【アメリカ・日本株】週間振り返り~2022年8月2週目

2022年8月2週目日米主要株式相場振り返り市場振り返り
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2022年8月8日~8月12日までの株式市場振り返りです。

今週も力強い結果でしたね!

日経平均とTOPIXはあと少しで2021年末比に並ぶとことまで来ました。S&P500やNASDAQ総合指数も暴落していましたが、大きく回復してきています。

2021年比で
●NYダウ:-7.09%

●NASDAQ総合指数:-16.60%
●S&P500:-10.20%
●日経平均:-0.85%
●TOPIX:-0.96%
●マザーズ:-26.49%
まだ完全回復には遠いですが、一時期を思うと。という感じです。

今週はアメリカでインフレ指数が発表され、ピークアウトした結果が示唆されました。またミシガン大学消費者信頼感指数も発表され、景気後退懸念が少し後退しています。その結果、株価は上昇しました。

8/10にアメリカ消費者物価指数(CPI)が発表されました。

  • 前月が+9.1%に対し、7月は+8.5%
  • 食料品やエネルギーを除くコア指数は前月が+5.9%に対し、
    7月は+5.9%

コア指数は前月と変化無ですが、

コア入れるとインフレが減速したことが分かります。

エネルギー価格に歯止めがかかってきている証拠が確認されました。

アメリカ消費者物価指数 2022年7月

消費者物価指数の対予想との比較です。

この1年間は2022年6月まで予想よりも結果の方が指数が

高い状態でしたが、7月は初めて逆転しました。

前月比でも予想+0.2%に対し、結果は0%と横ばいであり

予想を下回りました。

エネルギーと食料品を除いた「コア」については、

6月まで3か月間連続で予想を上回る結果でしたが、

7月は前月と横ばいですが、予想を下回りました。

前月比でも予想+0.5%に対し、結果は+0.3%と

予想を下回りました。

アメリカ消費者物価指数2022年7月

アメリカコア消費者物価指数2022年7月

8/11にアメリカ生産者物価指数(PPI)が発表されました。

●前月が+11.3%に対し、7月は+9.8%

●食料品やエネルギーを除くコア指数は

 前月が+8.2%に対し、7月は+7.6%

コア指数が右肩下がり

コアを入れても、7月は一気に下落

→エネルギー価格下落を受け、インフレが頭打ちしてきていることが分かります。

アメリカ生産者物価指数2022年7月

生産者物価指数の対予想との比較です。

この1年間は2022年6月まで予想よりも結果の方が指数が

高い状態が多くを占めていましたが、

7月は大きく逆転しました。

前月比でも予想+0.3%に対し、結果は-0.5%と

予想外にマイナスとなりました。

→CPI同様にインフレが抑制されてきていることが確認されました。

コアは、3月をピークに下落傾向が続いています。

前月比でも予想+0.4%に対し、結果は+0.2%と

低いレンジに収まってきています。

→CPI同様にインフレが抑制されてきていることが確認されました。

アメリカ生産者物価指数2022年7月

アメリカ生産者コア物価指数2022年7月

8/12にアメリカミシガン大学消費者信頼感指数が発表されました。
2か月連続で予想を上回る結果で、右肩下がりの景気指数にストップをかけています。

アメリカミシガン大学消費者信頼感指数2022年8月

前週の力強い労働市場、今週のインフレ抑制示唆、景気指数の上昇を受け、株価は上昇しました。
ただし、インフレのピークアウトが見えてきていますが、それでもなお高い状態であることには変わりが無く、力強い労働市場や景気指数から利上げはやっぱり0.75%?という意見も完全には消えていないことから長期金利も大きく下げずに粘っています。むしろ上昇基調に再度なっています。

また、将来的なリセッションの兆候を示すと言われている長短金利差は逆イールド状態が続いており、その差が拡大中です。

アメリカ債券10年利回り

アメリカ債券利回り10年と2年の差

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

ドル円為替相場は50日移動平均線(紫)と100日移動平均線(黄)を
挟みながら推移しています。

ドル円為替相場日足チャート

原油価格は、下落からやや持ち直したような形で推移しています。
200日移動平均線(赤)が上値を抑える形で抵抗線となっています。
次週以降、ここをブレイクするのかどうかが試されます。

原油WTI日足チャート

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
 ①日米主要株価指数について
 ②日本市場振り返り:セクター成績
 ③アメリカ市場振り返り:セクター成績
  好不調3セクターをピックアップして分析しています。
 ④アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。

