
2022年10月3日~10月7日までの株式市場振り返りです。

凄く荒れた相場でしたね。。

週の前半は大反発。後半は急落。忙しい相場でした。
●前半:アメリカ長期金利下落
・イギリス政府の政策変更
・ISM製造業景気指数が悪い結果
●後半:長期金利が再度急上昇
・ISM非製造業景気指数が良好な結果
・アメリカ雇用が堅調
・FOMCメンバーの相次ぐタカ派発言
・OPEC、OPECプラスの減産発表で原油高へ
アメリカの経済指標で今後の金利状態が変わるため、相場は一喜一憂している状態です。

週の前半の大幅プラスで、週足ではプラスとなりました。
●NYダウ:+1.99%
●NASDAQ総合指数:+0.73%
●S&P500:+1.51%
●日経平均:+4.55%
●TOPIX:+3.86%
●マザーズ:+4.30%
特に日本株が反発した週となりました。
割安感が強く、一部の国民年金基金による買いがあったとの情報が一助となっていると思われます。

本投稿は、日本とアメリカ株式市場の振り返りをしています。
①アメリカ経済指標について
②株式以外の重要指数について(金利、為替、原油)
③日米主要株価指数について
④日本市場振り返り:セクター成績
⑤アメリカ市場振り返り:セクター成績
好不調3セクターをピックアップして分析しています。
⑥アメリカ主要銘柄決算内容
の順でまとめています。
アメリカ経済指標
今週のアメリカ経済指標は、
・10/3:ISM製造業景気指数
・10/5:ISM非製造業景気指数
・10/7:9月非農業部門雇用者数変化、失業率
の発表がありました。
このことから、11月、12月のFOMCで今まで同様に大幅利上げが決定的であるということが嫌気され、長期金利が高騰しています。
また、2023年中の利下げをしない可能性が高くなってきており、相場は厳しくなってきています。
ISM製造業景気指数
・予想:52.5
・結果:50.9
予想を下回り、2022年に入ってから「製造業」は右肩下がりが顕著になってきています。
ISM非製造業(サービス部門)景気指数
・予想:56.4
・結果:56.7
前月は下回りましたが、予想を若干上回る結果。
この数か月はほぼ平行であり、「製造業」よりも堅調であることが確認されました。
非農業部門雇用者数 対前月変化
・予想:25.0万人
・結果:26.3万人
前月よりは増加数が減っていますが、予想を上回る好調な状態を維持しています。
失業率
・予想:3.7%
・結果:3.5%
前月よりも改善され、労働市場は力強いままです。
FRBの使命である「物価の安定」と「雇用の最大化」について、雇用状態は非常に強く、タカ派意見が継続することが予想できます。
平均時給(対前月比)
・予想:+0.3%
・結果:+0.3%
予想と一致していますが、平均時給がずっと上昇している状態です。
雇用状態も強く、インフレ抑制が難しい状態が確認されました。
次週は、非常に重要な指標が発表されるため、注意が必要です。
・10/12:生産者物価指数(PPI)
・10/13:消費者物価指数(CPI)
・10/14:小売売上高
・10/14:ミシガン大学消費者信頼感指数
株式以外の重要指標
11月FOMCでの利上げ確率
11月のFOMCでは0.75%利上げがほぼ決定的であり、織り込みがされてきている状態と思われます。
12月FOMCでの利上げ確率
アメリカ長期金利推移
10/7終値で、
・2年金利:4.314%
・5年金利:4.148%
・10年金利:3.885%
・30年金利:3.846%
となっており、2年と5年は4%を超えています。
また、明らかに逆イールドが続いており、リセッションの兆候は変わっていません。
金利と株価について下記記事にて詳しく記載しています。
金利は逆イールド状態であることから、すぐにはリセッションにはならなくても、近い将来はリセッションが確実になってきています。
リセッションに強いセクターを下記記事でまとめています。
為替(ドル円)
その影響で145円手前の攻防が続いてきました。
ただそこからじわじわ上昇が続いており、10/6に145円を再度突破。
10/7の終値は145円台と、為替介入の様子を見ながら徐々に146円を視界に捉えつつあります。
原油価格WTI
原油価格が下落しインフレが少し抑えられる期待がありましたが、原油高が加速するとインフレ抑制が困難となってくるため注視する必要があります。
主要指数成績
特に日本株が大きく反発した週となりました。
昨年末比で見ると、
・ハイテク関連株が多い、NASDAQとマザーズは大きくマイナス
・時価総額が高く大型株の影響が強いNYダウやTOPIXは「マシ」な結果
大型エコノミー株は、配当も多く入る銘柄が多いため、このようなボラティリティが高い相場では安心感があります。
日本市場振り
主要指数結果
・日経平均:青い線が3月、6月底で意識されていた25,700円ラインです。
10/3にそこを起点として反発し、100日移動平均線(黄)、
200日移動平均線(赤)で跳ね返されています。
・TOPIX:6月底の1,808ポイントをから反発し、日経平均と同様の動きをしました。
・マザーズ:100日移動平均線(黄)で反発し、200日移動平均線(赤)で跳ね返されました。
円安が止まらず、輸入に頼っている業界は特に厳しく、消費者に対して値段を大幅に上げられないメーカーは特に厳しい情勢になる恐れがあります。
日銀の金融緩和は続くと思われますが、世界の流れは止められず景気は鈍化する可能性が高いと考えます。
セクター成績
nikkei225jp.comは日経平均ヒートマップとしての使い方が有用です。
また、世界各国株式相場やコモディティ、仮想通貨、為替についての情報も盛り沢山なサイトです。
特に、次の業種が買われやすい週となりました。
・石油関連株:原油高により鉱業、石油石炭、商社株が上昇
・ハイテク:精密機器、電気機器が上昇
・自動車関連:円安により上昇
アメリカ市場振り返り
主要指数結果
非常にボラティリティが高い相場となっていることが分かります。
来週はインフレ指数が発表される予定であり、これ次第で大きく動きがあると思います。
円安に大きく振れてきており、アメリカ銘柄を持っておく必要が更に上がってきています。
