【いいくちの日:2023年1月19日】米小売業売上高急落➡リセッション懸念で米国株下落➡日本株下落・・・

市場振り返り
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いい(11)く(9)ち☞いいくちの日:2023年1月19日の株式市場振り返りです。

昨日のアメリカ株はがっつり下がりましたね・・・

生産者物価指数は順調に下がっていて好感されましたが、小売業売上高が酷いほど下落したのが悪材料でした。その結果、アメリカ株は大きく下落しました。米長期金利が下落したため、グロース株はマシな結果にになりました。

アメリカ株が急落したため、日本株も非常に弱い結果でした。
一方で日銀政策維持を受け日本の長期金利は下落したため、グロース株比率が高いマザーズ指数は上昇しました。

日米主要株式指数

・アメリカ株:2023/1/18
・日本株:2023/1/19

 終値前日比前日比
NYダウ33,296.96-1.81%-613.89
NASDAQ10,957.01-1.24%-138.10
S&P5003,928.86-1.56%-62.11
日経平均26,405.23-1.44%-385.89
TOPIX1,915.62-1.00%-19.31
マザーズ744.65+0.68%+5.02
●アメリカ株
全面安でしたが、長期金利が下落したことからグロース株は小さな下落で済んでいます。

●日本株
長期金利が下落したため、グロース株が多いマザーズ指数のみ上昇しました。
ほぼ全面安で、インバウンド株以外は弱い結果でした。

アメリカ経済指標

小売業売上高

・前月:-1.0% (-0.6%から下方修正)
・予想:-0.9%
・結果:-1.1% 
11月分が大幅下方修正され、12月は予想を下回りました。
2か月連続で対前月比マイナス1%水準であることから、急激に小売業が悪化していることが確認され、リセッション懸念が加速しています。
アメリカ小売業売上高

 

小売業売上高(コア)

コア:自動車関連株を除いた指数

・前月:-0.6% (-0.2%から下方修正)
・予想:-0.4%
・結果:-1.1% 
11月分が大幅下方修正され、12月は予想を大幅に下回りました。

アメリカ小売業売上高(コア)

生産者物価指数(PPI)

・前月:+7.3% (+7.4%から下方修正)
・予想:+6.8%
・結果:+6.2% 
11月分が下方修正、12月は予想を大きく下回り、6か月連続下落となりました。
消費者側でも生産者側でもインフレ抑制が出来つつあります。

アメリカ生産者物価指数

生産者物価指数(PPI) コア

コア:食料品とエネルギーを除いた指数

・前月:+6.2% (修正なし)
・予想:+5.4%
・結果:+5.5% 
12月は予想を若干上回りましたが、順調に右肩下がりに物価抑制出来てきています。

アメリカ生産者物価指数コア

株式以外の重要指標

2023年FOMC時 金利見通し

CMEのFedWatch ツール - CME Group
フェデラル・ファンド(FF)の目標金利に基づくCME FedWatchツールで、次回のFOMC(連邦公開市場委員会)会合までをカウントダウン。ツールを見る
現時点のシナリオ)
米小売業売上高が著しく悪かったことや、生産者物価指数が順調に下がってきていることからFRBがハト派寄りになると想定されています。➡1/17よりも高金利維持期間が短くなっています。
・2023年2月:+0.25% 95%を超えてきました。
・2023年3月:+0.25% ここで利上げ打ち止め
・2023年5~7 月:維持
・2023年9以降:順次利下げ ※9月の利下げ有無は拮抗
 →FOMCドットチャートでは、2023年末で5.1%(中央値)であるためGAP
  があることがネック

2023年FOMC時利上げ確率

2023年2月FOMC時 利上げ確率

直近の経済指標からハト派寄りとなることが想定され、0.25%利上げ確率が95%程度となりました。

2023年2月FOMC利上げ確率

2023年3月FOMC時 利上げ確率

市場は2月+0.25%、3月+0.25%の利上げ確率が高いと想定しています。

2023年3月FOMC時利上げ確率

アメリカ長期金利推移(10年債利回り)

小売業売上高が予想以上に悪すぎるのと生産者物価指数が順調に低下していることからFRB金融政策がハト派になると想定
➡長期金利が下落。200日移動平均線(下図赤ライン)まで到達し、反発しました。

