
NISAの日:2023年2月13日の株式市場振り返りです。

2(に)・1(い)・3(さ)でNISAの日だそうです。
ちなみにNISAは「Nippon Individual Saving Account」の略です。
日本版個人貯蓄口座で
・一般NISA:2014年からスタート
・積立NISA:2018年からスタート
これが2024年から統合され、しかも金額が拡充されるという投資家としては物凄くメリットが出そうですね!

2024年からの投資を頑張るためにも、日々の勉強ですね!
今日は株価下がっちゃったけど…

2/3のアメリカ雇用統計から流れが悪くなっちゃってますね。
先週は複数のFRB高官によるタカ派発言で長期金利上昇➡アメリカ株下落という構図でした。

2/10にはミシガン大学による消費者信頼感指数と期待インフレが発表になりました。消費者は非常に堅調なマインドだということ、先月に比べて1年先のインフレ状態が上昇してしまっていることなどが示されため、アメリカ金融引き締めが長引く懸念が増しています。
そのことで、グロース株が大幅下落という結果となっています。

アメリカの金融引き締めが続くとドル高円安になることを意味していることから、日本株にとっては上昇圧力も出ています。
しかしながら、あまりにも引き締めが強いと景気鈍化による企業業績悪化が懸念されるため、株価下落ムードとなってしまいます。
本日は、2/14のアメリカ消費者物価指数(CPI)と次期日銀総裁発表を前にリスクオフになっていることや、アメリカ金融引き締め懸念などが合わさり日本株は下落しました。

ミシガン大学調査などを絡めながら、金利や為替、原油価格などとともに株式市場を振り返っていきましょう。
日米主要株式指数
・アメリカ株:2023/2/9
・日本株:2023/2/10
終値 | 前日比 | 前日差 | |
NYダウ | 33,869.27 | +0.50% | +169.39 |
NASDAQ | 11,718.12 | -0.61% | -71.46 |
S&P500 | 4,090.46 | +0.22% | +8.96 |
日経平均 | 27,427.32 | -0.88% | -243.66 |
TOPIX | 1,977.67 | -0.47% | -9.29 |
マザーズ | 764.32 | -2.11% | -16.47 |
2/3の雇用統計があまりに予想外に伸びたことから悪い流れが続いています。
長期金利上昇に伴い、グロース株下落+ディフェンシブへ資金移動が先週の流れでした。
●日本株
アメリカ金融政策でタカ派が強いとドル高円安。ハト派になるとドル安円高。最近の傾向からはタカ派色が強まっているため、ドル高円安に少し振れており、株価は上昇方向となっていました。ただし2/10のミシガン大学期待インフレなどの影響でアメリカ金融引き締めが想定よりも長引く恐れが現実的になってきた、アメリカCPI、次期日銀総裁発表などを控えた調整も合わさり、グロース株中心(特にマザーズ)に下落しました。
アメリカ経済指標
2023年FOMC時 金利見通し
ミシガン大学 消費者信頼感指数
・2月予想:65.1
・2月速報値:66.4
予想を遥かに上回る結果となりました。2022年6月を底に右肩上がり。
消費者マインドは堅調!
➡FRBタカ派支持が意識される結果+ソフトランディングに期待
➡金融引き締めが想定よりも強くなることが懸念され長期金利上昇+グロース株安
ミシガン大学 消費者期待インフレ率
消費者が将来のインフレ率がどうなるのかのアンケート結果です。
消費者信頼感指数とともに発表されます。
・1月:+3.9%
・2月:+4.2%
と反発してしまっています。インフレが根強く残ると消費者は想定しているようです。
つまり金融引き締めが長く、そして政策金利が高くなる可能性が上昇になったということを示唆しています。
●5年先
横ばいの+2.9%
株式以外の重要指標
2023年FOMC時 金利見通し