円安のため、中々ドルを持つことが厳しいですが、暴落相場はアメリカ株が買いやすい状態ではあるため、引き続き少量ですがアメリカ株へ投資を続けていきたいと考えています。
引き続き高配当株とS&P500、NASDAQ100への投資信託を積み立てていきます。
ヒートマップ
finvizはアメリカ市場全体を把握するのに有用なサイトです。
ヒートマップとして物凄く有益ですし、セクターや各銘柄の調子が一気に分かります。
しかも無料です。
特にエネルギーと素材株が大きく上昇しています。
一方で不動産と公共事業がマイナスになっていることも読み取れます。
セクター別成績
9月暴落のエネルギーが2週連続TOPとなりました。
貴金属の上昇に伴い素材株も2週連続プラスとなっています。
一方で不動産が大幅マイナスとなりました。
TOP:エネルギー:+11.13%
原油価格が再浮上していることから、エネルギー関連株が大きく上昇しています。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
コノコフィリップス | COP | 15.80% | 10.98% | 40.52% | 21.20% | 70.39% | 68.34% |
エクソン モービル | XOM | 15.71% | 6.45% | 17.97% | 18.79% | 66.55% | 65.11% |
シェブロン | CVX | 11.39% | 2.62% | 13.09% | -4.23% | 51.43% | 36.37% |
トータルエナジーSE | TTE | 9.44% | 3.08% | 2.95% | 2.77% | 2.60% | 2.93% |
エクイナー ASA | EQNR | 6.43% | -0.84% | 6.01% | -5.28% | 38.58% | 35.37% |
シェル | SHEL | 4.44% | -0.36% | 7.51% | -6.23% | 12.90% | 19.75% |
No.2:素材:+2.87%
分類 | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
アルミニウム | 13.93% | -18.61% | -9.63% | -53.90% | -29.19% | -37.73% |
原料炭 | 11.05% | 7.11% | 17.28% | -4.92% | 47.71% | 50.44% |
紙・紙製品 | 8.00% | 2.88% | 3.60% | -13.85% | 0.60% | -11.44% |
銀 | 6.33% | 7.26% | 3.59% | -34.34% | -27.31% | -27.89% |
鋼 | 6.05% | -10.90% | 1.23% | -28.75% | -12.51% | -16.41% |
銅 | 5.87% | -3.02% | 3.94% | -36.29% | -13.45% | -24.09% |
その他の工業用金属および鉱業 | 4.02% | 3.67% | 3.46% | -27.27% | -2.51% | -6.50% |
農業投入物 | 3.84% | -5.01% | 9.17% | -16.23% | 23.62% | 11.54% |
金 | 1.43% | 0.54% | -10.31% | -36.92% | -17.22% | -22.47% |
特殊化学品 | 1.41% | -10.72% | -5.72% | -16.20% | -20.76% | -28.18% |
化学品 | 1.17% | -11.77% | -6.34% | -19.91% | -16.63% | -22.82% |
建材 | 1.04% | -9.03% | -1.09% | -14.89% | -24.16% | -33.59% |
木材と木材生産 | 0.81% | -9.30% | -3.79% | -8.32% | -4.03% | -19.79% |
その他の貴金属と鉱業 | 0.30% | -1.56% | -3.71% | -36.98% | -38.32% | -35.45% |
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
ヴァーレ | VALE | 8.26% | 16.86% | 9.12% | -28.07% | 1.87% | 5.07% |
リオティント | RIO | 4.07% | 3.54% | -0.88% | -29.13% | -15.22% | -13.71% |
BHP | BHP | 2.28% | 1.57% | 0.12% | -25.80% | 5.40% | -4.90% |
リンデ | LIN | 1.34% | -3.77% | -1.29% | -14.10% | -8.68% | -21.14% |
ニュートリエン | NTR | 0.43% | -8.14% | 10.56% | -19.75% | 20.49% | 11.36% |
No.3:資本財:+2.72%
農業機械大手ディアーが大きく上昇しました。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
ディアー | DE | 6.67% | -3.35% | 19.35% | -13.02% | 3.50% | 3.87% |
ロッキードマーティン | LMT | 4.57% | -3.74% | -3.61% | -13.22% | 14.83% | 13.66% |
ハネウェル | HON | 2.66% | -8.74% | -0.83% | -11.05% | -21.50% | -17.79% |
レイセオン | RTX | 2.63% | -2.95% | -11.30% | -16.81% | -6.81% | -2.38% |
ユニオンパシフィック | UNP | 0.41% | -15.07% | -6.79% | -20.11% | -7.67% | -22.35% |
