【アメリカ株入門】ニューヨーク・ダウ(NYダウ)って何?

NYダウアメリカ株
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よく耳にするニューヨーク・ダウって何?

今日は、アメリカ株投資する人じゃなくても日頃耳にするニューヨーク・ダウ(NYダウ)についての投稿です。

耳にはするけど、実際は何?って答えられない・・・

正式名は、「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」と言うよ。
世界経済の中心である米国の株式市場には世界中の優良企業が上場していて、NYダウは世界の景気や経済の先行きを測る指標として世界中の投資家から注目を集めています。

 

アメリカには色々な株価指数があるけど、特に3つが有名です。
・NYダウ
・S&500

・ナスダック総合指数

その中で、NYダウは、米国の広範な株式市場を代表するように“厳選投資”として30社を集めた株式指数です。

30社しかないけど、「時価総額が大きい」「企業として極めて高い名声」「数多くの投資家からの関心」「持続的な成長」などの特性から厳選されていますし、日本人でも知っている会社ばかりです。

今回は、そのNYダウについて、基本的なことの説明とNYダウに収載されている30社について説明します。

NYダウについての基本

 

正式名称:ダウ・ジョーンズ工業株価平均と言いますが、工業に限らず、運輸および公益事業以外のすべての業種が組み入れ対象です。指数になっているため、ETFで購入できます。
買い方についての説明はこちら

アメリカで有名な3つの指数と比較すると下図の通りになります。

 NYダウS&P500ナスダック100
適応ETFDIAVOOQQQ
算出開始日1956年3月1896年5月1985年1月
銘柄アメリカを代表する
30銘柄
アメリカの大型株
500銘柄
ナスダック株式市場に上場する大型株
100銘柄
セレクト基準S&P500構成銘柄から、成長性、投資家の関心、業種間の安定性などを考慮時価総額、浮動株比率、黒字決算などの定量的基準
業種バランスも考慮
非金融企業100社
指数算出方法株価平均時価総額加重時価総額加重

NYダウとS&P500、QQQの構図

NYSE(ニューヨーク証券取引所)とNASDAQとに分かれます。
NASDAQ総合指数から、100社に厳選されたものがNASDAQ指数100(ETF:QQQ)です。
S&P500(ETF:VOO)は市場関係なく500社を厳選したものです。
NYダウ(ETF:DIA)はS&P500から更に30社厳選したものとなります。

NYダウは株価平均にて指数が決まるのに対し、S&P500とNASDAQ100は、時価総額加重で指数が決まります。

【TOP6銘柄比較】

銘柄NYダウ(DIA)S&P500(VOO)ナスダック100(QQQ)
銘柄組み入れ比率銘柄組み入れ比率銘柄組み入れ比率
1ユナイテッドヘルス6.98%アップル5.74%アップル11.19%
2ゴールドマン・サックス6.88%マイクロソフト5.29%マイクロソフト9.78%
3ホーム・デポ5.46%アマゾン3.94%アマゾン8.49%
4マイクロソフト4.94%GOOGLE(アルファベット)3.63%GOOGLE(アルファベット)7.53%
5アムジェン4.74%フェイスブック2.11%フェイスブック3.92%
6ボーイング4.68%テスラ1.53%テスラ3.62%
6社合計 33.68% 22.24% 44.53%

S&P500とNASDAQ100のTOP6は同じGAFAM+テスラとなっていますが、NYダウはそれとは異なっています。ただし、アップルとマイクロソフトは、NYダウに採用はされています。

【セクター比較】

セクターNYダウ
(DIA)
S&P500
(VOO)
ナスダック100
(QQQ)
情報技術24.1%26.7%44.4%
コミュニケーションサービス4.7%11.2%19.7%
エネルギー3.4%2.7%0.0%
資本財15.3%8.7%2.8%
消費財13.5%12.7%18.1%
素材0.9%2.7%0.0%
金融13.3%11.4%2.3%
不動産0.0%2.5%0.0%
ヘルスケア15.2%12.8%6.8%
必需品9.7%6.0%4.9%
公益事業0.0%2.6%1.0%

NYダウとS&P500、QQQのセクター構成比率

それぞれ、セクター構成が異なります。
NASDAQ100(QQQ)は、情報技術やコミュニケーションサービスに特化しています。
S&P500は比較的分散されている形です。
NYダウは、S&P500と同様に分散されていますし、組み入れセクターが異なります。
資本財とヘルスケア、必需品が多いのが読み取れると思います。