雇用統計とパウエル議長発言、FRB高官らのタカ派発言、ミシガン大学消費者信頼感指数、期待インフレ率など長期金利上昇要因を受け、タカ派寄りを市場は織り込もうとしています。ターミナルレートが5.25~5.50%となることや、2023年中の利下げが無いという
確率が上昇しています。
現時点のシナリオ)
・2023年3月:+0.25%
・2023年5月:+0.25% ここで利上げ打ち止め。ターミナルレート5.00~5.25%?
・2023年6月:+0.25% or 維持 ここで利上げがあるなら5.25~5.50%
・2023年11or12月:順次利下げ ※利下げタイミングは意見が割れている
→FOMCドットチャートでは、2023年末で5.1%(中央値)であり
今まで市場と乖離がありましたが、市場が織り込もうとしています。
更なる利上げも意識されている模様。
また、2023年中の利下げは考えていないというFRBと、
市場は年末に利下げがあるとの部分に乖離がある状態です。
2023年3月FOMC時 利上げ確率
3月+0.25%の利上げ確率が90%となっています。若干ですが+0.50%確率が上昇しています。
アメリカ長期金利推移(10年債利回り)
・2年金利:4.541%
・5年金利:3.939%
・10年金利:3.740%
・30年金利:3.814%
10年と2年で逆イールド
→リセッションの兆候は変わらず
※2022/7/5~逆イールドで拡大している
金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。
金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。
2023年の市場動向について、為替と長期金利の観点から予測しました。
為替(ドル円)
原油価格WTI
100日移動平均線(黄色ライン)が上値レジスタンス。
2/10 17時台にロシアが原油を減産という報道が出た為価格が上昇しましたが、100日移動平均線手前で反落しています。原油価格下落が物価上昇抑制につながっていたため、原油価格には注意が必要です。
S&P500ヒートマップ
長期金利上昇に伴い、グロース株が下落。
ディフェンシブ・バリューのエネルギー、ヘルスケア、生活必需品、防衛株、公共事業などが上昇
日本市場振り返り
➡長期金利上昇で米国グロース株下落➡日本株も下落
・2/14の米国CPIを前に調整局面
・ロシア原油減産報道で原油価格上昇➡石油関連株上昇
・日銀金融政策修正期待で銀行株上昇
・次期日銀総裁候補の植田氏を見極めで相場は慎重
・決算ラッシュで一喜一憂状態
上記のことなどから、日本株は米国同様にグロース下落。高配当株上昇
~日足チャート~
サポートラインで複数回反発してきています。本日200日移動平均線(赤ライン)まで下落しましたがここで反発しました
日経平均ヒートマップ
nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。
【銘柄数】下落銘柄数がやや多め
・値上がり:92銘柄
・変化無し:3銘柄
・値下がり:130銘柄
【セクター】下落業種が多い
上昇:12業種
下落:21業種
業種成績 上位/下位5業種
5日間結果 | 業種 | 変化率 |
1位 | 鉱業 | 5.23% |
2位 | 銀行業 | 5.15% |
3位 | 海運業 | 2.60% |
4位 | その他金融業 | 1.71% |
5位 | 倉庫・運輸関連業 | 1.56% |
1か月結果 | 業種 | 変化率 |
1位 | 鉄鋼 | 10.13% |
2位 | 機械 | 7.14% |
3位 | 海運業 | 7.00% |
4位 | その他金融業 | 6.50% |
5位 | 倉庫・運輸関連業 | 6.45% |
上昇銘柄
寄与度上位 | 寄与度 | 前日比 |
本田技研工業 | +9.86 | ▲4.54% |
セコム | +7.36 | ▲2.77% |
コムシスホールディングス | +3.49 | ▲4.16% |
KDDI | +3.49 | ▲0.43% |
大和ハウス工業 | +2.98 | ▲2.88% |
豊田通商 | +2.40 | ▲1.26% |
日揮 | +2.19 | ▲3.86% |
日立建機 | +2.05 | ▲1.95% |
小松製作所 | +1.95 | ▲1.79% |
ヤマハ発動機 | +1.88 | ▲1.66% |
日銀金融政策変更期待で銀行株上昇
・三菱UFJ:+0.9%
・三井住友:+0.7%
・みずほ:+0.7%
・りそな:+1.2%
ロシア原油減産で石油関連株上昇
・INPEX:+5.6%
・石油資源開発:+5.4%
・三井松島HD:+14.6% (決算が好感)
・ENEOS:+0.4%
・出光興産:+1.8%
・コスモエネルギー:+2.7%
高配当銘柄/業種にグロース株から資金が戻る+中国経済回復期待
・日本郵船:+2.1%
・商船三井:+2.2%
・川崎汽船:+1.3%
・日本製鉄:+1.9%
・神戸製鋼:+6.4%
下落銘柄
寄与度下位 | 寄与度 | 前日比 |
東京エレクトロン | -72.60 | ▼4.39% |
ファーストリテイリング | -31.50 | ▼1.13% |
ソフトバンクグループ | -13.56 | ▼1.12% |
アドバンテスト | -10.96 | ▼1.57% |
ダイキン工業 | -10.62 | ▼1.33% |
信越化学工業 | -10.27 | ▼1.53% |
資生堂 | -8.94 | ▼3.97% |
ソニー | -7.88 | ▼1.93% |
オリンパス | -7.53 | ▼2.25% |
第一三共 | -7.09 | ▼1.63% |
ハイテクグロースの中でも米中関係悪化で半導体株が大きく下落
・レーザーテック:-1.7%
・東京エレクトロン:-4.4%
・ルネサス:-0.9%
・アドバンテスト:-1.6%
・SCREEN:-1.7%
・信越化学工業:-1.5%
・ソニー:-1.9%
・キーエンス:-1.6%
・村田製作所:-2.2%
グロース株下落で精密業種も大きく下落
・オリンパス:-2.3%
・G-セルシード:-2.9%
・ニコン:-3.6%
・テルモ:-1.2%
決算イマイチ
・三菱マテリアル:-4.2%
・資生堂:-4.0%
・ワコール:-5.7%
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