
2021年の年間株式市場振り返りです。

2021年は市況が良かったですね!

特にアメリカ株がすごい勢いでした。
コロナウイルスの影響で、大規模な金融緩和が続いたことが大きいです。急速な景気回復によりモノがひっ迫する展開になり、インフレが懸念されています。需給バランスの影響によりコモディティ関連株も好調でした。

日本株も年末株価としてはバブル崩壊後最高値を記録しました。
自民党総裁選の間際に菅前首相が退陣表明したことから期待先行の株価上昇がありました。その後岸田政権が発足。しかしながら相次ぐ投資家へのガッカリ発言により株価は乱高下。プラスで終わったもののアメリカ株から見ると弱い展開となりました。

通年通してコロナウイルスの影響は続いており、2022年も強弱はあるものの影響は続くと思います。日本以外の主要国でインフレが加速しており、12月のFOMCで2022年早期テーパリング終了、利上げ発表があったことから、金利の上昇に伴う株式市場の停滞が予想されています。

今回は2021年の振り返り投稿です。
最後に2022年についても触れます。
世界ヒートマップ結果
大きく見ると大抵の国は上昇していますが、中国と南米が悪い結果だと分かります。
●全世界ETF結果
VEA | 先進国ETF(アメリカ除く) | 12.35% |
VOO | アメリカS&P500 | 29.57% |
TOPIX | 日本 | 10.40% |
VWO | 新興国ETF | 2.01% |
アメリカが最もリターンが高く、新興国ETFであるVWOがリターン低い結果でした。
●先進国
アメリカ | S&P500 | 26.89% |
日本 | TOPIX | 10.40% |
イギリス | 英国FTSE100 (FTSE) | 14.30% |
カナダ | S&P トロント総合指数 (GSPTSE) | 21.74% |
フランス | 仏CAC40 (FCHI) | 30.01% |
スイス | SMI (SSMI) | 20.89% |
ドイツ | 独DAX | 18.19% |
日本が低めですが、主要国すべてで10%超えと非常に高い成績となっています。
●新興国
中国 | FTSE中国A50 | -13.52% |
台湾 | 台湾加権 | 23.51% |
インド | Nifty 50 (NSEI) | 25.73% |
ブラジル | ブラジルボベスパ | -12.95% |
南アフリカ | FTSE South Africa | 13.32% |
ヒートマップから見て分かったように、中国、ブラジルがマイナス10%超えとなっています。
しかしながら、インド、台湾は20%超えと非常に高いリターンとなりました。
中国は、アメリカとの覇権争いや恒大集団のデフォルト懸念など懸念点も多いことが嫌気されていると思います。
アメリカ・日本主要指数結果
指数比較
2020年末終値 | 高値 | 安値 | 2021年末終値 | 2020年末比 | |
日経平均 | 27,444.17 | 30,795.78 | 26,954.81 | 28,791.71 | 4.91% |
TOPIX | 1,804.68 | 2,120.18 | 1,776.60 | 1,992.33 | 10.40% |
マザーズ | 1,196.49 | 1,340.38 | 942.64 | 987.94 | -17.43% |
NYダウ | 30,606.48 | 36,679.44 | 29,856.30 | 36,338.30 | 18.73% |
S&P500 | 3,756.07 | 4,808.93 | 3,662.71 | 4,766.18 | 26.89% |
NASDAQ | 12,888.28 | 16,212.23 | 12,397.05 | 15,644.97 | 21.39% |
・S&P500:+26.89%
・NASDAQ:+21.39%
・NYダウ:+18.73%
・TOPIX:+10.40%
・日経平均:+4.91%
・マザーズ:-17.43%
と命運が分かれています。
出来事
2021年4月頃まで | 日経平均の方がNYダウをアウトブレイク |
2021年8月末頃まで | 日経平均はマイナス方向であり、アメリカ株はプラス方向となり、アメリカ株優位の展開へ。 |
2021年9月初~中旬 | 菅総理退陣を受け、日経平均は高騰。年初来でもNYダウに肉薄。 |
2021年9月中旬~10月上旬 | 中国不動産大手恒大集団デフォルト不安により日経平均は大きく下降 |
2021年11月下旬 | 変異株オミクロンの登場でパニックに近い売り。 世界的に株価が急落 |
2021年12月中旬 | アメリカFOMCで2022年早期テーパリング終了、利上げ発表を受け世界的に株価が急落 |
