
2022年9月5日~9月9日までの株式市場振り返りです。

今週は回復しましたね!

●NYダウ:+2.66%
●NASDAQ総合指数:+4.14%
●S&P500:+3.65%
●日経平均:+2.04%
●TOPIX:+1.83%
●マザーズ:+3.24%
と日米主要全指数大きく上昇しました。
特にハイテク株が多いNASDAQとマザーズが大きく上げています。

今週は大きなイベントは少なかったですが、
・ISM非製造業景気指数:市場は底堅い
・パウエルFRB議長の想定通りのタカ派発言
・ヨーロッパ中央銀行の0.75%利上げ
がありました。そのことからアメリカの長期金利は上昇しています。
アメリカの長期金利が上昇したことからドルが強くなっており、円安が大きく進みました。

9/6にISM非製造業景気指数が発表されました。
・前月:56.7
・予想:55.3
/・結果:56.9/
と前月と予想よりも良い結果であり、景気が下がってきてはいるものの底堅い内容を示唆しました。
この結果により、9月FOMCは0.75%になる予想が高まりました。

9/8にFRBパウエル議長の発言がありました。
インフレが緩和されるまで、金融政策を緩めることは無いとするジャクソンホールでの発言から特段変化しませんでした。
これで9月の利上げ幅は0.75%がほぼ決定的だと市場は捉えています。
9/9時点のFedWatchでは、市場参加者の91%が0.75%利上げになると予想しています。

こうした背景から、長期金利は右肩上がりで上昇しています。
ただ0.75%を織り込んだ形となっているため、一旦は天井を付けた可能性があります。また、近い将来のリセッションの兆候である長短金利差(10年と2年差)は2か月以上逆イールド状態が続いています。

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

長期金利が上昇していることから、強いドルとなり相対的に円安が大きく進みました。145円間際まで一気に上昇した後、そこで反落しました。また9/9に黒田日銀総裁発言があり、円高に一旦戻しています。

サポートラインも下抜けてしまい、原油価格は下落傾向が続いていますが、予想が難しい状態となっています。

9月FOMCで0.75%利上げが確実視されてきました。
織り込みも進んできており、悲観ムードも安定してきたこともあり株価は一旦上昇したものと思います。
次週9/13にアメリカ消費者物価指数が発表されます。
その結果で株価は変動する可能性があるため注意は必要です。