・2年金利:4.072%
・5年金利:3.433%
・10年金利:3.370%
・30年金利:3.539%
10年と2年で逆イールド
→リセッションの兆候は変わらず
 ※10年金利が大幅下落で再度差が拡大

アメリカ10年債券利回り日足チャート

金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。

金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。

2023年の市場動向について、為替と長期金利の観点から予測しました。

為替(ドル円)

1/18に日銀政策維持が発表され、一気に円安になりましたが、1/18夜のアメリカ経済指標からアメリカ長期金利が低下したため、ドル売りが更に顕著になっています
→ドル安円高。

為替ドル円日足チャート

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原油価格WTI

景気後退が現実味を帯びてきた為、原油価格が下落。
100日移動平均線(黄色ライン) で反落し、昨日中に50日移動平均線(紫ライン)まで下落しています。ただし、中国経済が回復する見込みのため、急落までは行かないと考えています。

原油WTI日足チャート

日本市場振り

経済指標(鉱工業、小売業売上高)が悪く米国株下落➡日本株下落
・米生産者物価指数(PPI)は右肩下がりで良好
・米小売業売上高が非常に悪い結果
・景気後退懸念が加速したため、株安
・昨日日本株は急上昇しましたが、米国株結果を受け
 一気に下落しました。
・日本長期金利が低下➡マザーズ指数は上昇

日経平均チャート

昨日は日銀政策維持発表を受け円安☞株高となりましたが、アメリカ株安を受け、本日は下落しました。取引開始直後に大幅下落。昨日後場の上昇分の大半が失われました。
2023/1/19日経平均2日間チャート

日経平均日足チャート

日経平均ヒートマップ

nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。

2023/1/19日経平均ヒートマップ

昨日とは打って変わって下落銘柄が約9割と支配的

【銘柄数】
・値上がり:22銘柄
・変化無し:2銘柄
・値下がり:201銘柄

【セクター】
上昇:2業種
下落:31業種

インバウンド株以外は厳しい結果となりました。

業種成績 上位/下位5業種

空運と小売業以外はマイナスとなりました。
・インバンド株は上昇
・円高で自動車関連、長期金利下落で銀行・保険株が大きく下落

2023/1/19東証セクター成績上位下位5業種

上昇銘柄

寄与度上位前日比前日比
KDDI+4.52 ▲0.56% 
資生堂+2.40 ▲1.10% 
バンダイナムコHD+1.88 ▲0.67% 
ソニー+1.03 ▲0.26% 
イオン+0.94 ▲1.08% 
三越伊勢丹ホールディングス+0.72 ▲1.58% 
高島屋+0.72 ▲2.47% 
J.フロント リテイリング+0.58 ▲3.04% 
横浜ゴム+0.26 ▲0.74% 
東海旅客鉄道+0.21 ▲0.38% 
<代表銘柄>

インバウンド株上昇➡空運、薬局、百貨店
・JAL:+0.5%
・ANA:+0.5%
・スカイマーク:+2.2%
・三越伊勢丹:+1.6%
・マツキヨ:+0.3%
・高島屋:+2.5%
・コスモス薬品:+2.8%
・良品計画:+0.8%
・Jフロント:+3.0%
・ツルハHD:+2.5%

下落銘柄

寄与度下位前日比前日比

ソフトバンクグループ

-46.02 

▼3.67% 

ファーストリテイリング

-45.89 

▼1.76% 

東京エレクトロン

-39.04 

▼2.50% 

ダイキン工業

-14.21 

▼1.91% 

TDK

-13.35 

▼2.89% 

ファナック

-11.13 

▼1.49% 

第一三共

-8.83 

▼2.02% 

京セラ

-8.56 

▼1.90% 

オリンパス

-7.74 

▼2.31% 

トヨタ自動車

-7.70 

▼2.36%

<代表銘柄>

景気減速+円高で自動車関連最下位
・トヨタ自動車:-2.4%
・デンソー:-1.6%
・ホンダ:-2.2%
・スズキ:-3.3%
・三菱自動車:-5.3%
・日産自動車:-3.6%
・マツダ:-5.1%

日銀政策維持➡日本長期金利下落で、銀行、保険株下落
・三菱UFJ:-1.8%
・三井住友:-1.8%
・みずほ:-1.7%
・りそな:-0.5%
・第一生命:-1.0%
・東京海上:-2.7%
・T&DHD:-0.3%
・MS&AD:-2.6%

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