2021年12月下旬 | サンタクロースラリーで大きく株価上昇 |
NYダウと日経平均
NYダウは右肩上がり、日経平均はヨコヨコの展開
日本株価指数比較
5月頃からTOPIXのパフォーマンスが日経平均よりも上回っています。
マザーズは基本的に右肩下がりと苦しい展開。
アメリカ株価指数比較
NASDAQはボラティリティが高いものの、基本的にすべて右肩上がりと好調を維持しました。
中でもS&P500が最もハイパフォーマンスでした。
東証業種別成績
業種 | 1年 |
海運業 | 208.18% |
鉱業 | 69.75% |
ゴム製品 | 40.07% |
鉄鋼 | 34.00% |
卸売業 | 25.67% |
電気機器 | 25.04% |
輸送用機器械 | 24.14% |
銀行業 | 21.82% |
保険業 | 21.78% |
石油・石炭製品 | 19.82% |
その他金融業 | 16.62% |
サービス業 | 15.04% |
精密機器 | 14.49% |
倉庫・運輸関連業 | 13.32% |
ガラス・土石製品 | 13.19% |
証券業 | 12.30% |
金属製品 | 10.20% |
空運業 | 7.55% |
建設業 | 7.26% |
繊維製品 | 7.13% |
機械 | 6.55% |
不動産業 | 5.79% |
水産・農林業 | 2.78% |
非鉄金属 | 1.86% |
食料品 | 1.79% |
化学 | 0.46% |
パルプ・紙 | -1.35% |
情報・通信 | -3.42% |
小売業 | -5.50% |
その他製品 | -6.63% |
陸運業 | -8.40% |
医薬品 | -10.41% |
電気・ガス業 | -10.47% |
東証33業種中、26業種がプラス、7業種がマイナスと全体的にプラス方向となりました。
中でも海運株は驚異的な上昇となりました。次いで鉱業も好調。
<海運最大手:日本郵船>
その後、配当権利確定前に暴落。年末にかけて回復していき、最終は昨年末比で265%UPで終えました。ボラティリティが非常に高く、予想が難しい銘柄です。
●配当
中間 | 期末 | |
2017年度 | 0円 | 30円 |
2018年度 | 10円 | 10円 |
2019年度 | 20円 | 20円 |
2020年度 | 20円 | 180円 |
2021年度 | 200円 | 600円 |
<鉱業最大手:INPEX>
原油、天然ガスが2021年に大きく上昇したことが要因です。
その他のコモディティも需給バランスの観点から大きく値上がり、コモディティが強い一年となりました。
アメリカ業種別成績
1年 | 7-12月 | |
Energy | 36.98% | 0.83% |
Real Estate | 28.10% | 9.75% |
Technology | 26.86% | 12.28% |
Financial | 21.41% | 1.44% |
Communication Services | 21.28% | -2.00% |
Industrials | 19.98% | 3.22% |
Basic Materials | 14.74% | -0.04% |
Healthcare | 12.68% | 2.00% |
Utilities | 10.51% | 8.93% |
Consumer Cyclical | 6.78% | -0.78% |
Consumer Defensive | 6.77% | 4.06% |
・エネルギーが前半ずば抜けているが、後半はほぼ横ばい
・金融、コミュニケーションサービス、工業、素材、ヘルスケア、消費者循環も同様に後半失速
・公共事業、生活必需品が後半好結果
・テクノロジー、不動産が通期に亘って高評価
2021年No.1セクター:エネルギー
セクター内グループ | 1年 | 7-12月 |
Oil & Gas E&P | 92.02% | 9.03% |
Uranium | 70.50% | 14.88% |
Thermal Coal | 41.24% | 17.11% |
Oil & Gas Drilling | 40.95% | -18.76% |
Oil & Gas Integrated | 30.62% | 2.37% |
Oil & Gas Midstream | 28.05% | -5.89% |
Oil & Gas Refining & Marketing | 22.83% | -7.40% |
Oil & Gas Equipment & Services | 21.94% | -9.67% |
これは2020年が悪すぎたことが要因の反動です。