主要指数成績

2022年8月2週日米主要株価指数結果

2022年日米主要株価指数結果

ハイテク株が多いNASDAQは+3.08%、S&P500は+3.26%と先週に引き続き大きく上昇しています。NASDAQ総合指数とS&P500は4週連続上昇と大きく回復してきています。

昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
・日経平均とTOPIXはあと1%弱で昨年末を回復するところまで来ている
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。

日本市場振り

日経平均日足チャート

日経平均日足チャート

3月、6月の付けた高値28,000円台を一気にブレイクし、2022年1月中旬レベルまで回復しました。
200日移動平均線(赤)が下支えにもなっているため、強い展開に期待です。

2022年8月2週目日本株式市場動き

アメリカの物価指数を受けて8/12の株価は大きく上昇しました。
マザーズは100日移動平均線から大きく上昇しており、200日移動平均線を目指す形になっていますが、まだ11%ほどの乖離がある状態のため短期的には不可能かと思います。

セクター成績

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2022年8月東証セクター成績ヒートマップ

2022年東証セクター成績

2022年8月2週東証セクター成績TOP10

プラスは29業種、マイナスは4業種とほぼ全業種がプラスとなりました。
先週とは反転し、石油関連株が上昇しています。
また金属や非鉄金属、鉄鋼などの素材株も大きく上昇しました。
特に非鉄金属については6日連続上昇中と力強い結果となっています。

アメリカ市場振り返り

日足チャート

2022年8月2週アメリカ主要株式指数結果

200日移動平均線(赤)まで
●NYダウ:0.4%
●NASDAQ総合指数:3.4%
●S&P500:1.1%
とNASDAQ総合指数が一番伸びしろがありそうです。

ヒートマップ

finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。

2022年8月2週アメリカ市場ヒートマップ

上図でもわかる通り、全セクターがプラスでした。

セクター別成績

2022年8月2週アメリカセクター成績

その中で、先週ワーストであったエネルギーセクターがTOPでした。
エネルギーセクターは、この3週で1位→最下位→1位と目まぐるしくなっています。
2位には素材、3位は不動産と地味なセクターが上位を占めました。

上位下位3セクターの代表銘柄及び分類について成績調査しました。

TOP:エネルギー:+5.90%

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
エクソンモービルXOM6.27%13.06%8.92%20.14%63.91%53.62%
シェルSHEL4.63%17.66%-1.68%-0.42%32.09%25.09%
シェブロンCVX4.04%17.59%-2.95%17.50%55.74%36.22%

 

 

 

 

No.2:素材:+5.00%

素材株の強さが戻ってきています。

分類1週間1か月3か月6か月1年年初来
原料炭13.25%15.86%-1.73%28.45%114.21%56.72%
紙・紙製品7.87%18.87%6.88%-1.77%1.79%-0.79%
農業投入物7.05%22.81%0.32%15.87%37.88%19.90%
化学薬品6.73%18.49%2.45%-3.50%-2.62%-5.94%
5.60%24.48%3.20%-1.81%-13.86%1.11%
特殊化学品5.50%14.37%2.78%-3.52%-8.32%-14.15%
木材と木材生産4.49%20.86%9.67%2.05%28.62%0.64%
4.40%16.29%-8.32%-25.65%-18.74%-20.04%
アルミニウム4.29%14.82%-3.99%-34.68%-25.16%-24.36%
4.05%2.32%-13.17%-13.19%-17.32%-16.00%
建材3.86%18.50%8.70%-12.83%-18.36%-21.11%
その他の貴金属と鉱業3.17%8.31%-4.02%-20.94%-33.20%-26.98%
その他の工業用金属および鉱業3.05%15.62%-2.14%-15.83%-20.58%-1.35%
-4.07%10.34%-0.91%-16.66%-30.20%-24.07%

銀以外のすべての分類でプラスとなりました。

No.3:不動産:+4.87%

会社ティッカー業界1週間1か月3か月6か月1年年初来
KEホールディングスBEKE不動産サービス9.10%16.21%39.15%-27.02%-16.48%-18.39%
プロロジスPLDREIT – 産業用4.45%16.18%10.74%-7.54%5.51%-18.48%
アメリカン・タワーンAMTREIT – 専門分野2.03%8.27%23.16%14.52%-0.83%-5.05%
クラウン キャッスルCCIREIT – 専門分野1.84%6.23%5.60%4.99%-6.02%-12.96%
エクイニクスEQIXREIT – 専門分野1.01%15.14%11.86%2.45%-13.20%-16.70%

 

 

 

 

 

 