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
①日米主要株価指数について
②日本市場振り返り:セクター成績
③アメリカ市場振り返り:セクター成績
好不調3セクターをピックアップして分析しています。
④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。
主要指数成績
日経平均とTOPIXは2021年末比で、あと一歩まで再び迫ってきています。
昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。
日本市場振り
日経平均日足チャート
100日移動平均線が下値サポートとして機能した形で、そこから反発して今週は終了しました。
主要指数結果
TOPIXも同じように移動平均線を意識された展開となっています。
マザーズは50日移動平均線(紫)が下値を支えて右肩上がりに上昇していることが分かります。
セクター成績
nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。
日本郵船社長の「2022年末でコンテナ船も落ち着いてくる」という趣旨の発言があり、株価が急落した影響で海運がワーストでした。
そうしたことや原油価格下落を受け、鉱業株も下落しています。
一方でアメリカ株価上昇を受け、精密機器や機械などのハイテク関連株が上昇しました。
また、アメリカ同様に素材株も上昇しています。
アメリカ市場振り返り
日足チャート
50日移動平均線(紫)と100日移動平均線(黄)がNASDAQ総合指数でゴールデンクロスして株価は上昇したことが分かります。NYダウとS&P500もゴールデンクロスしつつある状態であり、チャートからは株価が上昇トレンドに転換するような形になってきたことが分かります。あとは9/13の消費者物価指数(CPI)次第。
ヒートマップ
finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。
全セクター緑が多く、全面高になっていることが分かります。
セクター別成績
極端に反応し、市場が一喜一憂していることが分かります。
通常ドル高の場合コモディティは弱いことが多いのですが、今週はコモディティが大きく上昇しました。また、長期金利が上昇したことから金融株が大きく上昇しています。
TOP:素材:+5.89%
先週大きく下げたセクターでしたが、今週は大きく反発しました。
なかでも貴金属がジャンプアップしています。
分類 | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
その他の貴金属と鉱業 | 14.24% | -4.80% | -18.04% | -39.62% | -39.22% | -31.19% |
銀 | 12.65% | -15.12% | -17.87% | -40.36% | -35.96% | -30.63% |
銅 | 10.76% | 3.23% | -18.54% | -30.99% | -8.96% | -18.46% |
金 | 8.64% | -6.02% | -19.71% | -36.02% | -20.69% | -21.33% |
アルミニウム | 8.54% | -2.49% | -10.23% | -37.54% | -8.40% | -18.14% |
その他の工業用金属および鉱業 | 7.75% | -2.73% | -18.45% | -20.62% | -10.72% | -4.65% |
鋼 | 7.15% | -3.00% | -4.40% | -11.33% | -10.09% | -2.88% |
特殊化学品 | 4.56% | -2.68% | -6.40% | 2.03% | -12.41% | -18.44% |
化学品 | 4.45% | -2.62% | -10.67% | -4.80% | -5.38% | -11.83% |
農業投入物 | 4.04% | 2.70% | 3.11% | -3.52% | 42.43% | 20.09% |
建材 | 3.45% | -4.26% | 1.30% | -7.51% | -19.51% | -25.80% |
紙・紙製品 | 0.86% | -7.14% | -13.55% | -18.17% | -17.10% | -11.50% |
木材と木材生産 | 0.09% | -8.22% | -5.01% | -9.15% | 13.88% | -9.18% |
原料炭 | -2.00% | 3.49% | -16.26% | -16.69% | 56.16% | 47.02% |
No.2:一般消費財:+4.02%
テスラやアマゾンといったグロース株が大きく上昇しています。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
テスラ | TSLA | 8.13% | 1.81% | 25.02% | 7.25% | 19.10% | -14.93% |
ロウズカンパニー | LOW | 5.05% | 2.10% | 5.85% | -8.26% | 1.30% | -20.44% |
アマゾン | AMZN | 4.26% | -6.60% | 14.74% | -9.23% | -23.50% | -20.06% |
ナイキ | NKE | 4.21% | -1.92% | -6.43% | -11.95% | -32.06% | -33.42% |
スターバックス | SBUX | 3.85% | 2.54% | 12.39% | 1.76% | -25.34% | -24.18% |
ホームデポ | HD | 2.18% | -3.79% | -0.03% | -5.71% | -9.65% | -27.77% |
マクドナルド | MCD | 1.19% | -0.70% | 7.17% | 16.90% | 8.76% | -3.19% |
トヨタ自動車 | TM | -0.82% | -7.79% | -11.50% | -11.46% | -19.15% | -21.43% |
アリババ | BABA | -1.68% | -0.31% | -16.16% | -0.84% | -44.93% | -22.43% |
No.3:金融:+3.36%