Oil & Gas Integratedが最も大きいセグメントであり、ここにエクソンモービルとシェブロンがいます。下のチャート通り、2021年前半に大きく上昇したことが分かります。
2021年No.2セクター:不動産
1年 | 7-12月 | |
REIT – Industrial | 63.98% | 31.50% |
REIT – Residential | 54.28% | 20.85% |
REIT – Retail | 48.93% | 12.66% |
REIT – Specialty | 28.77% | 9.85% |
Real Estate – Diversified | 26.29% | 8.81% |
REIT – Diversified | 24.98% | 5.88% |
REIT – Office | 18.32% | 6.39% |
REIT – Hotel & Motel | 13.56% | -2.62% |
REIT – Healthcare Facilities | 11.09% | -0.41% |
REIT – Mortgage | 6.98% | -8.18% |
Real Estate – Development | -11.80% | -13.74% |
Real Estate Services | -16.10% | -12.65% |
工業、住宅関連が好調でした。
2021年No.3セクター:テクノロジー
1年 | 7-12月 | |
Semiconductor Equipment & Materials | 58.00% | 16.08% |
Semiconductors | 40.35% | 20.33% |
Computer Hardware | 36.80% | 9.87% |
Communication Equipment | 34.82% | 11.65% |
Consumer Electronics | 33.07% | 26.25% |
Software – Infrastructure | 30.58% | 9.33% |
Electronics & Computer Distribution | 27.32% | 11.82% |
Electronic Components | 25.39% | 10.41% |
Information Technology Services | 18.41% | 8.79% |
Scientific & Technical Instruments | 14.72% | 3.31% |
Software – Application | 1.86% | -1.98% |
Solar | -22.04% | -13.88% |
半導体関連がTOP1,2となっています。やはり半導体不足に陥っているため、価格も跳ね上がり株価も上昇しています。全体的に上昇していますが、太陽光だけが一人負けです。
GAFAMの中でアップルとマイクロソフトがこのテクノロジーセクターとなります。
ついでにGAFAMの成績について確認しました。
セクター・グループ | 2020年末比 | |
コミュニケーションサービス | 65.3% | |
apple | Consumer Electronics (家電) | 33.8% |
facebook(meta) | コミュニケーションサービス | 23.1% |
amazon | 消費者循環 | 2.4% |
microsoft | Software – Infrastructure | 51.2% |
amazonがイマイチでしたが、それ以外は大きく上昇しています。
元々の株価も高いのにも関わらず更に大きく上昇できるっていうのは相変わらず凄いです。
2022年について
アメリカでは、3月にもテーパリングが終了する予定です。それに加え、利上げも同時期に1回目があり、年間3回利上げがあるといった発表がありました。
コロナウイルスの影響で、大規模金融緩和が取られ2021年は強い相場でしたが、2022年は相場環境としては悪い状態となります。
ただ、足元の経済は急速に回復していることから、上述の懸念事項を払拭して年後半は上がるのでは?と期待しています。
●アメリカ
①金利上昇に伴い、ハイテク株が売られる
②金融株が上昇
③グロース株からバリュー株へシフト
④景気は回復してくるため、更に資源株(素材、エネルギー)は上昇
●日本株
①基本的にはアメリカ株に左右される
②PER等の指数がアメリカ株よりもかなり低いため、買い場になる
③大型株がより買われる形になり、日経平均よりもTOPIXの方が上がりやすい
ハイテク株については2023年以降再度上昇する可能性もあるため、買い場を探っていきたいと思っています。
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