【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年5月2週目

市場振り返り
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2022年5月9日~5月13日までの株式市場振り返りです。

先週に引き続き暴落が続いた1週間でしたね。

今週はアメリカ消費者物価指数(CPI)の発表でした。
予想を上回る指標であったことから、金融引き締めがより強化されるのでは?という疑心があり暴落がありました。

2022年5月発表CPI結果

 

しかし、パウエル議長が利上げは0.5%を考えている。ということの発言が再度あったことから、安心感からか5/13にアメリカ株は急騰しています。

日本株はアメリカ市場に引っ張られる形で続落しています。
また、決算発表ラッシュであったため、業績相場となりました。
原料価格の高騰が今後の重しになりそうです。

原油価格も落ち着かない様子が続いています。
・G7がロシア産原油を購入しない方向に舵を切ったことで原油価格上昇
・中国ロックダン→景気減速懸念により原油価格下落
月/火と合わせて約11%下落し、最終的に月曜日の価格に戻っています。

CPIのデータは予想を上回っていましたが、加速が止まった形は確認できました。しかしながら、インフレが高止まりする可能性もあることからコモディティは中期的には上昇していくと思います。

 

 

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①日米主要株価指数について
 ②日本市場振り返り:セクター成績
 ③アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

主要指数成績

 

2022年5月2週目 日米主要株式指数結果

ハイテク株が多いNASDAQとマザーズは昨年末比で大きく下落しています。
・NASDAQ総合指数:-24.54%
・マザーズ指数:-34.34%
これは、アメリカ利上げとバランスシート圧縮が加速するため、割高ハイテク株が下落しやすい状況であるためです。

一方で大型株でオールドエコノミー株も多いNYダウは「マシ」な結果となっています。
これは割安感があり更には配当も入手できるため安心感から買われやすくなっています。

今週は大きく下落しましたが、日経平均とTOPIXも意外と善戦していることが良く分かります。
日本株は割安感もありながら円安の影響もあり、下げにくくなっています。

●前週との比較/4週間成績

2022年5月2週目 日米主要株価指数推移

昨年末から右肩下がりにマイナス幅が拡大していることが分かります。
今週もその傾向は変わりない形でした。
ただチャート的には、一時的?になると思いますが底を付けたようにも見えます。
しかしながら、利上げ+QTがあるのは確実で、景気後退局面になる可能性も高いため、弱い相場は長期的に続くとは思います。

日本市場振り

日足チャート

2022年5月2週目 日本株式指数チャート比較

マザーズのボラティリティが高いことが見て取れます。
 ・5/9、5/12に急落
 ・5/13に急騰
これはアメリカと同様の動きをしています。

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年5月2週目東証セクター成績ヒートマップ

2022年5月2週目東証セクター成績

2022年5月2週目 東証セクター成績TOP10

今週は6業種がプラス、27業種がマイナスとなりました。
5/13以外は全体的に見るとマイナス業種が多い結果となりました。

●精密機器がTOP業種
 オリンパスが好決算を発表し、5日成績で+19.9%と爆上げ

●石油石炭も引き続き強い結果
 ENEOSが好決算を発表し、+5.0%。
 2022年3月期決算において、売上高が前年比42・6%増の10兆9217億円、
 純利益は前年比4・7倍の5371億円となり、過去10年間で過去最高益。

●鉱業と商社株が弱い結果
 中国景気減速懸念…
  ・INPEX:-7.94%
  ・住友商事:-8.92%
  ・伊藤忠商事:-4.74%
  ・三菱商事:-4.93%

アメリカ市場振り返り

日足チャート

2022年5月2週目 アメリカ主要株価指数日足チャート

NASDAQのボラティリティが高いことが見て取れます。
 ・5/9、5/11に急落
 ・5/13に急騰
これは日本株と同様の動きをしています。
5/12のチャートから転換点になる可能性を示唆しています。
 ・NYダウ:トンボ形状
 ・S&P500:十字線

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

2022年5月2週目 アメリカ株式市場ヒートマップ

今週は生活必需品株以外はイマイチであったことが分かります。

セクター別成績

2022年5月2週目 アメリカセクター成績

今週はConsumer Defensive(生活必需品)以外すべてマイナスとなりました。
この4か月余りのデータを見ても堅実なセクターであることが分かります。
ディフェンシブ銘柄が多いことが特徴であり、比較的バリュー株が多いセクターとなります。