長期金利が上昇した分、銀行株が上昇しています。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
バンクオブアメリカ | BAC | 4.39% | -0.37% | 1.25% | -14.09% | -14.63% | -21.47% |
JPモルガン | JPM | 4.07% | 0.66% | -4.90% | -9.62% | -25.14% | -24.74% |
モルガンスタンレー | MS | 3.82% | 0.64% | 10.23% | 4.19% | -13.85% | -8.86% |
ウェルズファーゴ | WFC | 3.73% | 2.26% | 6.23% | -7.51% | 2.19% | -5.52% |
マスターカード | MA | 3.26% | -4.96% | -3.77% | 3.47% | -4.43% | -6.53% |
ビザ | Ⅴ | 2.53% | -3.25% | -0.44% | 3.65% | -9.80% | -5.31% |
バークシャーハサウェイ | BRK-B | 1.18% | -3.16% | -5.00% | -12.15% | 2.57% | -4.42% |
ワースト1:生活必需品:+1.12%
ワーストですがプラス。ボラティリティが低いセクターです。
大手銘柄すべてプラスとなっています。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
ユニリーバ | UL | 2.45% | -4.90% | 1.81% | 3.74% | -16.12% | -14.46% |
ウォルマート | WMT | 1.75% | 5.96% | 13.07% | -4.06% | -6.54% | -5.43% |
コストコ | COST | 1.40% | -0.60% | 13.67% | 0.72% | 15.16% | -5.48% |
フィリップモリス | PM | 0.60% | -1.09% | -4.55% | 5.63% | -5.38% | 2.17% |
コカ・コーラ | KO | 0.52% | -2.09% | 0.84% | 7.67% | 11.56% | 5.25% |
プロテクター&ギャンブル | PG | 0.23% | -4.33% | -1.78% | -3.44% | -2.80% | -14.44% |
ペプシコ | PEP | 0.21% | -1.55% | 6.41% | 12.11% | 11.23% | -0.28% |
ワースト2:コミュニケーションサービス:+1.16%
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
ウォルトディズニー | DIS | 2.35% | 2.45% | 11.50% | -13.81% | -38.05% | -25.64% |
メタプラットフォームズ | META | 2.29% | -5.15% | -8.07% | -13.35% | -55.25% | -49.71% |
ネットフリックス | NFLX | 1.53% | -4.32% | 21.17% | -34.53% | -60.91% | -61.23% |
Tモバイル | TMUS | 1.24% | 0.59% | 9.53% | 17.94% | 10.85% | 25.63% |
ベライゾン | VZ | 1.03% | -5.80% | -17.08% | -20.65% | -22.41% | -18.71% |
アルファベット | GOOGL | 0.83% | -7.56% | -3.64% | -16.45% | -22.91% | -23.61% |
AT&T | T | -2.69% | -5.44% | -18.44% | -3.00% | -17.97% | -8.56% |
コムキャスト | CMCSA | -3.98% | -9.06% | -16.00% | -21.94% | -40.51% | -29.60% |
ワースト3:エネルギー :+2.14%
下落傾向とは言えまだ強いセクターです。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
シェブロン | CVX | 2.85% | 2.66% | -9.89% | -6.35% | 66.64% | 36.32% |
エクソンモービル | XOM | 2.80% | 5.52% | -5.70% | 13.05% | 78.41% | 57.71% |
シェル | SHEL | 2.39% | 0.98% | -9.88% | 3.79% | 36.34% | 23.62% |
アメリカ主要銘柄決算内容
アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照
今週は大手小売り業の決算でした。明暗が分かれる結果となっています。
ニオ (NIO)
2Qの業績は増収減益
売上高 | 前年同期比 21.8増の 84.5億ドル。アナリスト予想より+4.6% |
EPS | 前年同期の水準から0.92ドル減で赤字拡大。アナリスト予想より-0.15ドル |
前年度・予想よりも大きく増収
ただEPSは赤字幅拡大で予想よりも悪い結果
株価は上昇しています。
ゲームストップ (GME)
2Qの業績は減収増益
売上高 | 前年同期比 3.4%減の11.4億ドル。アナリスト予想より-10.2% |
EPS | 前年同期の水準から0.31ドル増で赤字縮小。アナリスト予想より+0.07ドル |
売上高は減収であり、予想よりも大きくマイナスでした。
EPSは赤字幅縮小で予想を上回る内容でした。
株価は上昇しています。
ドキュサイン (DOCU)
2Qの業績は増収減益
売上高 | 前年同期比 21.6%増の6.2億ドル。アナリスト予想より+3.3% |
EPS | 前年同期の水準から0.03ドル減。アナリスト予想より+0.01ドル |
対前年度比で大きく売上高を伸ばしています。
EPSは減少ながら、予想を若干上回る内容
ガイダンスも良好であり、株価は大きく上昇しています。
次週のアメリカ株決算は、ソフトウェア大手オラクル、アドビに注目です。
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