ユナイテッドパーセルサービス | UPS | -1.49% | -18.86% | -13.81% | -17.42% | -12.37% | -25.75% |
ワースト1:不動産:-3.21%
ローン金利が大きく上昇しており、不動産株は弱い展開が続いています。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
アメリカンタワー | AMT | -9.35% | -25.62% | -24.56% | -26.76% | -26.86% | -33.46% |
プロロジス | PLD | -1.22% | -21.54% | -17.59% | -40.56% | -22.43% | -40.39% |
クラウンキャッスル | CCI | -7.06% | -22.89% | -22.01% | -31.64% | -22.27% | -35.64% |
パブリックストレージ | PSA | -3.12% | -16.42% | -5.93% | -27.86% | -2.10% | -21.19% |
イクイニクス | EQIX | -4.74% | -16.75% | -16.29% | -28.63% | -29.31% | -35.94% |
ワースト2:公共事業:-1.29%
ここ最近は弱い展開が続いています。
大手株はすべてマイナスと引き続き弱い相場となっています。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
センプラ | SRE | -1.94% | -14.98% | -1.01% | -12.51% | 17.07% | 11.15% |
ネクストエラ・エナジー | NEE | -2.14% | -15.00% | -4.90% | -11.89% | -5.18% | -17.81% |
デューク・エナジー | DUK | -4.25% | -18.43% | -17.50% | -22.45% | -11.78% | -15.09% |
ザ・サザン | SO | -5.71% | -19.25% | -10.66% | -15.36% | 2.31% | -6.50% |
ドミニオンエナジー | D | -6.83% | -22.21% | -19.29% | -26.55% | -12.81% | -18.04% |
ワースト3:一般消費財:-0.11%
テスラのみマイナスで、テスラ以外の大手株はプラスとなっています。
テスラは、7-9月の販売台数が予想を下回る結果であったことや、イーロンマスク氏のツイッター買収再表明で株価は暴落しました。
会社 | ティッカー | 1週間 | 1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | 年初来 |
ロウズカンパニー | LOW | 5.01% | -3.51% | 9.49% | -2.68% | -5.14% | -23.70% |
ナイキ | NKE | 4.86% | -19.84% | -17.08% | -32.63% | -42.60% | -47.71% |
トヨタ自動車 | TM | 4.27% | -5.74% | -12.45% | -22.14% | -19.84% | -26.69% |
スターバックス | SBUX | 3.29% | -2.72% | 11.72% | 4.70% | -22.44% | -25.60% |
ホームデポ | HD | 3.04% | -5.20% | -0.72% | -6.09% | -15.75% | -31.49% |
アリババ | BABA | 1.56% | -9.25% | -25.86% | -22.09% | -47.92% | -31.61% |
アマゾン | AMZN | 1.38% | -11.75% | 2.51% | -27.39% | -30.62% | -31.28% |
マクドナルド | MCD | 1.06% | -10.34% | -7.93% | -8.32% | -6.09% | -13.01% |
テスラ | TSLA | -15.90% | -22.88% | -4.81% | -36.70% | -15.68% | -36.67% |
アメリカ主要銘柄決算内容
アナリスト予想:ファクトセットが調査したアナリスト予想の平均(FactSetコンセンサス)を使用
マネックス証券参照。無い場合は、https://jp.investing.com/を参照
リーバイ・ストラウス (LEVI)
ジーンズ大手のリーバイ・ストラウスの決算が10/6に発表されました。
3Qの業績は増収減益でした。
売上高 | 前年同期比1.3%増の 15.2億ドル。アナリスト予想より-3.2% |
EPS | 前年同期の水準から-0.08ドル。アナリスト予想より+0.2ドル |
増収ながら予想を大きく下回る結果でした。
通期ガイダンスは売上高、EPSともに予想を下回る内容となっています。
株価は大きく下落しています。
ドバンスト・マイクロ・デバイセズ (AMD)
決算発表自体は11/1予定ですが、半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、3Q売上高が従来予想を10億ドル下回る見込みと発表しました。半導体市場が冷え込んできていることを示唆しています。
この結果を受け、同業他社のエヌビディアやインテルなども値下がりしました。
来週から決算発表が本格化します。インフレ指数とともに注目です。
10月12日 | ペプシコ |
10月13日 | ブラックロック |
ウォルグリーン | |
デルタ航空 | |
ドミノピザ | |
10月14日 | JPモルガンチェース |
ウェルズファーゴ | |
シティグループ | |
モルガンスタンレー | |
台湾セミコンダクター | |
ユナイテッドヘルス |
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