TOP:Consumer Defensive(生活必需品)

飲料-醸造所4.39%
包装食品2.32%
飲料-ノンアルコール2.04%
食料品店1.55%
タバコ1.44%
飲料-ワイナリーと蒸留所1.31%
お菓子屋0.70%
食糧配給0.35%
家庭用および個人用製品0.16%
ディスカウントストア-1.28%
農産物-3.31%
教育およびトレーニングサービス-4.90%

教育関連、農作物が大きくマイナスにはなっていますが、全体を通してみるとプラスになっている分類が多くなっています。

会社名ティッカー1週間1か月クオーター半年1年
ペプシコPEP1.94%0.42%3.05%6.78%18.51%
コカ・コーラKO1.51%1.53%9.01%15.83%20.08%
ウォルマートWMT-1.01%-5.83%9.40%-0.30%6.11%
コストコCOST-1.21%-15.87%-2.43%-2.91%29.36%
P&GPG-1.53%-3.66%-1.71%4.93%11.31%

この1年間コカ・コーラが強い動きをしていることが分かります。
安定的に成長も期待できる高配当株なので、私のポートフォリオの中心です。

 

 

 

 

 

 

No.2:Communication Services(コミュニケーションサービス)

電子ゲームとマルチメディア2.12%
エンターテイメント0.77%
インターネットコンテンツと情報-0.06%
放送-0.19%
テレコムサービス-0.99%
出版-1.26%
広告代理店-1.69%

どの分類も大きな動きが無い結果でした。

会社名ティッカー1週間1か月クオーター半年1年
アルファベット(Google)GOOGL0.26%-10.66%-13.58%-20.39%1.87%
ベライゾンVZ-0.19%-11.01%-9.64%-8.14%-17.91%
メタプラットフォームズFB-2.53%-7.61%-9.53%-39.40%-37.13%

中長期で見ると大きくマイナスになっていることが分かりますが、今週は動きが少ない結果でした。
Googleが久しぶりにプラスで終えることができました。

 

 

 

 

No.3:Utilities(公共事業)

ガス0.65%
水道0.33%
多様化-0.58%
電気-1.07%
発電-2.04%
リサイクル-5.52%
会社ティッカー1週間1か月クオーター半年1年
National Grid plcNGG2.24%-3.73%1.57%15.45%14.03%
ドミニオンエナジー株式会社D-0.49%-4.11%5.73%11.38%7.10%
サザンカンパニーSO-1.37%-2.27%10.27%16.81%13.12%
デュークエナジーコーポレーションDUK-1.81%-5.05%9.57%9.03%6.05%
NextEra Energy、Inc.NEE-3.68%-16.46%-6.88%-18.24%-4.54%

ここ1か月はマイナスになっていますが、中長期的にはNEE以外はプラスになっている堅実な業種です。

 

 

 

 

 

 

ワースト1:Consumer Cyclical(消費者循環)

3週連続ワースト1位セクターです。

テキスタイル製造3.11%
RV車1.84%
リノベーション小売0.48%
パーソナルサービス-0.21%
アパレル製造-0.26%
自動車およびトラックのディーラー-0.29%
専門小売-1.03%
履物&アクセサリー-1.17%
自動車部品-1.54%
住宅建設-1.62%
レジャー-1.84%
インターネット小売-2.25%
ギャンブル-2.37%
宿泊-2.78%
リゾート&カジノ-2.88%
レストラン-3.12%
高級品-3.60%
家具、備品、電化製品-3.79%
包装および容器-4.29%
デパート-4.56%
アパレル小売-4.70%
旅行サービス-6.87%
自動車メーカー-8.04%

自動車や娯楽、高級品といった生活にゆとりがあるときに強いものが大きくマイナスとなっています。消費者マインドが下がっていく様子が見て取れます。

会社ティッカー1週間1か月クオーター半年1年
ホームデポHD0.58%-4.64%-15.49%-19.48%-8.53%
アマゾンAMZN-1.50%-27.31%-26.25%-34.89%-29.84%
アリババBABA-2.29%-12.04%-28.02%-47.58%-58.00%
トヨタ自動車TM-6.91%-4.22%-16.28%-9.89%3.52%
テスラTSLA-11.10%-24.72%-10.51%-27.64%30.50%

この半年で大きなマイナスになっている銘柄が目立ちます。

 