ワースト1:ヘルスケア:+1.22%

プラスですが、最下位でした。
このところ調子が悪い方のセクターです。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
メルクMRK4.13%-3.05%0.21%18.89%19.70%18.76%
アッヴィABBV3.30%-5.21%-7.58%-0.08%23.31%5.32%
ダナハーDHR2.67%20.03%24.30%5.51%-5.11%-9.50%
イーライリリー LLY2.24%-5.75%5.58%28.56%16.93%11.53%
サーモフィッシャーTMO2.19%14.76%14.72%3.95%11.29%-9.60%
ファイザーPFE1.70%-2.49%-0.56%-0.97%6.08%-15.14%
ユナイテッドヘルスUNH1.61%8.21%13.55%11.71%33.93%8.28%
アストラゼネカAZN0.92%2.40%8.45%13.72%15.98%14.40%
ノバルティスNVS0.13%3.73%0.35%-0.17%-7.74%-2.05%
ジョンソン&ジョンソンJNJ-3.40%-5.91%-7.07%-2.43%-5.65%-3.37%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト2:生活必需品:+1.52%

大崩れすることが少ないセクターであり、堅調です。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
ウォルマートWMT4.46%3.44%-10.35%-2.84%-11.30%-8.62%
フィリップ モリスPM1.68%10.73%-4.00%-5.55%-0.77%4.46%
ペプシコPEP1.59%3.71%4.07%5.32%14.35%2.08%
プロクター・アンド・ギャンブルPG1.35%0.96%-3.50%-6.68%2.60%-10.34%
コカ・コーラKO0.50%2.44%-1.26%3.78%12.07%7.58%
ユニリーバUL-0.60%4.03%5.73%-6.72%-16.22%-11.17%
コストコCOST-0.64%4.94%10.50%3.61%20.62%-5.37%

 

 

 

 

 

 

 

 

ワースト3:テクノロジー :+2.61%

一部の半導体銘柄以外は大手銘柄の大半はプラスとなっています。

会社ティッカー1週間1か月3か月6か月1年年初来
アップルAAPL4.08%15.92%20.72%-0.01%15.59%-3.08%
アクセンチュアACN3.58%19.27%13.95%-6.41%-0.41%-22.70%
シスコCSCO3.55%10.11%-3.48%-15.05%-17.34%-26.45%
マイクロソフトMSFT3.18%14.89%14.32%-3.46%0.72%-13.20%
アドビADBE2.82%19.50%14.72%-9.97%-29.74%-21.41%
オラクルORCL2.33%13.97%11.90%-3.30%-11.87%-9.24%
ブロードコムAVGO1.23%15.18%-2.33%-5.60%15.27%-16.11%
台湾セミコンダクターTSM1.21%8.59%3.62%-27.14%-21.47%-24.48%
ASMLASML-0.23%26.06%10.26%-12.32%-26.26%-27.66%
エヌビディアNVDA-1.47%21.71%15.67%-27.55%-6.01%-36.39%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ主要銘柄決算内容

アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照

ドミニオン・エナジー (D)

2Qの業績は増収増益

売上高前年同期比 18.4%増の 36 億ドル。アナリスト予想より+2.6%
EPS前年同期の水準から0.01ドル増加。アナリスト予想より+0.01ドル

決算売上高は前年同期、予想を上回る結果
次四半期及び通期EPSガイダンスを発表したが、予想よりも低い
株価はあまり変化無

 

 

アメリカン・インターナショナル (AIG)

2Qの業績は増収減益

売上高前年同期比 29%増の 144.4億ドル。アナリスト予想より+29%
EPS前年同期の水準から0.33ドル増加。アナリスト予想より+0.11ドル

減益ながら決算売上高は前年同期、予想を上回る結果
株価は大きく上昇

 

 

バリック・ゴールド (GOLD)

2Qの業績は減収減益

売上高前年同期比 1.0%減の 28.6億ドル。アナリスト予想より+0.4%
EPS前年同期の水準から0.05ドル減少。アナリスト予想より+0.01ドル

減収減益ながら予想をわずかに上回る結果
株価はわずかに上昇

 

 

ウォルトディズニー (DIS)

3Qの業績は増収増益

売上高前年同期比 26%増の 215 億ドル。アナリスト予想より+2.4%
EPS前年同期の水準から0.21ドル増加。アナリスト予想より+0.12ドル

大幅な増収増益で予想を上回る結果
パーク売上が予想超え、ディズニープラスが1440万人の純増で
予想を超える力強さ。ネットフリックスとは対照的。
株価は大きく上昇

 

 

来週は小売店大手のウォルマート、ホームセンター大手のホームデポの決算発表に注目です。

 

 

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