14% | -52.70% | -50.06% |
その中でバリュー株の位置づけであるテレコムはまだ「マシ」な結果でした。
ワースト2:素材:-3.19%
先週大きく上昇しましたが、今週は大きく下落しています。
ドルが上昇した分が影響していると考えます。
分類 | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
原料炭 | 3.16% | 11.82% | -1.00% | 26.62% | 135.16% | 58.99% |
その他の工業用金属および鉱業 | -1.66% | 8.82% | -10.08% | -14.51% | -9.59% | -2.99% |
農業投入物 | -1.73% | 12.32% | -6.48% | 12.29% | 47.42% | 17.82% |
木材と木材生産 | -1.85% | 5.00% | 5.36% | -1.66% | 33.14% | -1.15% |
紙・紙製品 | -1.87% | 14.63% | -2.61% | -6.01% | 1.58% | -3.61% |
建材 | -2.19% | 9.92% | 5.34% | -13.10% | -17.19% | -22.87% |
特殊化学品 | -2.63% | 4.09% | -1.76% | -2.66% | -8.70% | -16.37% |
銅 | -3.17% | 1.99% | -16.88% | -27.58% | -10.71% | -22.74% |
化学品 | -4.20% | 5.81% | -6.87% | -6.81% | -2.47% | -10.62% |
アルミニウム | -4.96% | 2.89% | -17.82% | -41.77% | -18.33% | -28.07% |
鋼 | -5.40% | 5.84% | -4.63% | -3.73% | -10.53% | -4.34% |
金 | -6.05% | -2.07% | -21.91% | -28.44% | -18.64% | -20.99% |
その他の貴金属と鉱業 | -10.43% | -5.99% | -23.56% | -38.51% | -37.44% | -36.75% |
銀 | -10.79% | -4.42% | -20.99% | -33.37% | -33.13% | -32.32% |
ワースト3:テクノロジー :-2.76%
半導体関連が大きく下落しています。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
シスコ | CSCO | 4.48% | 9.24% | 16.73% | -12.68% | -14.96% | -23.15% |
アップル | AAPL | -0.34% | 10.41% | 24.88% | 1.56% | 16.92% | -3.41% |
オラクル | ORCL | -0.62% | 5.53% | 17.33% | 4.14% | -11.33% | -9.80% |
アクセンチュア | ACN | -1.61% | 9.47% | 15.23% | -2.36% | -3.95% | -23.94% |
ブロードコム | AVGO | -1.76% | 5.94% | 0.41% | -5.28% | 15.82% | -17.58% |
マイクロソフト | MSFT | -1.97% | 8.05% | 13.04% | -1.58% | -3.58% | -14.92% |
台湾セミコンダクター | TSM | -4.03% | -0.67% | -3.34% | -27.19% | -21.10% | -27.52% |
エヌビディア | NVDA | -4.60% | -1.11% | 4.23% | -27.17% | -9.84% | -39.31% |
アドビ | ADBE | -4.63% | 3.95% | 7.78% | -7.13% | -33.34% | -25.04% |
ASML | ASML | -5.33% | 0.55% | 3.66% | -16.17% | -30.23% | -31.51% |
アメリカ主要銘柄決算内容
アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照
今週は大手小売り業の決算でした。明暗が分かれる結果となっています。
ウォルマート (WMT)
2Qの業績は増収減益
売上高 | 前年同期比 8.4%増の 1528.59 億ドル。アナリスト予想より+1.2% |
EPS | 前年同期の水準から0.01ドル減少。アナリスト予想より+0.15ドル |
1Q後の決算発表はミスで大きく株価下落しましたが
今回の決算は堅調な結果であり、予想を上回りました
来四半期、通期ガイダンスも堅調。通期EPS成長率は下落するものの
従来予想よりもマイナス幅は低下
株価は大きく上昇しました。
ホームデポ (HD)
2Qの業績は増収増益
売上高 | 前年同期比 6.5%増の 437.9 億ドル。アナリスト予想より+1.0% |
EPS | 前年同期の水準から0.52ドル増加。アナリスト予想より+0.1ドル |
増収増益であり、予想も上回る好決算
通期ガイダンスは据え置き
ただしアメリカ住宅市場は冷え込んでいるのが実情
決算発表を受け、株価は大きく上昇しました。
シスコシステムズ (CSCO)
4Qの業績は減収減益
売上高 | 前年同期比 0.2%減の 131億ドル。アナリスト予想より+2.9% |
EPS | 前年同期の水準から0.01ドル減。アナリスト予想より+0.01ドル |
減収減益ながら予想を上回る結果
来四半期ガイダンス:増収益は予想を上回る結果
EPSは若干予想を下回る
通期ガイダンスも来四半期同様に増収率は予想を上回り
EPSは予想を若干下回る結果
株価は大きく上昇しました。
ロウズカンパニー (LOW)
2Qの業績は減収増益
売上高 | 前年同期比 0.3%減の 274.8億ドル。アナリスト予想より-2.3% |
EPS | 前年同期の水準から0.42ドル増。アナリスト予想より+0.09ドル |
売上高は減収、予想も下回る結果
EPSは増収で予想を上回る結果
通期ガイダンス売上は予想を上回る結果
株価は上昇
ターゲット (TGT)
2Qの業績は増収減益
売上高 | 前年同期比 3.5%増の 260.4億ドル。アナリスト予想と同等 |
EPS | 前年同期の水準から3.25ドル減。アナリスト予想より-0.33ドル |
大幅な減益で予想も下回る結果
EPSは増収で予想を上回る結果
生活必需品以外の商品発注を15億ドル以上キャンセル。
景気が冷えてきている。
ガイダンスは据え置き
株価は下落しています。
ディア (DE)
3Qの業績は増収増益
売上高 | 前年同期比 24.9%増の 130億ドル。アナリスト予想より+0.5% |
EPS | 前年同期の水準から0.84ドル増。アナリスト予想より-0.49ドル |
増収増益ながらEPSは予想を下回る結果
決算発表後は大きくげらくしましたが、最終的には戻しています
来週の決算は、ズームビデオ、インテュイット、エヌビディア、セールスフォースなどのハイテク株決算発表です。
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