NYダウ銘柄について

【30銘柄】

 シンボル会社名構成比(%)セクター
1UNHユナイテッドヘルスグループ6.98ヘルスケア
2GSゴールドマン・サックス・グループ6.88金融
3HDホーム・デポ5.46一般消費財
4MSFTマイクロソフト4.94情報技術
5AMGNアムジェン4.74ヘルスケア
6BAボーイング4.68資本財
7CATキャタピラー4.58資本財
8CRMセールスフォース・ドットコム4.54情報技術
9Vビザ4.52情報技術
10MCDマクドナルド4.34一般消費財
11HONハネウェルインターナショナル4.30資本財
12DISザ・ウォルト・ディズニー・カンパニー4.07コミュニケーションサービス
13MMMスリーエム3.68資本財
14JNJジョンソン&ジョンソン3.32ヘルスケア
15JPMJPモルガン3.14金融
16TRVトラベラーズ3.14金融
17AXPアメリカン・エキスプレス2.89金融
18NKEナイキ2.87一般消費財
19WMTウォルマート2.74生活必需品
20AAPLアップル2.67情報技術
21PGプロテクターギャンブル2.59生活必需品
22IBMインターナショナル・ビジネス・マシーンズ2.52情報技術
23CVXシェブロン2.13エネルギー
24MRKメルク1.51ヘルスケア
25INTCインテル1.31情報技術
26DOWダウ1.28素材
27VZベライゾン・コミュニケーションズ1.15コミュニケーションサービス
28KOコカ・コーラ1.04生活必需品
29WBAウォルグリーンブーツ・アライアンス1.00生活必需品
30CSCOシスコシステムズ0.96情報技術

聞いたことがある銘柄が多いのではないでしょうか。
「時価総額が大きい」「企業として極めて高い名声」「数多くの投資家からの関心」「持続的な成長」などの特性から厳選されていることがこれで分かるかと思います。

過去10年株価推移

NYダウ30銘柄 2011~2021年株価推移

NYダウ30銘柄 過去10年間の騰落率

青背景:高い成長率だったことを意味します。
赤背景:低い成長率だったことを意味します。

過去10年成長率から

●マイナス成長
 シェブロンとIBM
 どちらも高配当銘柄ですが、マイナス成長は厳しいですね。

●成長率が高い銘柄
 情報技術、コミュニケーションサービス関連企業が多いです。
 (アップル、マイクロソフト、ビザなど)
 やはりこの10年間はこのセクターが世界を引っ張っていたと言えます。

●成長率が低い銘柄
 生活必需品、銀行株などが該当します。
 高配当銘柄が多い結果となりました。
 ・成長率が高い銘柄→配当が少ないキャピタルゲイン
 ・成長率が低い銘柄→配当が多いインカムゲイン
 であり、過去10年は、キャピタルゲイン株に集中していたことが分かります。
 次の10年は??

 

過去5年配当

●配当金額推移NYダウ30銘柄 過去5年間配当推移

●配当利回り推移NYダウ30銘柄 配当利回り推移

●配当成長率推移NYダウ30銘柄 配当成長推移

 
過去5年配当から

●配当利回りが高い銘柄
 シェブロン、IBM
 株価成長率がマイナスになった銘柄が特に高い結果です。
 連続増配はしていますが、株価が下がっているため、相対的に利回りが高くなっています。 

●連続増配期間が長い銘柄
 ・プロテクターギャンブル:65年
 ・スリーエム:63年
 ・ジョンソンエンドジョンソン:59年
 ・コカ・コーラ:59年
 配当利回りも比較的高いものが多い結果です。
 株価成長率は高くはありませんが、マイナスにはなっていません。

●無配銘柄
 ・ボーイング
 ・ウォルトディズニー
 両社は、コロナ禍による市況変化により無配となっています。
 ・セールスフォース
 当社は、元から無配企業です。

 インカムゲインを狙う人は、この3社は注意が必要です。
 この3社は、キャピタルゲイン狙いです。

●配当成長率
 高い銘柄は、元々配当金が少ない企業になります。将来性を考慮するなら狙い目。
 低い銘柄は、元々配当金が多い企業です。その中でも連続増配をしている企業は配当に関する
 考えがしっかりしているため、狙い目です。

 

NYダウについてのまとめ

S&P500から「時価総額が大きい」「企業として極めて高い名声」「数多くの投資家からの関心」「持続的な成長」などの特性から30社を厳選されています。

株価成長率と配当の関係

NYダウ30銘柄 株価成長率と配当推移

上図を順位に直すと下表になります。

NYダウ30銘柄 株価成長率と配当順位

株価成長率と配当に関する順位から

どちらも高いレベルで満たす銘柄は、ほぼ皆無です。
つまり、株価成長狙い(キャピタルゲイン)を取るか、配当狙い(インカムゲイン)を取るかを
自身の投資スタイルを決めて決めていったら良いのかと思います。

配当狙いであれば、有名なものは「ダウの犬」戦法です。
これはこちらにてまとめていますので、参考になれば幸いです。

NYダウ30銘柄すべてに投資したいという場合は、ETFのDIA若しくは、それに準ずる投資信託を購入する形が一般的です。

 

ETF DIAについて

経費率0.16%
直近配当額(2021/5/20現在)0.7039$
直近配当利回り(2021/5/20現在)2.47%
資産総額29.987十億$
ETFとして、アメリカ市場で購入することもできますが、日本市場にも上場されているため、国内市場で購入することができます。NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価連動型上場投信がそれにあたり、1546の番号となります。
投資信託としては、
・eMAXIS NYダウインデックス
・iFree_NYダウインデックス
などで購入することができます。

株価推移

 

 

コロナショックから立ち直り、過去最高を塗り替えています。
長期金利上昇やテーパリングがいつされるのか?など市場は不明瞭な状態になっていますが、長期トレンドとしてはずっと右肩上がりのアメリカ市場なので、一喜一憂することなく投資を続けていきたいと思います。

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