 

 

 

 

 

ワースト2:Basic Materials(素材:コモディティ)

紙および紙製品0.99%
化学薬品-0.66%
特殊化学品-1.12%
建材-1.49%
農業投入物-1.65%
アルミニウム-2.83%
原料炭-3.33%
その他の工業用金属および鉱業-3.52%
製材・木材生産-4.70%
-5.49%
-8.68%
ゴールド-9.72%
-10.35%
その他の貴金属および鉱業-10.54%

金属関連が大きくマイナスになっています。
景気減速懸念により鉱業用金属が売られやすくなっていることと、金利が上昇していることからゴールドが下がりやすくなっています。

会社ティッカー業界1週間1か月クオーター半年1年
LindeplcLIN特殊化学品0.04%-3.28%4.76%-8.01%2.52%
シャーウィン・ウィリアムズ・カンパニーSHW特殊化学品-0.02%5.78%0.08%-16.16%-4.46%
ヴァーレSAVALEその他の工業用金属および鉱業-1.91%-22.55%-12.09%21.90%-26.68%
リオティントグループRIOその他の工業用金属および鉱業-3.32%-19.69%-14.72%5.30%-23.16%
BHPグループリミテッドBHPその他の工業用金属および鉱業-3.51%-18.67%-7.79%15.40%-17.98%

 

 

 

 

 

 

ワースト3:Technology(テクノロジー)

エレクトロニクスとコンピューターの配布0.36%
通信機器0.25%
半導体機器および材料-0.11%
半導体-1.19%
コンピューターハードウェア-1.36%
電子部品-1.53​​%
科学技術機器-1.82%
情報技術サービス-2.05%
ソフトウェアアプリケーション-2.94%
ソフトウェア-インフラストラクチャ-3.68%
家電-6.02%
太陽-7.78%

ほぼすべての分類でマイナスとなっています。

会社ティッカー1週間1か月クオーター半年1年
ブロードコムAVGO1.40%-0.73%2.58%5.91%33.20%
シスコシステムズCSCO0.47%-4.97%-8.05%-12.68%-6.31%
ASMLASML-0.49%-10.52%-12.72%-34.21%-15.35%
台湾セミコンダクターTSM-0.73%-10.38%-24.83%-23.04%-19.12%
マイクロソフトMSFT-4.95%-9.21%-11.50%-21.45%5.23%
エヌビディアNVDA-5.19%-20.25%-26.07%-41.74%24.31%
アップルAAPL-6.47%-13.67%-12.77%-0.51%15.43%

この1か月~半年にかけて大きくマイナスになっている銘柄が多くあります。
グロース株にとっては利上げ局面は厳しい状況になりますが、財務状況が安定している銘柄は、反転できる可能性があると考えています。大型グロース株はそろそろ狙い目かもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

マネックス証券の決算フラッシュを参照しています。
データが無い場合は、https://jp.investing.com/を参照しています。

オクシデンタル・ペトロリアム  (OXY)

ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが、買い増しした銘柄です。

1Qの業績は増収増益。

売上高対前年同期57.7%増の83.5億ドル。アナリスト予想より+7.3%
純利益対前年同期3440%増の48.8億ドル。
EPS前年同期の水準から2.27ドル増加。アナリスト予想より+0.15ドル

好決算を発表していまが、株価はあまり影響が無かった形となりました。
決算発表時に原油価格が急落していたことも要因だと考えます。
 

 

ノババックス (NVAX)

1Qの業績は増収増益。

売上高対前年同期57.4%増の7億ドル。アナリスト予想より-16.7%
純利益前年同期の-2.2億ドルから2億ドルに改善。予想より-4.7%
EPS前年同期の水準から5.61ドル増加。アナリスト予想より-0.13ドル

直近の高値からすでに-85%と暴落中です。
決算も芳しくなく、イマイチです。
 

 

ウォルト・ディズニー (DIS)

2Qの業績は増収減益。

売上高対前年同期23.3%増の192億ドル。アナリスト予想より-4%
純利益対前年同期47.8%減の4.7億ドル。アナリスト予想より-75.1%
EPS前年同期の水準から0.29ドル増加。アナリスト予想より+0.06ドル

直近の最高値から-50%と暴落が止まっていません。
決算も芳しくなく、コロナ禍で成長が止まってしまっています。
 

 

 

 

 

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